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コラム

後から遺書書が見つかった場合の対処法

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遺産相続の際は遺言書の内容をもとに遺産を分割します。
では、遺言書が残されたことを知らず、遺産分割協議で取り決めた後に、遺言書が見つかった場合はどうすべきなのでしょうか。
今回は、後から遺言書が見つかった場合の対処法について解説します。

遺言書に有効期限はあるのか

民法では「遺言者が死亡したときから効力を生じる」とあるだけで、その期限については定められていません。
そのため遺言者が亡くなった後、何十年も経って見つかったとしても、その遺言書は有効とされます。

遺言書が見つかった場合の対処法

遺産分割協議後に遺言書が見つかった場合、実際にはどう対処したらいいのでしょうか。

遺言書が有効か確認する

まず、その遺言書が法的に有効なものかどうかを確認します。
遺言書には以下の3種類があります。

  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言
  • 自筆証書遺言


公正証書遺言は、公証役場の遺言検索システムですぐに見つけることができるので、遺産分割の後に見つかる可能性は低いと考えられます。
後から見つかる可能性が高いのは秘密証書遺言と自宅で保管されていた自筆証書遺言になります。
この2つは、家庭裁判所で「検認」する必要があります。

検認とは、見つかった遺言書がどんな状態であったかの確認をするもので、形状や加筆・訂正などの状態や、日付・署名などの内容を明確にするものです。
また、それと同時に遺言書の存在と内容が相続人に知らされることになります。
検認は遺言書の有効無効を判断するものではないので、有効性が疑われる場合は、弁護士などの専門家にチェックしてもらう必要があります。

遺言書が有効だった場合

遺産分割協議が終わっていても、遺言書が有効であれば、その協議は無効になります。
遺言書の内容をもとに、遺産分割を再度やり直す必要があります。
ただし、相続人全員の合意があれば、遺産分割協議を優先させることも可能です。
遺言の内容と遺産分割協議の内容にあまり違いがない場合などは、全員の合意が得られる可能性が高く、再分割しなくて済みます。

遺産分割のやり直しをしなければいけないケースとは

相続人全員の合意があっても、次のような場合は、遺産分割をやり直さなければいけません。

遺言に遺言執行者が指定されている

遺言執行人の役目は遺言を実現させることなので、指定されている場合は遺言の内容に従う必要があります。
ただし、遺言執行者からも合意を得ることができれば、分割をやり直さなくてもいい可能性があります。

遺言に法定相続人以外に遺贈することが示されていた場合

法定相続人以外に遺贈することが記されていた場合も遺産分割をやり直す必要があります。
また、遺言があることを知らずに相続放棄をしていたのに、遺言に多額の財産を譲ると書いてあった場合、相続放棄をしていても財産を受け取ることが可能です。
遺言により財産を譲るのは「遺贈」になり、遺贈の相手は法定相続人でも、それ以外でも指定することができます。
相続放棄は相続を放棄しただけで、遺贈を放棄したわけではないので、受け取ることができるのです。
この場合も、相続人の人数に変更が出るため、遺産分割のやり直しをすることになります。

遺言書を相続人が隠していた場合

遺言書の内容が自分に不利だと知った相続人の1人が遺言書をわざと隠していた場合、その相続人は民法により相続する資格を失います。
そのため、遺産分割を再度やり直す必要が出てきます。

再分割が難しい場合

遺言書の内容をもとに再分割しなくてはいけなくなった場合、それが難しいことがあります。
相続した遺産の現金をすでに使っていたり、不動産を手放していたりしたら、遺産分割協議の時点と同じ状況で再分割をすることは不可能です。
このような場合は、相続人全員が合意できるよう様々な方法を考えていく必要があります。

まとめ

今回は後から遺書が見つかった場合の対処法について解説しました。
家族が亡くなっても、すぐに遺品の整理をしないことはよくあるため、しばらくしてから遺言が見つかることも珍しくありません。
数年後などに見つかればまだしも、何十年も経ってからでは、相続人が代替わりしている可能性もあるのでトラブルが起こりやすくなります。
また、遺言書の内容によっては、相続人から不満が出ることもあるので、トラブルになりそうな場合は弁護士に相談することをおすすめします。

2回目の自己破産は可能?条件や注意点を解説

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1回でも自己破産した人は、2回目も自己破産できるのか気になると思います。
結論から言えば、2回目の自己破産は可能ですが、2回目になると条件が加わり、その条件や1回目よりも厳しい審査をクリアしなければ自己破産はできません。
この記事では、2回目の自己破産の条件や注意点について解説します。

2回目の自己破産はできる

自己破産は倒産法の一つでもある「破産法」で定められており、2回目でも自己破産はできます。
ただし、1回目に行われた免責の審査よりも2回目の方が条件も加わって審査も厳しくなります。

2回目の自己破産ができる2つの条件

2回目以降の条件について解説します。

前回の自己破産から7年以上経過していること

1回目の自己破産(免責許可の決定の確定日)から7年以上経過していないと2回目の自己破産はできません。
破産法では、破産者に対して免責許可が確定した日から7年以内に免責許可の申立てがあった場合、2回目の免責を許可できないと定められています。

(参考先:e-eov法令検索 破産法第252条第1項10号イ(免責許可の決定の要件等)

2回目の自己破産の原因は前回と違うこと

2回目の自己破産の原因が前回と同じ場合には、反省していないとみなされるので免責が認められにくい可能性があります。

2回目の自己破産をするときの注意点

2回目の自己破産では、処分する財産がなければ「同時廃止」になる可能性があり、処分する財産があれば「管財事件」になります。

管財事件とは、裁判所が選任した破産管財人が、自己破産の申立てを行った人の財産を清算して債権者への弁済や配当にすることです。    
破産管財人は財産の調査や管理、処分を行う費用が発生するため、1回目より手続きの費用が高くなり、期間も長くなる傾向にあります。

免責許可を認める判断基準

2回目の自己破産をするときに免責許可を認める判断基準について解説します。

2回目の自己破産は自分ではどうすることもできない事情がある

2回目の自己破産をするときには、自分ではどうすることもできなかった事情や完済するために行った努力を裁判所や弁護士に伝えると免責が認められる可能性があります。

2回目の自己破産を真面目に反省している

自己破産が2回目になると、1回目の反省ができていないと判断されかねないので、深く反省しているという誠実な態度で手続きや調査には協力しましょう。
もし、不誠実な態度や管財人などの調査を妨害するような行為を行った場合には、免責が認められにくくなるので注意してください。

免責許可されないケース

免責許可されないケースとは、免責不許可事由(免責しがたい理由)に該当する場合であり、財産を不当に処分するような行為のことを指します。
免責不許可事由の中でも、特にギャンブルで自己破産する場合には、2回目の免責は認めらない可能性が非常に高いです。
ただし、やむを得ない事情により生活に困窮して借金した結果、自己破産するしかない場合には免責が認められる可能性があります。

2回目の自己破産ができないときの対処法

2回目の自己破産ができなときには以下の対処法があるので解説します。

  • 即時抗告
  • 個人再生
  • 債権者と直接交渉

即時抗告

即時抗告とは、地方裁判所が下した免責不許可の決定(自己破産できないこと)に対して、最高裁判所に異議を申立てることであり、期限は免責不許可が決定してから1週間以内です。
ただし、自己破産の原因が免責不許可事由に当てはまっている場合には、異議を申立てても決定が覆る確率は低いので注意してください。

個人再生の申立て

個人再生とは、自己破産と同様に裁判所に申立てて債務を減らしてもらうことであり、債務とは、特定の人に金銭を払ったり物を渡したりする法律上の義務です。
また、民事再生法では、次のように定められています。

「個人である債務者のうち、将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり、かつ、再生債権の総額が五千万円を超えないものは、再生手続きを行うことを求められる」

(引用先:民事再生法 第1節 小規模個人再生 第221条第1項

自己破産では、免責許可が決定すれば債務はすべて免除されますが、個人再生の場合は債務の一部は残るので返済する必要があります。

任意整理で債権者と直接交渉する

任意整理は自己破産とは異なり、裁判所を通さない代わりに弁護士などを介して債務者と債権者が直接話し合って債務者の債務を整理します。

まとめ

今回は、2回目の自己破産は可能なのか、条件や注意点について解説しました。
2回目の自己破産は可能ですが、1回目の自己破産から7年以上経過していることや、債権者や周囲に対して迷惑をかけることに対する深い反省を態度で示す必要があります。
もし、2回目の自己破産でお悩みの方は、法律の専門家でもある弁護士に相談することをおすすめします。

交通事故の示談を弁護士に依頼するメリットについて解説

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交通事故が起こると示談交渉を行いますが、本人の代わりに保険会社の担当者同士で話し合い、過失割合を決めて示談交渉を成立させることが一般的です。
この記事では、交通事故の示談を弁護士に依頼したときのメリットについて解説します。

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼する7つのメリット

交通事故が発生すると一般的には当事者、もしくは、加入している保険会社が当事者の代わりに示談交渉を行いますが、弁護士に依頼した方が良いメリットを7つ解説します。

慰謝料が増額(妥当な額)になる可能性が高い

弁護士に依頼すると、算定基準の一つである「弁護士基準」で慰謝料を計算し、相手に対して請求するので増額(妥当な額)になる可能性が高いです。
慰謝料の算定基準には次の3種類があります。

  • 自賠責基準:国土交通大臣及び内閣総理大臣が定める支払い基準
  • 任意保険基準:相手側の任意保険会社が算出する際に用いる支払い基準
  • 弁護士基準:交通事故裁判の判例から導き出された算定基準

(参考先:e-eov法令検索 自動車損害賠償保障法 第16条の3(支払基準)

上記3種類の慰謝料の額は、自賠責基準が一番低く、次に任意保険基準、最も高額なのは弁護士基準です。
そのため、任意保険会社より弁護士に依頼した方が高い慰謝料(本来、受け取るべき金額)を請求できる可能性があります。
また、交通事故で請求できる慰謝料は次の3種類です。

  • 入通院慰謝料:入通院にかかった費用とケガを負った精神的な苦痛に対する賠償金
  • 後遺障害慰謝料:後遺障害による精神的な苦痛に対する賠償金
  • 死亡慰謝料:事故の被害者が死亡した事による精神的な苦痛に対する賠償金

面倒な示談交渉や手続きをすべて任せられる

事故に遭った被害者は、事故が発生してから示談成立まで相手側の保険会社と何度もやり取りをするのでストレスを感じます。
ストレスの原因は相手側保険会社の担当者の対応にあり、弁護士に依頼すれば、示談交渉での面倒なやり取りや必要な手続きなど、すべてを任せられるのでストレスを軽減できます。

適切な後遺障害認定を受けられる

交通事故が原因で体が不自由になった場合には、医師の診断を受けて後遺障害認定を受ける必要があります。
また、後遺障害は日常生活が起因している後遺症とは異なり、交通事故が起因している場合に認定されます。
後遺症と後遺障害の違いは次の通りです。

  • 後遺症:医師の治療を受けたが完治せず、回復できない心身または精神上の症状
  • 後遺障害:交通事故が原因であると認定され、自動車損害賠償補償法施行令の等級に該当する症状

(参考先:e-eov法令検索 自動車損害賠償保障法施行令 別表第1(第2条関係)、別表第2(第2条関係)

弁護士に依頼すれば、交通事故の当事者が不利にならないように診断書を精査し、記入漏れや不備の確認ができるので適切な後遺障害認定を受けられます。

正当な過失割合を主張できる

過失割合とは、交通事故の責任が加害者側と被害者側でそれぞれの過失がどのくらいあるのか割合で示したものです。
被害者の過失割合が減れば慰謝料を多くもらえるので、できるだけ過失割合を減らすための交渉が必要です。
被害者1人で行うのは困難ですが、弁護士に依頼すれば上記の書類収集や過去の判例を基に、事故状況を詳細に分析できるので正当な過失割合を主張できます。

保険会社に主張を受け入れてもらいやすく慰謝料を早く受け取れる

弁護士が交渉すれば主張を受け入れてもらいやすくなり、示談交渉もスムーズに進むので結果的に慰謝料も早く受け取れる可能性があります。

適正な休業損害を受け取れる

休業損害とは、交通事故のケガが原因で休業したことにより、収入が減ったことに対する補償です。
休業補償も慰謝料と同様に用いる算定基準によって金額が異なります。
そのため、弁護士に依頼した方が弁護士基準で算定してもらえるので、実態に見合った適正な休業損害の金額を受け取れる可能性があります。

加害者側が任意保険を使えないときでも適正に対応してもらえる

損害保険料率算出機構が発行している2023年3月末の統計によると、任意自動車保険の加入者数は全国で75.2%(対人賠償の普及率)となっており、5人のうち1人は任意保険に未加入です。

(参考先:損害保険料率算出機構 自動車保険の概要 第19表 任意自動車保険 都道府県別普及率表(2023年3月末)

加害者が任意保険に未加入だった場合、自賠責保険の支払い限度額を超過した金額(慰謝料など)に関しては本人に対して請求します。
弁護士に依頼すれば、たとえ加害者側が任意保険に未加入でも損害賠償手続きなど、面倒な示談交渉を任せられます。
また、加害者側が請求に応じない場合には、弁護士であれば民事訴訟にも対応してもらえます。

まとめ

今回は交通事故で示談を弁護士に依頼するメリットについて解説しました。
交通事故の示談交渉は、加入している保険会社同士が行うのが一般的ですが、弁護士に依頼すれば、相手側が提示した金額より高額の慰謝料を請求できる可能性があります。
そのため、交通事故の示談交渉を保険会社だけに任せるのではなく、状況によっては弁護士に依頼する方が保険会社以上のメリットを期待できる可能性があるので、まずは弁護士に相談してみましょう。

業務委託契約で起こりやすいトラブルや注意点について

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これまでの業務を改善するため、活性化・効率化を目指して業務委託契約を導入する企業が増えています。
しかし業務委託契約における大きなメリットがある反面、トラブルも増加しています。
本稿では業務委託契約を行うことによるメリット・デメリットと、トラブルや注意点について解説します。

業務委託を行うことによるメリット

業務委託契約を行うことによるメリットは以下の通りです。

  • 生産性の向上
  • 人件費の削減
  • 専門性の高い知識やスキルが必要な業務の委託ができる

生産性の向上

業務委託によっていつでも必要な人材を必要なタイミングで、必要な場所へと配置することができます。
それにより業務の効率化を図ることができ、生産性の向上へとつながるのです。

人件費の削減

業務委託にすると、人材確保のために行う人材採用や教育などの人件費を削減することができます。

専門性の高い知識やスキルが必要な業務の委託ができる

専門性の高い知識が必要な場合に、委託契約の人材に必要な業務を任せることができます。
自社で対応が難しい専門的な知識も業務委託契約によって活用は可能です。

業務委託のデメリット

業務委託のデメリットは次の通りです。

  • 社内に知識やスキルが蓄積しない
  • 業務品質の均一化が難しい

社内に知識やスキルが蓄積しない

業務委託によって仕事が完結してしまった場合には、社内で知識やスキル、経験などが蓄積されないため、企業としての能力がいつまでも育ちません。
従業員の活用もあわせて考える必要があります。

業務品質の均一化が難しい

業務委託は委託者と受託者に使用関係がないため委託者の方から直接指示することができにくく、作業現場での作業の品質管理や維持ができません。
そのため業務品質の均一化が難しいのがデメリットとなっています。

業務委託で起こる可能性のあるトラブル

業務委託で起こる可能性のあるトラブルを紹介します。

コンプライアンス違反や不正

業務委託の場合は雇用契約ではないため会社への愛着も乏しくなりがちで、コンプライアンス違反や時には不正などを引き起こしてしまうことがあります。
できれば委託者と受託者で信頼関係を構築するため、積極的なコミュニケーションをとるなどの対策が必要です。

契約不履行と成果物の納品遅れ

業務委託契約で請負契約の場合によくあるのが、契約の途中で音信不通になってしまったり期限通りに納品がされなかったりする場合です。
納品物の修正に対応してくれるかどうかも契約時に確認しておく必要があります。

再委託によって業務品質の低下懸念

再委託というのは、受託者が委託業務を第三者に依頼することです。
再委託は委託者と下請けの連絡やコミュニケーションが取りにくいため、完成する業務の品質が低下してしまう可能性があります。

報酬に関して認識が違う場合

報酬に関しては金銭的な問題であることから深刻なトラブルに発展する可能性が高いため、特に注意が必要です。
報酬の支払い日の管理、成果物の合格基準、また認識の相違などがあります。

契約を解除したことによる損害賠償

業務委託を自己都合で一方的な解除をする場合もトラブルに発展する可能性があります。
場合によっては違約金や損害賠償額を請求する場合もあります。

契約内容の理解不足している場合の偽装請負

偽装請負というのは、業務委託契約の締結をしているのに委託者が受託者へ直接指揮命令を行っている状態のことです。
業務委託契約を締結している状態で指揮命令を行うのは違法になる場合があります。
契約内容をよく確認し内容を正しく理解しておくことが大事です。

情報セキュリティ甘さによる情報漏えい

情報のセキュリティの甘さが引き起こす情報漏えいには要注意です。
業務委託によって受託者が故意に情報を窃取したり、過失によって発生する情報漏えいなどもあります。
社内の情報漏えいは重大な信用失墜となりますので、十分な対策を行う必要があります。

業務委託に関する注意点

業務委託をすることで注意する点は次の通りです。

必要事項を契約時点で取り決めておく

委託者は受託者との間で業務委託契約を行う場合、契約のなかに必要なことをすべて細かく取り決めておくことが大事です。
お互い納得のうえで契約を交わすことでトラブルは減少します。
業務委託契約書に明記すべき項目は次の通りです。

  • 報酬
  • 契約期間
  • 報酬の支払い条件
  • 成果物の権利
  • 再委託について
  • 禁止事項
  • 損害賠償について、など

高い意識で法律を守る

法律に対する意識を高く持つようにします。
法律を守るのは当然のことですが、お互いしっかりと認識して法律違反をしないようにしましょう。

信頼できる相手と契約する

業務委託契約は信頼関係がとても重要なポイントです。
信頼できる相手であれば問題はないわけです。
しかし知人でもなければ信頼できる人であるかどうかは判断しづらいところです。

  • 契約をする前に入念に面接などを行いしっかりと話し合う
  • 信頼できる仲介サービスを利用する
  • 信頼できる人物からの紹介をしてもらう


以上のことに注意し、信頼できる相手と契約をするよう心がけましょう。

条件を途中で変更する場合は変更契約書をつくる必要がある

業務委託の契約中に内容に変更があった場合には、必ず変更契約書を作成するようにします。
あとでトラブルにならない、またはトラブルになったときの証拠品として契約書は必要となります。

条件によっては業務委託ではなく雇用契約として扱われる

専属性があったり勤務時間の指定などにより、業務委託に使用従属性があると認められた場合には「雇用」としてみなされることがあります。
雇用契約となるとさまざまな部分に影響がでてきてしまうため要注意です。

まとめ

業務委託契約のメリット・デメリットを把握し、トラブルになった事例についてよく確認し前もって対策を講じておくことが大事です。
契約書についても必要だと思われることは契約書に記述しお互い納得のうえで締結をするようにします。
業務委託契約はトラブルの発生することが多く解決が難しいことから、できれば早めに弁護士へご相談されることをおすすめします。

離婚協議書は公正証書として残すべき?メリットと作成方法

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離婚協議書は離婚に合意した旨を定めた契約書のことで、離婚協議書を公正証書にすることで法的な拘束力を持たせることができます。
離婚後にトラブルとなった場合に、離婚協議書を公正証書にしておけば養育費の支払いが途絶えても対抗するための強力な証拠となります。
本稿では離婚協議書を公正証書として残すことのメリットとデメリット、そして作成方法について解説いたします。

公正証書とは

公正証書というのは法的な効果を持たせた書面を証明する文書のことで、公証人が行為者の依頼に基づいて作成するものです。
例えば養育費などの支払いについての取り決めを離婚協議書へ記載しているのに、約束を守ってくれないような場合に強制的に実行させることができます。

公正証書の効力は?

離婚協議書はあくまでも契約書に過ぎないので、書かれてある内容について相手が守らなかったとしても強制的に実行してもらうのは困難です。
公正証書は夫婦揃って公証役場に行き話し合いをしながら公証人が作成してくれます。
そのため記載された内容に強制執行できる文言がある場合には、内容に違反があれば強制執行することができます。

公正証書の作り方

公正証書は、公証役場に足を運んだからといって、すぐに作れるわけではないので注意しましょう。
具体的には以下の手順で作成を進めます。

  1. 公証役場へ足を運び、公正証書を作成するための、担当公証人を割り当ててもらう
  2. 担当公証人に、作成内容を伝え、詳細な記載内容の協議する
  3. 公証人が、協議内容を下に公正証書案を作成
  4. 依頼者が公正証書案の内容を確認する
  5. 依頼者と担当公証人で公正証書作成日時を確定させる。身分証明書や実印などの必要書類を持参し、公正証書を作成する

公正証書の作成費用

離婚協議書を公正証書にする場合の費用は、書面に記入した養育費や慰謝料の額などを合計した金額によって変わります。

日本公証人連合会

公正証書のメリット

離婚協議書を公正証書にしておけば、離婚したあとにトラブルが起こっても未然に防ぐことが可能となります。
具体的なメリットは次の通りです。

  • 証拠としての能力が高い
  • 強制執行することができる
  • 紛失しても原本は残っている

証拠としての能力が高い

公正証書は夫婦が揃って公証役場に行き、公証人に作ってもらいます。
当事者の夫婦が揃っているために内容に食い違いが起こることは基本的にはないはずです。
また当事者でない第三者の立場である公証人が作りますので、客観的に証拠能力の高いものです。

強制執行することができる

もし相手が約束を守らなかった場合には、強制執行することができます。
公正証書がなく離婚協議書だけの場合は、裁判所の手続きが必要になります。
しかし、公正証書の場合は裁判は不要で強制的に約束を実行させることができます。

原本がなくならない

離婚協議書を公正証書にする場合には、作った書面は保存しなければいけません。
もし紛失してしまった場合でも、依頼した公証役場には原本が保存されてありますので再取得することはできます。

デメリット

離婚協議書を公正証書にするのにデメリットは次の通りです。

費用がかかる

公証役場で公正証書にしてもらうには料金が発生します。
離婚協議書に記載されている養育費や慰謝料などの金額によって料金は変わります。
金額が高ければその分の費用も高くなるため大きな出費へと繋がります。

公証人とやりとりしなければいけない

公証役場に夫婦二人で赴いて公正証書を作成してもらいますが、離婚協議書の素案自体は夫婦で合意内容をまとめる必要があります。
素案を作成したうえで、具体的にどのような内容を公正証書とするのか公証人とやり取りをしなければなりません。

公正証書は離婚後にも作成できる?

公正証書は離婚後でも作成することは可能です。
一般的には離婚前に夫婦揃って公証役場で話し合いをしながら作成をします。
離婚が成立したあとでも公正証書の作成が可能ですが、一旦別れたあとで再び顔を合わせるのは抵抗のある人も多く難しいです。

公正証書の作成の流れ

公正証書の作成の流れは次の通りです。

  • 夫婦で話し合いを行う

    夫婦間で話し合いをして公正証書に記載する内容を決めていきます。

  • 離婚公正証書の原案を作成
  • 公証役場で事前に協議を行う

    原案ができたら公証役場で作成を依頼します。

  • 作成日の予約
  • 公証役場に訪問


予約した日に夫婦揃って公証役場へ赴きます。
この時、それぞれ本人確認書類を持参します。

  • 離婚公正証書の完成


公証人の面前にて離婚公正証書の読み合わせを行います。
その上で当事者が署名・捺印をして手数料を支払い公正証書を受け取ったら終了です。
公正証書の作成には、公証役場で申し込みを行ってから約2週間程度かかることを想定しておくといいでしょう。

公正証書作成に必要な書類

公正証書を作成する際に必要な書類は次の通りです。

  • 戸籍謄本


離婚前の場合は、家族全員が記載されたもの
離婚済みの場合は、それぞれの離婚後の戸籍謄本

  • 離婚協議書
  • 不動産の登記簿謄本「および固定資産税納税通知書


不動産の所有権を相手方に移す場合必要となるものです。

  • 年金分割のための年金手帳等


年金分割をする場合、当事者の年金番号を公正証書に記載するため年金番号がわかる資料が必要となります。

  • その他


車検証、保険契約証等

まとめ

離婚というのは相手のいることでトラブルになりやすい手続きとなります。
スムーズにいけば問題ありませんが、相手が離婚に応じない、約束を守らない、姿を消してしまったなどのトラブルにより離婚自体が進まないこともあります。
そんなときには早めに弁護士へご相談されることをおすすめします。

相続財産に借金があったとき相続放棄する手続きの流れについて解説!

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亡くなった家族の遺産整理をしていたら、借金が見つかったという話はよくあります。
遺産を相続すると借金の支払い義務も負うことになります。
借金を返済しても相続財産が多ければいいのですが、借金の方が大きい場合、支払いたくないと思います。
被相続人の遺産がプラスの財産よりもマイナスの財産が大きい場合、相続放棄を行うことが考えられます。
今回は、相続財産が借金などのマイナスの財産であるときに行う相続放棄の手続きについて、詳しく解説していきます。

相続放棄とは

故人(被相続人)の遺産を一切引き継がないようにする手続きを「相続放棄」と言います。
相続放棄することによって、故人に代わって借金を払う必要がなくなります。
ただし相続放棄をする場合、借金だけを放棄し、プラスの財産だけ引き継ぐということはできません。
遺産に借金以外の現金・預貯金や不動産などがあった場合、それらの財産も受け取れなくなります。

相続放棄のメリット

故人(被相続人)に借金(負債)があった場合、それを引き継いで返済する必要がなくなります。
この負債の対象になるのは、次のようなものです。

  • 住宅や自動車のローン
  • 消費者金融やキャッシングでの借金
  • 税金・健康保険料の延滞金
  • 家賃の延滞金
  • 損害賠償負債
  • 事業による負債


他にも故人が他人の連帯保証人だった場合は、その立場も引き継ぎます。
故人の遺産が負債を上回るものであれば問題ありませんが、逆だった場合は相続放棄をすれば相続人に負担が及ぶことはありません。
借金など以外にも、相続人が複数で争いになる可能性がある場合、相続放棄をすることで相続人でなかったことになるので、トラブルに巻き込まれなくなるメリットもあります。

相続放棄のデメリット

相続放棄の最大のデメリットは、すべての遺産がもらえなくなることです。
たとえば故人の持家に同居していて借金のために放棄した場合、その家の相続権もなくなるので、他の相続人の意向によっては家を出なくてはならなくなる可能性があります。
また、相続放棄は原則として、一度行ったら取り消すことができないため、放棄した後に他の資産が見つかっても相続人には戻れません。

相続放棄の手続き方法

故人に借金が見つかり相続放棄をしたいと思ったら、どのような手続きをすればいいのでしょうか。
相続放棄をする場合の手順について解説します。

相続財産を調べる

故人の借金と資産を相殺して、プラスマイナスどちらになるのかを確かめる必要があります。
そのためには、資産をしっかり調べることが大切です。
預貯金は通帳で、不動産は固定資産税通知書などで確認できますが弁護士に依頼もできます。

必要書類を揃える

相続放棄に必要な書類は、次の3つです。

  • 相続放棄申述書
  • 被相続人(故人)の住民票除票または戸籍附票
  • 申立人の戸籍謄本

上記以外に申立人が配偶者や、その子どもだった場合は、次の書類も必要です。

  • 故人の死亡が記載されている戸籍謄本

申立人が孫や父母・祖父母、兄弟姉妹によって、上記1~4の書類に加え、さらに書類が必要になるので注意しましょう。

家庭裁判所に申立てをする

用意した書類は、故人が最後に住んでいた住所を管轄する家庭裁判所に提出します。
これを申述と言うのですが、その際に申述人(申立人)の身分を証明する印鑑が必要です。
また、郵送での提出も可能です。

相続放棄照会書を受け取る

数週間から1ヶ月程度で家庭裁判所から「相続放棄照会書」という書面が届きます。
これによって相続放棄が申立人の意思で間違いないか、その意思に変わりがないかを確認されるので、同封の回答書に必要事項を記入して返送します。

相続放棄申述通知書を受け取る

相続放棄が認められると、相続放棄照会書を返送後10日ほどで「相続放棄申述樹通知書」が届きます。
これで正式に認められたことになります。

相続放棄をする際の注意

手続き自体は複雑ではありませんが、なかには相続放棄が認められないこともあります。
ここでは、相続放棄をする際の注意について解説します。

相続放棄には手続き期間がある

相続放棄は相続開始を知った日の翌日から、3か月以内に行う必要があります。
ただし、相続開始日の後に借金が発覚した場合は、そこから3か月に延長されます。

遺産に手を付けないようにする

手続きをする前に遺産に手を付けてしまうと、相続放棄が認められなくなるので注意しましょう。
これは「単純承認」というもので、遺産相続することを認めたとみなされます。
故人の預貯金を使ったり、遺産を処分したりする行為がこれにあたります。
また、故人の借金を遺産の中から返済してもいけません。

まとめ

今回は相続財産に借金があった際の、相続放棄手続き方法について解説しました。
相続放棄をすれば故人の借金を返済しなくて済みますが、資産がある場合は、それも放棄しなければなりません。
後から資産が見つかっても撤回できないため、あらかじめ故人の遺産をよく調査してから手続きをした方がいいでしょう。
遺産調査が難しい場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士は預金や株式の情報照会を行う権限を持っているため、スムーズな調査が可能です。

任意整理を自分で行える条件と注意点について

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借金の返済額を毎月少しでも減らしたいと考えた時には、任意整理が有効です。
一般的には弁護士などに依頼することの多い任意整理ですが、金銭的に余裕が無く自分で行いたい場合もあるでしょう。
法律上、任意整理は自分自身で行うことが可能です。
この記事では、その条件と注意点について解説いたします。

任意整理とはどのような方法か

任意整理とは、債権者と交渉することで毎月の返済の負担を軽くし、完済できるように和解を結ぶ手続きです。
基本的には、将来発生するはずの利息をカットし、借り入れた元本のみを3~5年ほどかけて分割で返済させてもらえるように合意を目指します。
また、利息制限法の上限を超える利率で貸し付けが行われていた場合には、利息を計算し直すことで、借金が減額することもあります。
裁判所を介さずに行うため、自己破産や個人再生と比べて手続きが簡単です。

任意整理を自分で行える条件

任意整理は債権者との合意で成り立つため、完済の意志を持っている事が大前提です。
その他、自分で任意整理ができる条件は以下の通りです。

  • 安定した収入がある
  • 原則3~5年で完済できる見込みがある
  • 毎月の返済額が手取り収入の2~3割程度に収まっている
  • 借金の返済実績がある
  • 債権者が個人からの交渉に応じてくれる


安定した収入があり完済の見込みがあれば、正社員に限らずアルバイトであっても任意整理が可能です。
しかし2回以上返済が滞ると、残りを一括で返済するように求められる事が一般的です。
収入に変動がある場合には、あらかじめ返済に備えた貯金をしておくと良いでしょう。
債権者のなかには個人からの交渉を受け付けていない業者も存在しており、その場合には自分で手続きができません。
また、自分で計算したり交渉したりするため、法律や交渉についての知識があると安心です。

任意整理を自分で行う場合の注意点

任意整理を自分で行う場合、弁護士などに依頼することで得られるメリットは受けられないため注意が必要です。
具体的な注意点を見ていきましょう。

手続き中も返済し続けなければならない

弁護士等に手続きを依頼した場合、依頼を受けた弁護士等は受任通知を債権者に送付します。
受任通知を受け取った債権者は、依頼人に対して直接連絡を取れなくなります。
督促や取り立ても禁止されるため、依頼人は交渉が終わるまで返済を行う必要がなくなります。
しかし自分で手続きをした場合、返済がストップすることはありません。
手続きの最中にも返済は続きますので注意が必要です。

開示された取引履歴について正確に確認する

これまでの取引履歴を確認するため、債権者に対して取引履歴の開示請求をします。
貸金業法により、貸金業者は開示請求に応じる義務がありますので、自分で請求した場合にも対応してもらえます。
ただし、正確な借金額を把握するためには、過去の取引履歴をすべて確認しなければなりません。
知識が乏しい場合には、開示された情報に不備や不足があっても気付かないことがあるため注意してください。

引き直し計算をする

利息制限法に基づき取引履歴を計算し直すことで、過払い金が発生しているかどうかを確認できます。
とくに2010年6月以前の借り入れでは、グレーゾーン金利と呼ばれる高い利息で借り入れている可能性もあり、注意が必要です。
ただしこの計算は非常に複雑であり、専用のツールを使用して計算することが一般的です。
自分で行う場合には、慎重に計算するようにしましょう。

自分で資料を用意し、債権者と交渉する

引き直し計算をした結果、すでに完済しているほどの利息を支払っていた場合には、多く支払った利息の返還を求めることが可能です。
また、完済するほどではなかった場合には、借金を減額するように交渉します。
過払い金がない場合には任意整理を行います。
しかし、一方的に要求を伝えても、簡単に応じてもらえるわけではありません。減額交渉に有効な資料を自分で用意する必要があります。
ただし、法律に関する知識が乏しいと、有効な資料を提出できないことや、正当な権利を主張できないことがあります。
分割回数が少なかったり、将来利息のカットに応じてもらえなかったりという不利な和解になる可能性があるため注意が必要です。

和解の合意書を作成する

債権者との和解合意後には、合意書を作成します。
統一されたひな形はないので、必要事項の書き忘れがないようにしましょう。

まとめ

任意整理を自分で行う場合、弁護士等に依頼するよりも安価で済むというメリットがあります。
しかし複雑な計算をしたり、難しい交渉をしたりと、注意の必要な場面が沢山出てきます。
また、業者によっては個人からの交渉を受け付けていない場合もあります。
確実に任意整理を行いたい場合や手続き中の返済を停止したい場合、計算や交渉が難しいと感じる場合には、弁護士に相談することをご検討ください。

交通事故加害者と示談交渉をする時の注意点

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もしも、交通事故に遭ってしまったら、示談交渉をしなければいけない場合があります。
交通事故はいつ起こるかわからないので交渉についてはあらかじめ知っておくと、いざという時に役立つはずです。
この記事では、交通事故加害者と示談交渉する際の注意点について解説します。

交通事故加害者との示談交渉とは

示談交渉とは、裁判ではなく加害者または任意保険会社との交渉です。
加害者との示談交渉の場合は、事故の加害者と被害者が賠償金などについて話し合うことを意味します。
示談が成立するまでには、物損の場合は主張の違いなどがあるため、およそ2か月かかります。
事故の内容や相手との連絡の取り方、回答の早さなどで解決のスピードが変わってくるはずです。

示談交渉のための準備

事故当初はあわててしまうものですが、車の破損状況などをスマホで撮影しておきます。
そして、加害者の連絡先など相手の情報も把握しておくことが大事なので、以下の事項についても確認しておいてください。

  • 車のナンバー
  • 加入している保険会社
  • 住所
  • 氏名
  • 電話番号などの連絡先


運転免許証をスマホで撮影させてもらうのもOKです。

交通事故加害者との示談交渉での注意点

交通事故加害者との示談交渉では、注意点があります。
とくに注意すべき点をピックアップしましたので、参考にしてください。

示談は損害の全容を明らかになるまではしない

加害者によっては、事故現場ですぐに示談を始めたがる場合もあります。
しかし、事故直後はどのような被害が出ているのか、賠償額はどのくらいになるのかなど事故の全容が明らかになっていません。
そのため、示談交渉は事故の全容が解明した後がおすすめです。
仮に早めに示談を成立させてしまうと、その時にはわからなかった被害が出てきた場合にやり直しができません。

示談はケガの程度が明らかになるまではしない

仮に車同士の事故で、あなたがケガをしたとします。
その場合は加害者や保険会社にケガの状況を正しく伝える必要があります。
たとえば、以下の事項についてきちんと把握して、必要があれば相手や保険会社に伝えるようにしてください。

  • 入院・通院頻度
  • 痛みがどの程度であるか
  • 仕事などに支障があるか


とくに入院日数や通院頻度は、慰謝料にも関係するので大事です。
慰謝料は通院や入院の日数、通院頻度によって異なるので、痛みを我慢せずに適切な通院頻度を守ることが大事です。
ムリをせず、担当の医師に痛みの具合をきちんと伝えてください。
ケースバイケースですが、保険会社から治療費の打ち切りの話が出るケースが考えられます。

しかし、治療費の打ち切りは保険会社の基準なので、痛みがあるにもかかわらず治療をやめないでください。
通院を中断すれば賠償金額にも影響しますし、その後に後遺症が出てしまう可能性もあります。
医師と相談して適切な治療を続けてください。

示談は人身事故と認められるまでしない

相手にもよりますが、人身事故よりも物損事故の方が、少額の賠償額で済む場合があるので、物損事故として申告しようとするケースがあります。
物損事故の場合は実況見分なしで済み、過失割合の証拠も得られにくいので、相手にとって有利になると考えられます。
そのような事態にならないように、人身事故として示談交渉を行うようにしましょう。
交通事故のケガは後遺症として後で痛みが発生することもあるので、きちんとした賠償をしてもらう必要があります。
もしも、物損事故にされてしまうと、後遺症が残っても物損事故なので払えないと判断されてしまうかもしれません。
あくまでも人身事故を主張するようにしましょう。

示談の証拠のために領収書の保管は徹底的にする

事故でケガをした場合、治療費や診断書作成費などの費用がかかるので、領収書をもらったら保管しておいてください。
領収書は示談交渉の有力な証拠として提出する必要があるからです。
仮に無くしてしまった場合でも、医療機関に頼めば再発行可能な場合もあります。

しかし、その場合は再発行までに時間がかかるため、示談交渉が遅れてしまう可能性が高いです。
早めに示談交渉を成立するためには、紛失せずに保管しておくことをおすすめします。
領収書入れの箱などを家に置いておくなど、工夫してなくさないようにしてください。

交通事故に強い弁護士に依頼

もしも、交通事故にあってしまったら、個人で解決するのは難しいので交通事故に強い弁護士に依頼することをおすすめします。
交通事故に慣れている弁護士であれば、適切な賠償額を得られるように尽力してもらえます。
交通事故案件となると法律知識のみでなく後遺障害慰謝料、素因減額のような医学的知識も必要になるので、交通事故に長けた弁護士がおすすめです。
普段から交通事故に強い弁護士を見つけておけば、いざという時に助かるはずです。

まとめ

交通事故加害者と示談交渉するための注意点をお伝えしました。
交通事故加害者と示談交渉する際は人身事故にする、事故の全容解明が終わってからにするなど、重要な注意事項が多々あります。

また、ケガをした際は入院や通院の日数、ケガの程度も賠償額に関係があるので、きちんと把握しておくことも大事です。
こうした交通事故に関する示談は、交通事故に強い弁護士に依頼するのがおすすめです。
素人ではわからないことも多いため、プロに任せておけば適切な賠償額を請求できます。

企業でハラスメントが起きた場合の対処法について解説

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セクハラやパワハラなど、ハラスメント問題は世間一般でも広く知られるようになりました。
もし社内でハラスメントが発生した場合に放置をしていると、後々大きな問題に発展する可能性もあります。
すると会社の社会的信用を失い、大きな痛手になるでしょう。
今回は企業内でハラスメント問題が起きた場合の対処法について解説していきたいと思います。

ハラスメントとは?

ハラスメントといわれる言動・行動には、以下の6つの類型があります。

  • パワハラ(パワーハラスメント)
  • セクハラ(セクシュアルハラスメント)
  • マタハラ(マタニティハラスメント)
  • パタハラ(パタニティハラスメント)
  • ケアハラ(ケアハラスメント)
  • モラハラ(モラルハラスメント)


それぞれに定義づけがなされており、どのハラスメントであっても行動だけでなく、言動に問題がある場合でも成立するものとなっています。

また「自分では大丈夫」と思っていたとしても、相手の捉え方・感じ方次第では各種ハラスメントにあたる場合もあるので、十分に注意して行動することが大切です。

主要なハラスメント対策を確認しよう

社内でハラスメントが起きた場合、会社は状況によって管理者責任を問われる可能性があります。
そのため、社内でハラスメント起きないようにするための事前策や、また万が一起きたとしても適切に対処できるように対応策を構築しておくことが重要です。

ガイドラインを共有する

ハラスメントは人の感じ方という抽象的なものをベースに判断されます。
そこでハラスメントには厳しく対応していくけれども、ハラスメントに該当するものしか取り扱わないという明確な宣言を出しましょう。
そしてガイドラインを策定し、具体的に何がパワハラやセクハラに該当するか明記します。

また定期的にハラスメントに関する講習会や研修会を開催することもおすすめです。
講習会でハラスメントとは何かを社内で共有していきます。
このようなことを繰り返せば、自分はハラスメントと思っていなくても実はハラスメント行為に抵触していたといった事態の発生も低減できます。

保険への加入も検討すべき

いくら気を付けていても、情報共有や従業員への教育を徹底してもハラスメントをゼロにはできないでしょう。
ついカッとなってハラスメントを働く人もいるでしょうし、飲み会で酔った勢いで…といったことも想定できます。
ハラスメントが起きた場合、従業員が会社や加害者に対して損害賠償請求してくるかもしれません。
そのようなときのために、保険に加入するのも一考です。
一部損保会社では、ハラスメントに関する特約を提供しているところも出てきました。

相談窓口を設置しよう

ハラスメントが起きた場合、従業員がどこに相談すれば良いかわからず一人で悩みを抱えてしまう可能性もあります。
そこでわかりやすくするために、専用の相談窓口を設置するのも対策の一つです。
ではどのような人材を配置すべきか、どのような役割を果たせば良いのか見ていきましょう。

適切な人材を配置する

社内に相談窓口を設置するのであれば、ハラスメントに関する教育を受けた人材を配置しましょう。
またはコンプライアンスや法務部門の担当者を付けるのも一つの方法です。
産業医やカウンセラーがいる場合には、被害者の傷ついた心をケアできます。
また内部に窓口設置できるだけのリソースがなければ、外部に設置するのも一考です。
弁護士や社会保険労務士、コンサルタントなどに委託する方法も検討しましょう。

役割を明確にする

相談担当者の役割を明確にしてください。
相談を受け付けるだけと役割を限定する場合もあれば、事実確認の調査まで担当する場合も考えられます。
前者の場合、人事担当部など事実確認を担当する部署へ引き継ぐ仕組みも検討しなければなりません。
事実確認の下で、ハラスメントに該当するか客観的に判断します。
ハラスメントの中でも悪質であると判断された場合には、懲戒処分の検討もあわせて行いましょう。

再発防止策を検討する

加害者を処分すればそれでおしまい、では再発を防止できません。
再発防止策も検討する必要があります。
ハラスメントガイドラインの中に新たに今回発生した事例を盛り込み、今回の事例が起こらないようにするためにはどうすべきか検討します。

また加害者個人に対して研修を実施し、あらためてハラスメントをしっかり理解してもらえる場を提供する必要もあるでしょう。
ハラスメントが起こる要因として、職場環境が関係しているかもしれません。
職場環境が閉塞していてストレスがたまった結果、ハラスメントが発生する場合も考えられるからです。
職場環境に問題がある場合には改善も検討しましょう。

まとめ

ハラスメント問題は、どの会社でも起こる可能性があります。
ハラスメントは主観的な問題でもあるので、何をもってハラスメントなのか従業員で情報を共有できる環境づくりが必要です。
また、ハラスメントの被害に遭ったときに相談できる環境を用意することも、大事な対策です。
自分たちで相談窓口を設置するだけのリソースがなければ、弁護士などの専門家に相談しましょう。

弁護士に離婚・親権問題を依頼するメリットについて解説

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夫婦がお互いに合意することで、離婚は成立します。
そのため、離婚するカップルで弁護士に依頼しないケースも少なくありません。
しかし離婚をする際に自分に有利な条件で離婚したり、親権問題で相手と争わなければならなかったりする場合には、弁護士に依頼したほうが良いでしょう。
弁護士に依頼することで具体的にどのようなメリットがあるのかについて、ここで紹介したいと思います。

離婚手続きを弁護士に依頼するメリットとは?

離婚するにあたって弁護士に依頼をするメリットはさまざまなことが挙げられます。以下に詳しく見ていきましょう。

交渉がスムーズに行く可能性がある

弁護士に依頼するメリットとして、相手との交渉がスムーズにいく可能性があることが挙げられます。
双方納得のうえで、離婚できればいいでしょう。
しかしこちらが離婚を切り出しても相手が応じてくれず、話し合いができない可能性があります。

また双方の家族が離婚にあれこれ口出しをするために、話が進まないケースもよくあります。
このような場合、弁護士に依頼するのがおすすめです。
少なくとも離婚を本気で検討していることが相手に伝わります。
そうすれば、相手は観念して話し合いに応じることが多いでしょう。

自分のペースで交渉が可能

自分のペースで相手と交渉することができる点も、弁護士に依頼するメリットのひとつです。
もし相手が離婚に関して精通している、弁が立つ場合、相手の口車に乗せられてしまい、気がついたら不利な条件で離婚成立する恐れがあります。
離婚では慰謝料や親権、養育費などさまざまな知識が必要です。
相手が専門用語などを駆使して話をされると、内容がわからずに相手のペースに乗せられる可能性もあるでしょう。
離婚問題に強みのある弁護士にお願いすれば、夫婦の状況を把握したうえで適切な条件を提示してもらえます。
相手のペースに巻き込まれ、不利な条件で離婚成立といった事態を回避できます。

すべての条件を出して話し合える

離婚の際にすべての条件を提示したうえで相手方と話を進められる点も、弁護士に依頼するメリットといえます。
当事者同士の話し合いの場合、本来決めるべきことを決めずに離婚が成立する恐れがあります。
後になって問題が発生し、どう解決するかで頭を悩ませることも少なくありません。
慰謝料や親権問題については、当事者同士で取り決めを交わしていることもあるでしょう。
しかし他にも別居期間中の婚姻費用や退職金・年金の分割問題など、クリアしなければならない問題があります。
離婚問題に詳しい弁護士であれば、すべての離婚条件を出して話し合いが可能です。
後々に問題が生じるような心配も少なく離婚ができます。

親権問題を弁護士に任せるメリット

子どものいる夫婦の場合、親権問題でこじれる可能性があります。
もし親権問題で双方の言い分が食い違っているのであれば、弁護士に一任すると良いでしょう。
弁護士が代理人になることで、自分で直接話し合いを行う必要もなくなるため、本業などほかのことに集中できます。

親権を取れる可能性が高まる

親権問題で争わなければならない場合には、自分が親権を取れる可能性が高まることもメリットのひとつです。
子どものいる夫婦で離婚問題がこじれる原因として、双方が親権を主張して譲らない場合があります。
この場合、とくに父親は不利になりやすいです。
というのも一般的に母親が親権者になるケースが多いからです。
もし男性で「どうしても親権が欲しい」というのであれば、早めに弁護士に相談するのがおすすめです。

自分が望む面会交流の取り決めを行うことができる

たとえ親権が難しい場合でも、弁護士に依頼をすれば次善の策として面会交流権を獲得できる可能性があることも、大きなメリットといえます。
面会交流権は子どもと定期的に合う権利のことで、こちらを行使すれば子どもとのつながりは失われません。
他には監護権の獲得を先方と交渉する弁護士もいます。
監護権とは親権はなくても、子どもと一緒に暮らせる権利のことです。
弁護士なら親権を獲得できなくても、これから子どもと関われる権利の獲得を目指します。

まとめ

離婚問題は当事者間で解決できるとは限りません。
また相手の条件とこちら側の条件が乖離していて、なかなか妥協点が見いだせないケースもあるでしょう。
このような場合は弁護士に相談してみると良いでしょう。
離婚問題に精通している弁護士に相談すれば、こちら側にできるだけ最善の条件での離婚手続きが進められる可能性が高まります。
また子どもの親権問題が起きている場合も弁護士に相談するのがおすすめです。
親権獲得が無理でも面会交流権の獲得など、子どもと定期的に会える権利を求めることが可能だからです。
離婚問題で悩んでいるのであれば、一度弁護士に相談することをおすすめします。

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