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コラム

相続手続の流れや期限について詳しく解説

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相続手続は人生の中で何回も経験するでき事ではありません。
したがって、相続手続が必要になったときに何をすればいいのかわからないという方も多いでしょう。
さらに、相続手続の中に含まれるものの中には、被相続人が死亡してから一定の期間内に手続を完了させなければならないものがあるので注意が必要です。
そこで、この記事では相続手続の流れと期限がある相続手続についてわかりやすく解説します。

【遺言書がある場合】相続手続の流れ

遺産相続手続の流れは以下の通りです。

  • 遺言書の有無の確認
  • 遺言書の検認
  • 遺産分割手続

それぞれの手続について具体的に何をおこなうのかを説明します。

遺言書の有無の確認

相続手続の最初の手順は遺言書の有無の確認です。
遺言書が見つからないということですぐに次の手順に進むと、後で遺言書が見つかったときに手続をやり直すことがあるので、念入りに遺言書の有無は確認してください。
遺言書がある場合、原則として遺言書の内容に沿った分割となります。
遺言書には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類がありますが、自筆証書遺言と秘密証書遺言は亡くなった方の手元に保管されているケースが多いです。
公正証書遺言は、亡くなった方が正本を保管し、公証役場が原本を保管しています。

遺言書の検認

遺言書の保管者もしくは発見した相続人は、遺言者の死亡後に、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出し「検認」を請求しなければなりません。
検認とは、相続人に対し遺言の存在とその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付や署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造や変造を防止するための手続です。
ちなみに、検認は遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。

検認が必要な遺言書の種類は以下の通りです。

  • 法務局で保管されていない自筆証書遺言
  • 秘密証書遺言

さらに、遺言書に封印がある場合、家庭裁判所での開封が必要なので、その前に開封しないようにしてください。
公正証書遺言、法務局で保管されている自筆証書遺言は検認の必要はありません。

遺産分割手続

遺言書で遺言執行者が指定されており、その者が就任を承諾した場合は、遺言執行者が相続登記や預貯金の解約などの相続手続をおこないます。
遺言書に遺言執行者の定めがない場合、相続人、親族、遺言書を作成した弁護士や司法書士などがその任に就くことが可能です。
家庭裁判所へ遺言執行者の専任を申立し、遺言内容の実現を依頼できます。

【遺言書がない場合】相続手続の流れ

遺言書を探してもなかったという場合は、下記の手順で相続手続をします。

  • 法定相続人の確定
  • 相続財産の調査
  • 遺産分割協議
  • 相続財産の名義変更

法定相続人の確定

亡くなった方(被相続者)の財産を受け継ぐ法定相続人は誰かを確定するために、被相続者の出生から死亡までの全戸籍謄本を取得します。
戸籍は結婚や離婚、本籍地の移動などのたびに新しく作成されます。
その際に除籍した子どもの情報を新しい戸籍に引き継ぐことはありません。
したがって、被相続人の戸籍を死亡から出生までさかのぼることで、法定相続人となる可能性がある子どもの有無や人数をきちんと確定できます。

相続財産の調査

亡くなった方の財産がどこに、どれくらいあるのかを確認する手続が必要です。
最初に亡くなった方の通帳を確認してください。
通帳から以下の情報がわかります。

通帳から確認できる財産通帳の記載されている情報
生命保険契約・年金保険契約保険料の引き渡し
有価証券配当金の入金
貸金庫契約使用料の引き落とし
所有不動産固定資産税の引き落とし

被相続人が貸金庫を契約していたなら、貸金庫に金、証書などが保管されている可能性があります。

遺産分割協議

法定相続人が確定され、財産の全容が調査されたなら、次の手続は法定相続人全員による遺産分割協議です。
遺産分割協議での話し合いの結果で同意した内容について遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議で合意に至らなかった場合は、家庭裁判所での調停による分割もしくは審判による分割です。

期限がある相続関連の手続

相続に関連する手続の中には期限が決まっているものがあります。
期限が決まっている手続は以下の通りです。

手続の種類期限
死亡届・火葬・埋葬許可証死亡の事実を知った日から7日以内
世帯主変更届・国民健康保険資格喪失届などの役所への届け出被相続人である世帯主が亡くなった日から14日以内
単純承認・限定承認・相続放棄の選択自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月
所得税の準確定申告相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月月以内
相続税の申告被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10ヶ月以内
相続登記の手続相続人が相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内(令和6年4月1日以降)

まとめ

この記事では遺言書がある場合の相続手続と遺言書がない場合の相続手続についてその流れを解説しました。
相続関連の手続には期限が定められているものがあるので、相続があることを知ったなら早めに手続を開始するのがおすすめです。
相続手続や遺産分割協議などで質問や悩みがあるという場合、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談・依頼すれば相続人や相続財産の調査、相続人との交渉、遺産分割協議書の作成、相続登記の手続など相続にまつわるあらゆる手続においてサポートしてもらうことができるでしょう。

家を残して債務整理するには?

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膨大な借金を背負ってしまったために債務整理をしなければならない時、住んでいる家が追い出されずに済むかどうかはとても重要なことです。
今回は債務整理を行った場合に家を残して住める方法をいくつか紹介します。
厳密には債務整理ではありませんが、家に住み続ける手段も併せて解説しましょう。

債務整理とは?

債務整理とは膨大な借金を抱えてしまった時に、借金の返済が困難な時に法律事務所などに相談して解決する手段です。
自己破産や任意整理、個人再生などのいくつかの方法があります。
膨大な借金があるけれどマイホームだけは残したい場合、債務整理の方法によっては残せないパターンもあるので選択肢を間違えないようにしましょう。

自己破産では家が残せない

債務整理の中で最も効果が高いとされる自己破産は、免責の決定を受けると税金などの一部の非免責債権以外すべて免除となります。
また、返済が不可能な人でも選択でき、債権者の強制執行が止められます。
しかし、一部の会社を除いた手続ができません。
マイホームローンを利用している場合は、それも債務整理の対象となるため、結果的に家を手放すことになりますし、ローンの完済が終わっていたとしても財産処分の対象となるため家は残せません。

家を残して債務整理する6つの方法とは?

債務整理をしたいけれど、どうしても住んでいる家を残すにはどうしたらよいでしょうか。
大きく分けて次の7つの種類があります。

  • 個人再生
  • 任意整理
  • 特定調停
  • 消滅時効援用
  • 任意売却(親族間売買)
  • 任意売却(リースバック)
  • 経営者保証ガイドライン

それぞれの方法を詳しく確認していきましょう。

個人再生

債務整理の中で家を残す方法の中に個人再生があります。
個人再生は裁判所に申し立てて盾を行い借金を減額してもらう方法で、再生計画認可決定が得られた場合は、8割から9割の借金を免除してもらえる方法です。
個人再生も一部の会社を除き債務整理はできませんが、再生計画の中に住宅資金特別条項を定めるなどの条件をクリアすれば、家を残したまま債務整理が行えます。

任意整理

任意整理は債務整理で家を残せる方法のひとつです。
任意整理は今後発生する利息をカットして、借金の原本を長期分割で処理する方法で月の返済額が減少します。
ただし、自己破産や個人再生と違い借金が免責になるわけではありません。
任意整理の場合は他の債務整理と違い、一部の会社の除外も認められるので、家を残した状態で債務整理ができます。

特定調停

特定調停は、裁判所が間に入って行われる任意整理のようなもので、裁判所が借主と貸主の話し合いを仲介し、借主が立ち直れるための支援を行う手続です。
任意整理は弁護士に依頼しないといけませんが、特定調停は自力でも可能で、債権者との交渉も任意整理よりは簡単です。
ただし催促が止まるのに時間がかかります。
また、家を残すのも任意整理と同じ理屈で除外すれば済みます。
もっとも裁判所が返済不可能と判断すると個人再生か自己破産になり、最悪家が残せなくなる恐れがあります。

消滅時効援用

厳密には債務整理ではありませんが、消滅時効援用という手段で家を残す方法があります。
これは借金にも時効があり、5年以上請求せれず、返済もされない場合に時効が成立します。
時効が成立した借金に時効援用の手続を行えば借金が消滅するというものでもちろん家は残ります。
ただ時効成立の判断の難しさや時効援用した金融機関使用はできなくなるデメリットがあります。

任意売却(親族間売買)

こちらも債務整理ではありませんが、債務整理で家を手放さないようにするために行う準備のひとつとして任意売却があります。
ローンの支払いが滞ってしまった結果、家を担保にして強制販売される競売を避け、任意で財産に余力のある親族に任意で買い取ってもらう方法です。
これはローン会社と合意の上で行われる方法で、所有権は親族に移ってしまいますが、住み続けることが可能です。

任意売却(リースバック)

こちらも債務整理ではありませんが、リースバックという方法で任意売却することができます。
これは家を投資家に売却する方法で、売却後投資家と賃貸契約をむすんで、家賃を払えば家に住み続けられます。
引っ越しせずに済むメリットがありますが、投資家(所有者)に家賃を支払うことになり、所有権を持つ相手に移住ルールが決められるといったデメリットがあります。

経営者保証ガイドライン

会社の経営者の場合、経営者保証ガイドラインを用いれば家を手放さずに住める可能性があります。
経営者保証ガイドラインには、「法人と個人が分離されている時に個人保証を求めない」、「保証債務の履行時に返済しきれない債務の残額は免除」、「早期に事業再生や廃業を決断した時に一定の生活費を残すこと」が明記されており、「華美ではない自宅に住められることを検討する」という項目もあります。

まとめ

債務整理のうち自己破産などでは家を残すのは難しいですが、任意整理や個人再生などの手続を利用すれば家を残して債務整理が可能です。
このほかにも任意売却や借金の時効に関する手続など家に住み続けるための方法がいくつかあるので、債務整理が必要なくらい借金が膨大になった時でも、あきらめずに家を残せる方法を模索しましょう。

交通事故に遭ってしまったら?事故発生から解決までの流れを解説

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交通事故は予期しない出来事です。
どんなに気をつけていても、いつどこで遭ってしまうかわかりません。
突然のことで冷静さを失い間違った対応をしてしまうことも考えられます。
交通事故を起こさないよう気をつけるのはもちろんですが、交通事故が起こった時どう動くか、そこをおさえておくことが大事です。
交通事故に遭ったらまずなにをするべきなのか、してはいけないことは何か、解決までの流れをまとめました。

交通事故発生から解決までの流れ

まずは、交通事故発生からの大まかな流れについて、以下にまとめておきましょう。

①交通事故発生
②ケガ人の救護
③安全な場所へ移動
④警察へ連絡
⑤当事者同士の情報交換
⑥目撃者の確認・確保
⑦メモをとる
⑧保険会社へ連絡
⑨医師の診断

事故が発生したとき、まず何をすべきか?

事故を起こしてしまったら、頭が真っ白になっておろおろするばかりでは困ります。
まずは道路交通法の第72条第1項に定められている、交通事故の場合の措置に添って流れを確認しましょう。

ケガをした人の救護

交通事故が発生したら、ケガをした人がいないかを確認します。ケガ人がいた場合には、状態を見てまずは救護することが優先されます。

安全な場所への移動

道路の真ん中など交通量の多い場所が事故現場の場合、二次被害を巻き起こすこともあります。安全な場所に速やかに移動しなければいけません。

警察に連絡する

交通事故が起こったら、必ず警察に連絡するようにしましょう。
警察への報告は義務となっています。
自賠責保険金(共済金)の請求などで必要な交通事故証明書(自動車安全運転センター)をしてもらうためには、警察の報告がないと取得できないのです。
また、人身事故の場合は「人身扱い」の届出が必要です。

事故当事者同士の情報の交換

事故当時者同士の情報はその場で交換しておくようにしましょう。
加害車両の登録ナンバーや住所・氏名・連絡先は必ず記入してもらっておくか、メモをとっておきます。
加害者が加入している自賠責保険共済及び自動車保険会社(共済組合)名、証明書番号等の情報ももらっておきます。
また加害者が業務中の場合は、勤務先、雇用主の住所・氏名・連絡先を聞き取っておくべきです。

目撃者がいないか確認・確保

目撃者からの証言は、今後の相手方との交渉で重要な要素となるため貴重です。
通行人など交通事故を目撃した人を確保し、証言や連絡先をメモ、また今後交渉する際の証人になってもらうことをお願いしておくようにしましょう。
ドライブレコーダーの記録も保存しておくことを忘れずに。

メモを取る

事故発生からのことは逐一メモしておくことをおすすめします。
どんなに記憶に自信がある人でも、その時はっきりと覚えていても時間が経つと曖昧になってくることもあります。
またメモという媒体はただ記憶しているだけより証拠としては信頼性が高くなります。
メモのポイントは、現場の見取り図、事故の経過、写真など。

保険会社へ連絡をする

任意保険に加入している場合、保険会社の事故受付センターに事故の報告をするようにしましょう。

【弁護士費用特約について】
弁護士費用特約というのは、交通事故等で弁護士への相談が必要になったとき、その費用を保険会社が補償してくれるという特約のことです。
この特約をつけていれば、弁護士への相談・依頼の費用についての安心感があります。
保険会社に加入する際に特約をつけることをおすすめしますが、いざという時に自覚しておらず、使わなかったという事例もあります。
事前に保険会社に確認しておく必要があります。

医師の診察をうけ診断をとる

一見ケガが軽いようでも、思わぬところに後遺症が出てくる場合があります。
そのため速やかに医師の診察受けることをおすすめします。
事故後すぐに受診しない場合に後遺症が判明しても、因果関係を認めてもらえないことがあります。

交通事故証明書とは

交通事故証明書は、公的機関が交通事故の証明として唯一発行する書面です。
自動車安全運転センターが発行してくれるもので、交通事故に遭ったことを証明してくれます。

交通事故証明書が必要なわけ

交通事故による支援の申請などに提出が必要となるものなので、とっておくことが大事です。
ちなみに警察への届け出のない事故については、発行してもらえません。

申請の方法について

自動車安全運転センター事務所、警察署、交番、駐在所、損害保険会社(共済組合)などで、申請書をもらって記入後提出します。
申込方法は、郵送、窓口、インターネットで行います。

事故現場でやってはいけない対応とは

事故を起こすと冷静な判断力を失い、パニックになると思わぬ行動を起こしてしまうことがあります。
あとでトラブルにならないためにも、何をすべきか何をしてはいけないのかということを、まずは知っておくことが大事です。

現場から動かない

交通事故を起こしてしまった場合、絶対に事故現場を離れてはいけません。
道路交通法に違反することになり、罰せられてしまいます。
些細な事故や単独の事故であっても警察へ連絡をし、しかるべき対応をいたしましょう。

現場で当事者だけで示談しない

大きな事故ではなかった場合、事故の当事者だけで示談交渉し解決してしまうことがよくあります。
急いでいたり面倒だったりしても必ず、警察や保険会社などに相談するようにしましょう。
後々、交通事故の後遺症が現れて高額な損害賠償請求をされる場合など、大きなトラブルの原因になりかねません。
必ず、警察や保険会社に相談することが大事です。

示談交渉、成立までの流れ

交通事故の場合、おおむね示談交渉をすることが多いです。
示談交渉をスムーズに進めるための流れとポイントをまとめました。

①ケガの治療の開始
示談交渉はケガの症状が固定することで開始されます。
速やかにケガの治療を行う必要があります。

②症状固定(後遺障害等級の認定申請手続)
症状の固定というのは、負傷したケガが完治またはこれ以上治療できない場合などがあげられます。
後遺症が見られる場合には「後遺障害等級の認定申請手続き」を提出し、審査してもらう必要があります。
この認定書は長くても約2ヶ月程度までには発行されることが多いようです。

③示談交渉開始
事故の結果が確定したら、いよいよ示談交渉が開始されます。
示談交渉手続き開始の時期は、

・完治した場合は、治療が終了した時点
・後遺症がある場合は、後遺障害等級認定の結果通知後
・死亡事故の場合は、四十九日など法要後

となります。

④示談成立
任意保険会社から示談内容が提示されたら「示談金の項目」「示談金の金額」を確認します。
そこで双方納得であれば、示談成立となります。

⑤示談額入金、事件終了
提示された示談額が指定の口座等に入金されれば、事件はすべて終了となります。

交渉成立までの期間はどのくらいかかるか

示談交渉というのはつまるところ、事件の当時者双方が話し合いをして、お互いが納得したところが着地点となります。
したがって、お互いが納得できなければ終わることができません。
示談交渉が1年以上長引いてしまうということもよくあります。
交渉でよくもめる事例としては、過失割合、損害額、任意保険に加入していない場合などです。

交渉には弁護士を利用すべきか

示談交渉を弁護士に依頼すると、示談金の増額交渉を成立しやすくなることや、保険会社との交渉を弁護士が行ってくれるので、時間的にも精神的にも余裕ができるといったメリットがあります。
また、保険会社に弁護士費用特約をつけていれば、いざという時に助かるというメリットがあります。

まとめ

今回は、交通事故の発生から解決までの流れについて解説しました。
交通事故は突然誰にでも起こる可能性のある脅威です。
事故が発生したら頭が真っ白になって、なにをすればいいのかわかりません。
交通事故が発生してから解決までの流れを知っているだけでも、安心感が違ってきます。
またやってはいけないことをきちんと把握しておさえておくことも大事です。

予防法務・臨床法務・戦略法務のそれぞれの違いや特徴

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企業規模にもよりますが、一定よりも大きな企業の場合は法務と呼ばれる部署を置いていることが多いです。
法務には、予防、臨床、戦略という3つの種類があります。
今回は法務とはそもそもどういう部署なのかを簡単に説明した後、予防法務、臨床法務、戦略法務の違いや特徴に触れ、具体的な法務の業務内容について紹介しましょう。

法務とは?

法務とは、社内に置いて法律に関係する業務を引き受ける職種、部門です。
自社にとって不利にならない契約を締結することや、知らない間に法改正がなされて違法行為になってしまうことをあらかじめ防ぐことが法務には求められます。
最近話題になっているコンプライアンス順守についても法務担当の重要な仕事のひとつです。

予防法務・臨床法務・戦略法務の違い

法務には3つの種類があります。

  • 予防法務
  • 臨床法務
  • 戦略法務

それぞれの違いや特徴を詳しく確認していきましょう。

予防法務

予防法務は、守りの法務と呼ばれる業務で、法律違反を未然に防ぐために対応します。
法改正などをチェックして今の業務が法律違反にではないかをチェックします。
もし法律違反が判明したり、トラブルが発生した場合には最小限に影響を抑えるような業務を行います。

臨床法務

臨床法務は、商品のクレームや法に関するトラブルが発生した場合に対応する業務を指しています。
主に訴訟が起こされている場合に対処するもので、取引先などからの損害賠償請求や退職者からの残業代の未払い請求などへの対応を行います。
この場合は裁判などが関係するので、法務担当単独で対処するのではなく、外部の弁護士と連携しながら対応に当たる場合が多いです。

戦略法務

戦略法務は、攻めの法務と言われている業務内容です。
企業が進化していくための経営判断をサポートする内容で、新事業の立ち上げ、企業買収(M&A)と言った新たな企業戦略に法的アドバイスも法務担当の業務です。
また法令の専門家として新しいプロジェクトを任されることもあります。

法務担当者が行う業務

法務担当者は具体的にどのような業務を行うのでしょうか。
主に次のような種類があります。

  • コンプライアンス・社内規程を周知する
  • 契約書作成や内容のチェック
  • 所有する知的財産権を管理・保護する
  • 法改正に対しての対応
  • 法律相談に対しての対応
  • 紛争や訴訟に対しての対応
  • 労働・雇用問題に対しての対応
  • 株主総会や取締役会に対しての対応

それぞれ詳しく確認していきましょう。

コンプライアンス・社内規程を周知する

法令に加えて企業倫理や社会規範を遵守するコンプライアンスへの意識が高まっているため、企業のコンプライアンス遵守は非常に重要です。
法務担当はコンプライアンスを徹底するために、個人情報漏洩やハラスメント防止に対する研修などを行い、他社でのトラブル例などを参考に自社の取組を見直します。
また法改正や社会情勢の変化に対応するために社内規定を策定しそれを社内に周知します。

契約書作成や内容のチェック

企業は取引先などとの間で契約を交わす為に契約書を用意しますが、契約書作成は法務の業務です。
契約書を作成するだけでなく、契約書の内容が適切か、法的な違反ではないかをチェックするのも法務の役目です。

所有する知的財産権を管理・保護する

企業にはさまざまな知的財産権(著作権、特許など)を所有している場合があり、知らぬ間に知的財産権が侵されている場合があります。
そこで法務担当には知的財産権を保護、管理する業務があります。
知らない間に知的財産権が侵されていた場合、法的対応を行なわなければいけませんが、その時に法務担当が主体的に対応します。

法改正に対しての対応

社会情勢の変化により、日本の法律や自治体の条例などが頻繁に改正されることがあります。
改正の事実を知らないという理由で違法行為を行うことは許されません。
法務担当は法改正がなされた場合に、自社への影響がどのくらいか判断し、場合によっては社内規定の変更と周知徹底を行なわなければなりません。
対応の内容によっては法的な専門家である弁護士などに相談するのも法務担当の仕事です。

法律相談に対しての対応

企業活動を行う中で、新規事業や新商品に関すること、従業員の労働法に関することなど企業の担当者が法的な問題について質問する場合は、法務担当が法律相談に乗ります。

質問に対して法律に基づいて意見や助言を行い、場合によっては弁護士などの外部の専門家との橋渡しも担当します。

紛争や訴訟に対しての対応

取引先や株主、従業員との間で紛争が起こる場合があります。
話し合いで解決すればよいですが、訴訟問題に発展すると、法律に詳しい法務担当の出番になります。
法務担当は訴訟問題に発展した場合は外部の弁護士に依頼して訴訟への対応を企業側の窓口として行います。

労働・雇用問題に対しての対応

労働に関するトラブルが発生したり、契約書が必要になったりする場合は法務担当の業務になります。
人事や労務担当からの依頼に基づいて対応することは、自社のイメージ低下を防止するためにも必要です。

株主総会や取締役会に対しての対応

株主総会や取締役への対応は法務が担当します。
株主総会の手続きや決議でトラブルが発生しないあるいは違法ではないかをチェックし、適切に運営できるかどうかは法務の手腕に関わります。

まとめ

法務は、会社の法的な問題に対応する部署で、法律に加えて社会的な模範であるコンプライアンスにも対応しています。
法務も大きく3つの業務に分けられ、守りの法務と言われる予防法務、攻めの法務と言われる戦略法務、トラブル発生時に弁護士らと共に対処する臨床法務に分かれています。

離婚の手続きや方法はどうなる?具体的な流れについて詳しく解説

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せっかくの運命の出会いと思って結婚したとしても、結婚生活を送る中で様々な事由により離婚を決意せざるを得ない場合があります。
今回は離婚にも複数の種類があること、それに加え最も多い離婚のパターンである協議離婚の手続きと流れを確認しながら後でトラブルにならない方法を紹介していきます。

離婚の種類

離婚方法にも複数の種類があります。

  • 協議離婚
  • 調停離婚
  • 審判離婚
  • 裁判離婚

それぞれどう違うのか?それぞれの離婚で離婚届以外の必要書類について確認しましょう。

協議離婚

協議離婚は夫婦の話し合いによって離婚する方法です。
離婚自体は夫婦が合意のうえ届出をすることで成立しますが、離婚条件などは口約束だけで終わらせると後々トラブルに発展する可能性があるので、離婚協議書として条件を書面に残すことが大切です。
なお離婚届を出す際には、戸籍謄本と、提出するひとの本人確認書類が必要です。

調停離婚

夫婦間の話し合いではうまくいかない、話し合いに相手が応じなかったり、モラハラやDVの加害者のため話ができない場合に行われる方法です。
調停委員が仲介に入り、裁判所で話し合いが行われます。
離婚希望者が申請の手続きを行います。
合意が成立すれば離婚届を提出しますが、裁判所が認めている理由により証人欄の記載は不要です。
離婚届の他に必要な書類は協議離婚で必要なものに加え、調停調書の謄本が必要です。

審判離婚

審判離婚とは、調停を重ねて夫婦間での大まかな合意がなされているものの、細かい点で相違がある場合に行われる離婚方法です。
内容は裁判所が事情を考慮して離婚の条件や離婚の成否について職権で下します。
審判が成立した場合、離婚届を出す際に審判書の謄本および確定証明書が必要となります。

裁判離婚

離婚調停が不成立に終わり、また離婚事由が次のいずれかに当てはまる場合には離婚裁判を起こすことができます。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 配偶者が強度の精神病で回復が見込めない場合
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由

裁判で上記を立証することができれば、裁判離婚することができます。

なお判決に納得いかない場合には不服申し立てをして控訴することも可能です。
判決離婚が成立した場合、判決書の謄本および確定証明書が必要となります。

協議離婚の手続きと流れ

離婚の中で最も多い協議離婚についての手続きや流れはおおむね次のようになっています。

  1. 離婚後の生活を計画する
  2. 離婚の切り出しを行う
  3. 離婚条件を夫婦で話し合う
  4. 合意後に離婚協議書の作成を行う
  5. 離婚協議書を公正証書にする
  6. 自治体に離婚届の提出

順番に詳しく確認していきましょう。

1.離婚後の生活を計画する

離婚をしたい場合、最初に離婚後の生活を計画しましょう。
感情だけで無計画に離婚を行なっても、後で生活などができないといった事の無いようにじっくりと計画します。

2. 離婚の切り出しを行う

離婚の切り出しを行う段階です。いきなり切り出しても離婚に応じてもらえない場合や不利な離婚条件が決められる恐れがあります。
離婚の原因となる証拠を集めたり、夫婦の共有財産の確認などを行うなどの準備を行ってから切り出しましょう。

3.離婚条件を夫婦で話し合う

夫婦間での話し合いの段階です。
離婚条件をしっかりと話し合って後でトラブルにならないように未然に防ぎます。
話し合う条件は、慰謝料、財産分与、年金分割、未成年の子どもがいた場合の親権、養育費、親権が得られなかった場合の面会交流などです。

4.合意後に離婚協議書の作成を行う

離婚条件の話し合いが成立したら、離婚協議書を作成します。
話し合いで合意していても口頭で済ませてしまうと「言った、言わない」など、後でトラブルが起きてしまいます。
そのようなことが無いように書面で合意事項を残しておくと、証拠となりトラブルが起きません。

5.離婚協議書を公正証書にする

離婚協議書はできれば公正証書にしたほうが無難です。
慰謝料や財産分与、親権と言った約束事を書面で残すだけでなく、法律知識に精通している公証人に作成しておけば、証拠の信頼性が高まり、約束を守らなければ公正証書の効力を持って強制執行の手段を取ることができます。

6.自治体に離婚届の提出

離婚協議書を公正証書にして、離婚における決めごとが確実に施行できるようになったら、ようやく離婚届の提出です。
離婚届は夫婦の本籍地の他、どちらかが住んでいる所在地の役所の提出となります。
本籍地以外で提出する場合は夫婦の戸籍謄本が必要なので注意しましょう。

まとめ

離婚をする際には、一般的には夫婦話し合いで合意する協議離婚ですが、話し合いができない場合には調停離婚や、審判離婚、裁判離婚という手段を用いて対応しなければなりません。
また感情的になってすぐに離婚を切り出したり、離婚届を出したりすると後でトラブルになる可能性があります。
離婚をする際にはじっくりと計画の準備を行ってから離婚を切り出し、話し合うことが大切です。
とはいえどんなに入念に準備を行っても、相手の態度次第ではなかなか問題が解決しないこともあるでしょう。
そのような場合には、争いが大きくなる前に弁護士へ相談することを検討してみて下さい。

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