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コラムカテゴリー: 相続

相続廃除とは?条件や方法を解説

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相続廃除は、被相続人が特定の相続人に財産を相続させたくないときに利用されます。
被相続人の意思を尊重するために、相続廃除は重要な手段となります。
今回は、相続廃除が認められる条件や相続廃除を行う方法について解説します。

相続廃除とは?

相続廃除とは、遺産を受け取る権利を持つ推定相続人の中に被相続人に対して著しい非行や虐待を行った者がいる場合に、被相続人の意思に基づいてその人の相続権を剥奪する制度のことです。
民法では、被相続人の生前の請求、あるいは遺言による意思表示によって家庭裁判所の審判を経て相続権を失わせることができる仕組みが整えられています。

相続廃除が認められる条件

相続廃除が認められるためには、民法第892条に定められた特定の事由に該当する必要があります。
具体的には、以下の条件のいずれかに該当し、かつその行為が継続的であったり、重大な背信行為であったりすることが求められます。

被相続人に対する虐待

被相続人に対する身体的な暴力や精神的な苦痛を与える行為といった虐待は、相続廃除が認められる条件のひとつです。
この場合、長年にわたって被相続人の尊厳を傷つけるような待遇が続いていることが重要視されます。

被相続人に対する重大な侮辱

被相続人に対する重大な侮辱も、相続廃除が認められる条件のひとつです。
重大な侮辱とは、被相続人の名誉や社会的評価を著しく失墜させるような行為を指します。
被相続人に対して耐え難い精神的な苦痛を与えたかどうかが判断のポイントとなります。

その他の著しい非行

虐待や侮辱以外にも、被相続人との信頼関係を破壊するような重大な不法行為や、社会的に許容されない非行がある場合には相続廃除が認められます。
具体的には以下のようなケースが想定されます。

  • 被相続人の財産を勝手に処分したり、多額の借金を肩代わりさせたりして経済的な損害を与えた場合
  • 犯罪行為によって被相続人に多大な迷惑をかけたり、服役を繰り返したりして家庭の秩序を乱した場合
  • 長期間にわたって行方不明となり、扶養の義務を全く果たさなかった場合
  • 重大な背信行為(婚姻生活を破壊するような不貞行為や、親族間での重大な詐欺など)があった場合

これらの非行は、被相続人がその相続人に財産を渡したくないと考えるのが社会通念上もっともであると認められるほど深刻なものである必要があります。

相続廃除の方法

相続廃除を行うための手続きには、被相続人が存命中に自ら行う生前廃除と、遺言によって死後に手続きを委ねる遺言廃除の2種類の方法があります。
以下でそれぞれの方法について説明します。

生前廃除

生前廃除は、被相続人が自ら家庭裁判所へ推定相続人廃除の調停または審判を申し立てる方法です。
手続きの手順は、一般的に以下のようになります。

  1. 被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に申立書を提出する
  2. 裁判所で調停が行われる
  3. 調停委員が間に入り、双方の言い分を聞きながら解決の道を探る
  4. 廃除を希望する被相続人の意思が固い場合、審判へと移行する
  5. 裁判所によって廃除が認められた場合、市役所などへ届け出ることで推定相続人の戸籍に相続廃除の旨が記載される

遺言廃除

遺言廃除は、遺言書の中に特定の相続人を廃除する旨とその理由を記しておく方法です。
この場合、被相続人が亡くなった後に遺言書で指定された遺言執行者が家庭裁判所に対して廃除の申し立てを行います。
遺言執行者は被相続人の遺志を代理して裁判所とやり取りをすることになるため、遺言書の中で信頼できる弁護士などを遺言執行者に指定しておくことが重要です。
遺言廃除においても、生前廃除と同様に厳格な事実確認が行われます。

相続廃除をする際の注意点

相続廃除の利用にあたっての留意点を知らずに手続きを進めると、期待した効果が得られなかったり、親族間で予想外のトラブルに発展したりする恐れがあります。
具体的な注意点には、以下のようなものがあります。

客観的な証拠が必要

日本の裁判所は、相続権の剥奪に対して慎重な姿勢をとっています。
主観的な理由だけでは、廃除が認められることはほとんどありません。
客観的に見て家族関係が修復不可能なほど破壊されているという事実を、証拠を持って証明しなければならない点に注意が必要です。

代襲相続が発生する

相続廃除された人に子供や孫がいる場合、その子供たちが代わりに相続人となる代襲相続が発生することに注意しましょう。
その家系全体に財産を渡したくないと考えて廃除を行ったとしても、権利が移るだけという結果になる可能性があります。

まとめ

相続廃除は、財産を誰に託すかという被相続人の権利を守るための重要な制度です。
しかし裁判所で認められるためのハードルは高く、代襲相続の発生など法的な複雑さも伴います。
もし、特定の方への相続を真剣に阻止したいと考えておられるのであれば、早めに弁護士に相談し、法的な有効性を確認しながら準備を進めることを検討してください。

遺産分割協議で遺産を取得しない場合と相続放棄の違いとは?

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身内が亡くなり相続が発生した際に、受け取りの辞退を検討する場合があるかと思います。
このときの手段として、遺産分割協議の中で自分の取り分をゼロにすることと、相続放棄をするという2つの方法があります。
今回は、遺産分割協議で遺産を取得しない場合と相続放棄をする場合の違いなどについて解説します。

遺産分割協議で遺産を取得しない場合とは

遺産分割協議とは、相続人全員が集まって、亡くなった人の財産を誰にどのように配分するかを取り決める話し合いのことです。
遺産を取得しないケースは、特定の相続人が遺産を相続しないことに合意することで生じます。
この場合、遺産を取得しなくても法律上の相続人であることに変わりはありません。
したがって、家庭裁判所へ出向く必要はなく、親族間での話し合いと遺産分割協議書への署名捺印だけで完結します。

相続放棄とは

相続放棄とは、被相続人が亡くなったことを知った時から3ヶ月以内に、家庭裁判所に対して相続人にならないという意思表示を行う公的な手続きのことです。
家庭裁判所によって受理されると、その人は最初から相続人ではなかったものとみなされます。
相続放棄には、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内という期限が定められています。
この期間を過ぎてしまうと、原則として放棄を選択することができません。
相続放棄を行うと、本来その人が受け取るはずだった相続権は次順位の相続人へと移ります。

遺産分割協議で遺産を取得しない場合と相続放棄の違い

遺産分割協議で遺産を取得しないことを選択した場合と相続放棄をした場合の違いは、主に次の3点です。

債務に対する責任

遺産分割協議で遺産を取得しない場合と相続放棄の違いとして被相続人の残した債務に対する責任が挙げられます。
遺産分割協議で一切の遺産を取得しなかったとしても、法律上の相続人の立場であることには変わりはありません。
遺産分割協議の合意内容は、あくまで相続人間で有効となる取り決めであり、債権者にその効果は及びません。
したがって、一切遺産を取得していなかったとしても、法定相続分の割合に応じて、債務の支払い義務が生じます。
法定相続分に応じた債務の支払い義務を回避したい場合には、債権者と連絡を取り承認してもらう必要があります。
一方で、相続放棄を行っていれば、最初から相続人ではないため借金を支払う義務は発生しません。

家庭裁判所での手続きの必要性

遺産分割協議で遺産を取得しないことを選択した場合、家庭裁判所で特別な手続きを行う必要がありません。
一方、相続放棄をする場合は家庭裁判所で手続きを行う必要があります。
期限内に戸籍謄本などの身分証明書類を揃え、申立書を作成して受理されなければなりません。

遺産分割協議で遺産を取得しないか相続放棄をするかの判断

特定の親族にスムーズに遺産を相続させたい場合は、遺産分割協議で遺産を取得しないと決めることが多くなっています。
法的な手順を踏むことなく、比較的容易に手続きが進むためです。
しかし、遺産分割協議で遺産を取得しないことには、被相続人の借金が発覚した際に支払い義務を負うリスクがあります。
そのため、ご自身が遺産を継承しないことに納得されているのであれば、相続放棄をすることが賢明です。

遺産相続を辞退する際の注意点

遺産相続を辞退する際には、自身に適した手法を選択するために、以下の点に留意してください。

単純承認とみなされる行為

相続放棄を検討している間は、被相続人の財産に手をつけてはいけません。
そういった行為をした瞬間に相続放棄の権利を失うことになります。

相続放棄による返済義務の移動

自分が相続放棄をすると、次順位の親族が新たに相続人となります。
負債が理由で放棄をするのであれば、次順位の親戚に対して相続を放棄した理由を通知することが重要になります。

まとめ

今回は、遺産分割協議で遺産を取得しない場合と相続放棄の違いや、どちらの手法を選択するかの判断基準、および注意点を解説しました。
相続放棄の申立てや遺産分割協議書の作成を個人で行うことに不安を感じた際には、弁護士に相談してください。
特に、借金があるのかどうか不透明な状況では、弁護士に調査を依頼すると効率的です。

遺留分侵害額請求の手続きの流れを解説

遺留分侵害額請求の手続きの流れを解説

被相続人の兄弟姉妹以外の相続人には、遺留分といって、最低限度の遺産の取り分が保障されています。
今回は、遺留分が侵害された場合の手続きの流れなどを解説します。

遺留分侵害額請求とは

遺留分侵害額請求とは、贈与や遺贈により自己の遺留分を侵害された場合に、その侵害額に相当する金銭の支払いを求める権利です。
遺留分侵害額請求権には時効があり、遺留分権利者が相続の開始を知り、かつ、遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知ったときから1年間行使しない場合、時効によって消滅します。
また、相続開始の時から10年を経過した場合も、権利が消滅します。

遺留分侵害額請求の流れ

遺留分侵害額請求を行う場合、次のような流れで手続きを行います。

①遺言や生前贈与の確認を行う

遺留分を請求する場合、遺言書を確認し、ご自身の遺留分を誰がどの程度侵害していることを特定する必要があります。
また、遺言書だけでなく、被相続人が生前に行っていた贈与についても確認が必要です。
遺留分を算定する際には、原則として、相続開始前の1年間にされた贈与が対象となります。
ただし、相続人に対する贈与については、相続開始から遡って10年間にされたものであれば、遺留分侵害額を算定する際の基礎財産に含まれます。
したがって、まずは遺言書や、遡って10年間の生前贈与の記録を収集し、ご自身の遺留分が具体的にどれだけ侵害されているのかを正確に計算する必要があります。
この計算には、専門的な知識が必要となるため、弁護士に相談して進めることを検討してください。

②遺留分を侵害した者に請求の意思表示を行う

遺留分の侵害額が確定したら、その遺留分を侵害している者に対して、金銭の支払いを請求する意思表示を行います。
遺留分の権利を行使するためには、侵害された方の意思表示がなければ効力を生じません。
口頭での意思表示でも法的には有効ですが、後の水掛け論を避けるため、書面による意思表示を行った方が良いといえるでしょう。
遺留分の請求をしても相手方から返事がないような場合には、配達証明付きの内容証明郵便を送付してください。
これにより、いつ、どのような内容の意思表示を行ったかという証拠を残すことができます。

③遺留分を侵害した者と話し合いを行う

遺留分侵害額請求に相手方が応じた場合には、話し合いによって解決を目指すことになります。
算定した侵害額の根拠を示し、支払い方法や支払い期限などについて当事者間で合意を目指します。
話し合いがまとまり、遺留分を侵害した者から実際に金銭の支払いを受ければ、この段階で遺留分の請求は完了となります。
なお、話し合いにより合意した場合でも、遺留分の支払いが分割になったり、合意した日から払い込みの日まで期間が開く場合には、未払いを防ぐために強制執行のできる公正証書で合意書を作成するといいでしょう。

④遺留分侵害額調停を行う

話し合いによって合意が得られない場合や、相手が話し合いに応じようとしない場合は、家庭裁判所に遺留分侵害額調停を申し立てます。
調停では、裁判官と調停委員が間に入り、当事者双方の主張を聞きながら、合意による解決を目指して調整を行います。
調停はあくまで話し合いの場であるため、双方が納得できる和解案が見つかれば解決となりますが、相手方が頑なに請求を拒否したり、請求額について折り合いがつかなかったりした場合は、調停は不成立となり終了します。

⑤裁判で争う

遺留分侵害額請求調停が不成立に終わった場合は、最終手段として遺留分侵害額請求訴訟を地方裁判所に提起し、裁判で決着をつけることになります。
裁判では、双方の主張と提出された証拠に基づき、裁判官が遺留分侵害の有無や正確な侵害額を判断し、判決を下します。
判決は法的な拘束力を持つため、判決が確定すれば相手方はその判決に従って金銭を支払う義務を負います。

遺言自体の有効性を争うとき

遺留分侵害額請求の手続きを進める中で、遺言書の内容自体がおかしいと感じたり、被相続人の最終的な意思ではなかったのではないかという疑念が生じたりすることがあります。
たとえば、被相続人が認知症などで判断能力を欠いていたときに作成された遺言書であったり、形式的な要件を満たしていない遺言書であったりする場合です。
このようなときには、遺言無効訴訟を提起するという方法もあります。
遺言無効訴訟は、遺言書が法律上有効ではないことを裁判所に認めてもらうための手続きです。
遺言書が無効と認められれば、その遺言書に基づく遺贈はなかったことになり、遺産分割協議によって分割方法を決めることになります。

まとめ

今回は、遺留分侵害請求の手続きの流れや、遺言自体の有効性を争うときなどの解説をしました。
相続の問題は、家族関係を壊しかねないトラブルに発展することがあります。
火種が小さいうちであれば、不利益を最小限に抑えられる可能性があるため、お困りの方は弁護士にご相談ください。

相続手続きの後に借金が発覚した場合の対処法

相続手続きの後に借金が発覚した場合の対処法

相続手続きが完了した後に、被相続人の借金が突然明らかになることがあります。
この場合、相続人はその借金をどうすればよいのでしょうか。
借金が発覚したタイミングによっては、とるべき対応が大きく異なり、対応を誤ると、自身が借金を背負ってしまうリスクがあります。
この記事では、被相続人に借金がある場合の一般的な対処法から、相続手続き後に借金が発覚した場合の対処法までを解説いたします。

被相続人に借金がある場合の一般的な対処法

被相続人に借金などの負債がある場合、相続人はその負債を背負うリスクに直面します。
借金のリスクを回避し、自身の財産を守るためには、法律で定められたいくつかの対処法を選択する必要があります。
主な対処法としては、負債を一切引き継がない相続放棄と、プラスの財産の範囲内で負債を引き継ぐ限定承認があります。
これらの手続きは、原則として相続が開始したことを知った日から3カ月以内に行う必要があります。

相続放棄

相続放棄とは、家庭裁判所に申述することで、被相続人の遺産を一切受け継がないという意思表示をする手続きです。
この手続きが受理されると、その人は最初から相続人ではなかったものとみなされます。
相続放棄は、借金などのマイナスの財産だけでなく、預貯金や不動産といったプラスの財産もすべて引き継がないという包括的な効力があります。
これにより、相続人は、被相続人の負債を相続する義務から解放されます。
負債が明らかに資産を上回っている場合、有効な対処法となります。

限定承認

限定承認とは、相続したプラスの財産の範囲内でのみ、借金などのマイナスの財産を弁済するという条件付きの相続方法です。
この方法を選べば、もし借金が遺産を上回ったとしても、相続人が自身の固有の財産から超過分を支払う義務はありません。
限定承認は、相続財産の総額が不明確で、プラスとマイナスのどちらが多いか判断できない場合に有効な選択肢です。

相続手続き後に借金が発覚した場合に相続放棄や限定承認はできる?

相続手続き後や、相続が開始したことを知ってから3カ月の熟慮期間を過ぎた後では、原則として相続放棄や限定承認はできません。
また、熟慮期間内であっても、すでに被相続人の預貯金を使ったり、不動産を売却したりといった相続財産の処分行為を行っている場合も、単純承認とみなされます。
これらの事由を満たしていると、借金もすべて承継したことになり、相続放棄や限定承認は不可能となります。
ただし、処分行為を行っていない場合、熟慮期間を過ぎたとしても相続放棄が認められる可能性があります。

相続手続き後に借金が発覚した場合の対処法

単純承認が成立した後で借金が発覚した場合、相続放棄や限定承認はできないため、それ以外の対応を取る必要があります。

借金を返済する

単純承認が成立すると、借金を含めてすべての権利義務を承継したことになります。
そのため、相続人は自己の財産から借金を返済しなければなりません。
相続人が複数いる場合は、法定相続分に応じて借金を承継するため、承継した分の借金を返済します。

借金の消滅時効を援用する

被相続人の借金であっても、その借金が消滅時効にかかっている可能性があります。
借金の時効は、原則として債権者が権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年で成立します。
時効が成立している場合、相続人は債権者に対して時効の援用を行うことで、借金の支払い義務を免れることができます。
時効の中断事由がないかを慎重に確認する必要があります。

任意整理を行う

借金の総額が、自力での返済が困難な水準であれば、任意整理を検討します。
任意整理は、裁判所を介さずに、弁護士が債権者と直接交渉し、将来の利息をカットしてもらったり、返済期間を延長してもらったりして、月々の返済額を減らす手続きです。
これにより、無理のない返済計画を立て直すことができます。

自己破産や個人再生を行う

借金があまりにも多額で、任意整理でも解決が難しい場合は、自己破産や個人再生といった裁判所を介した債務整理手続きを検討します。
自己破産は、借金の全額免除を目指す最終手段であり、個人再生は、借金を大幅に減額しつつ、マイホームなどの資産を残せる可能性がある手続きです。

まとめ

被相続人に借金がある場合、相続放棄や限定承認という方法で対処できますが、相続手続き後に借金が発覚した場合、原則としてこれらの手続きはできません。
その場合は、借金の消滅時効の援用や、任意整理、自己破産といった債務整理手続きによって、借金問題の解決を目指すことになります。
相続トラブルでお困りの際は、ぜひ弁護士にご相談ください。

相続放棄と限定承認の違い

相続放棄と限定承認の違い

相続が発生すると、遺産をどう扱うかを決めなければなりません。
「相続放棄」と「限定承認」は、財産だけでなく借金も相続対象になる場合に重要な手段です。
どちらも相続人の負担を減らす選択肢ですが、内容や手続きには明確な違いがあります。
今回は、相続放棄と限定承認の違いをわかりやすく解説します。

相続とは何か

ひとが亡くなると、そのひとの財産や権利・義務が家族などに引き継がれます。
上記の一連の流れを「相続」といいます。
相続されるものには、預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金やローンなどのマイナスの財産も含まれます。
相続といえば「遺産を引き継ぐ」などポジティブなイメージがありますが、必ずしも相続人にとって有利とは限りません。

相続放棄とは

相続放棄とは、最初から「相続人ではなかった」とする方法です。
民法第915条で定められています。

相続放棄の特徴

相続放棄をすれば、プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がずに済みます。
借金が多い場合は、相続放棄を選べば、負担を免れる可能性があります。

相続放棄の手続き

家庭裁判所に「相続の放棄の申述」をする必要があります。
手続きには期限があり、原則として「相続の開始を知ったときから3か月以内」に行わなければなりません。
相続放棄の手続きをする場合は、まず必要書類の準備をして、申述書の提出をします。
家庭裁判所の審査があり、認められれば相続放棄ができます。

相続放棄の注意点

相続放棄をすると、最初から相続人でなかったことになります。
そのため、遺産の管理や処分もできません。
また、相続放棄した場合、そのひとの次に順位が低い相続人が代わります。
たとえば亡くなったひとに配偶者と子どもがいて、子ども全員が相続放棄をした場合、次は父母(直系尊属)が相続人になります。
もし父母もすでに他界している場合は、兄弟姉妹が相続人です。
上記のように、誰かが相続放棄すると、次の順位の親族が思いがけず相続人になるケースがあります。
そのため、相続放棄をする際は、家族間で十分に相談する必要があります。

限定承認とは

限定承認とは、相続によって得た財産の範囲内で借金などを引き受ける方法です。
民法第922条で定められています。

限定承認の特徴

限定承認を選ぶと、プラスの財産があれば、それを使って借金を返済します。
借金が財産を上回っていた場合でも、自分の手持ちのお金などから追加で返済する必要はありません。
以下のようなときに選ばれます。

  • 遺産の内容がはっきりしていない
  • 不動産など売却すれば借金より高く売れる資産がある
  • 事業をしていて財産と負債が複雑に入り組んでいる
  • 相続放棄で他の親族に迷惑をかけたくない
  • 借金を含めて相続財産全体の整理を自分たちで主導したい
  • 家業を継ぐなどどうしても相続しなければならない理由がある

相続財産の範囲内で責任を負うという意味で、安全性の高い選択肢です。

限定承認の手続き

限定承認も家庭裁判所に申述書を提出して行います。
ただし相続人が複数いる場合には「全員が一緒に限定承認を申し立てる」必要があります。
期限は、相続放棄と同様に、相続開始を知ってから3か月以内です。
もし相続人に相続放棄をしたひとがいる場合、そのひとは最初から相続人でなかったものとされるため、それ以外の全員で手続きを行います。

限定承認の注意点

まず、相続財産を正確に把握する必要があります。
不動産や預貯金などの目に見える財産だけでなく、借金・ローン・個人保証などの「見えにくい債務」まで調査しなければなりません。
さらに限定承認は、相続放棄に比べて手続きが複雑です。
たとえば相続人が3人いて、そのうち1人でも反対すれば限定承認は成立しません。
財産の売却や債権者への支払いも、法令に従って進める必要があります。
さらに限定承認は、手続きに不備があると、結果的に単純承認(すべて相続)とみなされる可能性もあります。
専門知識が求められる場面も多くあるため、弁護士や司法書士などのサポートを受けるのがおすすめです。

相続放棄と限定承認の違い

以下、相続放棄と限定承認の違いを整理します。

基本的な違い

相続放棄は、「相続そのものをしない」という選択です。
一方で限定承認は、「損をしない範囲で相続する」という選択になります。

手続きの違い

相続放棄は1人でも手続きができ、内容も比較的簡単です。
一方で限定承認は、相続人全員で手続きを行う必要があり、手続きが複雑になる傾向があります。

負債への対応

相続放棄は、相続そのものをしないため、借金を一切引き継ぎません。
一方で限定承認は、財産の範囲内で借金を返済します。

相続財産の活用

相続放棄の場合、プラスの財産も一切受け取れないため、相続財産の活用は不可能です。
一方で限定承認は、財産の範囲内でマイナスを処理した後、残った分は相続できます。
両者は、似ているようで、考え方や使い方が大きく異なります。

どちらを選ぶべきか

相続放棄と限定承認は、それぞれの状況に応じて選択すべきです。
借金が明らかに多い場合は、相続放棄が無難です。
借金と財産のどちらが多いか不明な場合は、限定承認を検討するとよいでしょう。

まとめ

相続放棄はすべての財産を放棄する選択であり、借金を引き継がない代わりにプラスの財産も受け取れません。
一方で限定承認は、相続財産の範囲内で負債を支払い、残った財産を相続する方法です。
どちらを選ぶべきかは、借金と財産のバランスや家族の事情によって異なります。
もし判断に迷う場合には、弁護士などの専門家に早めに相談してみてください。

相続人が行方不明の場合の対処法

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相続が発生したものの、「相続人に行方がわからないひとがいる」というケースは珍しくありません。
遺産分割協議は、基本的に相続人全員で進める必要があるため、行方不明のひとがいると探す手間がかかります。
今回は、相続人が行方不明の場合の対処法を解説します。

相続手続きに必要な「相続人全員の関与」とは

相続の場面では、遺産分割協議や不動産登記、預貯金の解約など、多くの手続きに相続人全員の関与が求められます。
「全員」とは、法定相続人全員を指します。
しかし親戚の人間関係などによっては、相続人が全員すぐに集まるとは限りません。
関与できない相続人がいれば、基本的には手続きを進められないため注意が必要です。

相続人が行方不明になる原因と事前の対策

行方不明の相続人が出る原因・背景はさまざまです。

  • 疎遠になっていた親族との連絡が取れなくなっている
  • 転居後の住所が不明になっている
  • 海外移住や長期入院などによる音信不通がある

上記の事態に備えて、被相続人自身が遺言書を作成し、遺産分割の方針を明確にするのがおすすめです。
遺言書があれば、相続人の全員合意が不要となる場合があり、行方不明者がいても相続手続きをスムーズに進められる可能性があります。

まずは行方不明者への連絡をする

相続人に行方がわからないひとがいる場合、最初のステップは、行方不明者を探すことです。
戸籍謄本(全部事項証明書)を取得して、現在登録されている住所を確認しましょう。
戸籍の附票を取り寄せれば、過去の住所履歴も追えます。
住所へ直接行くのではなく、まずは手紙などを出して様子を見ます。
内容は以下のようにするのがおすすめです。

  • 自分との関係(相続人であること)
  • 被相続人が亡くなったこと
  • 相続手続きが必要であること
  • 連絡を希望する旨と連絡先

電話をしてもらうか、直接会う約束などを取り付けて、相続に関して説明する機会を設けてください。

行方不明の相続人がいる場合に検討すべき制度

連絡が一切取れない場合は、法的手続きを用いて、相続の支障を解消する必要があります。

①不在者財産管理人の選任申立て
②失踪宣告

それぞれ確認していきましょう。

①不在者財産管理人の選任申立て

相続人が一時的に行方不明であり、「生死は確認されているが所在が不明」というケースでは、「不在者財産管理人」の選任を家庭裁判所に申し立てる方法があります。
不在者財産管理人は、行方不明者に代わって遺産分割協議などへの参加が認められています。
申立てを行えるのは、利害関係人(他の相続人など)や検察官です。
申立先は、行方不明者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
不在者財産管理人になれるのは、利害関係のない被相続人の親戚や、弁護士などの専門家です。

②失踪宣告

長期間にわたり生死不明の状態が続いている場合は、「失踪宣告」の制度を活用する方法もあります。
失踪宣告とは、一定期間以上生死不明である人物について、法律上死亡したものとみなす制度です。
失踪には「普通失踪」と「特別失踪」の2種類があり、それぞれ条件や扱いが異なります。

■普通失踪

7年以上音信不通で、生死がわからない場合です。
家庭裁判所に対して「失踪宣告の申立て」をし、裁判所による審理後、「死亡したもの」とみなされます。

■特別失踪

戦災や海難など生命に危険がある状況で行方不明になり、1年以上所在不明の場合です。
普通失踪よりも要件の緊急性・重大性が高く、期間も短縮されています。
失踪宣告後に本人の生存が判明した場合、失踪宣告は取り消され、相続に関する法律関係も遡って修正されます。
失踪宣告を選択する場合は、事前に弁護士などに相談し、状況に合った方法かどうかを慎重に検討してください。

不在者財産管理人の選任手続きの流れ

不在者財産管理人の選任には、以下のような手順が必要です。

①必要書類の提出
②裁判所による審査・選任決定
③選任後の手続き

それぞれ確認していきましょう。

①必要書類の提出

申立てには、以下のような書類が求められます。

  • 申立書
  • 不在者の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 不在者の戸籍附票
  • 財産管理人候補者の住民票または戸籍附票
  • 不在の事実を示す資料
  • 不在者の財産資料(不動産登記事項証明書、通帳コピー、残高証明書など)
  • 利害関係人が申立人の場合は利害関係を示す資料(戸籍、契約書など)

入手できない戸籍などがある場合、申立て後の追加提出も可能です。

②裁判所による審査・選任決定

家庭裁判所は提出された書類や事情をもとに、選任の可否を判断します。
必要があれば、補足資料の提出や意見聴取が求められることもあります。
裁判所が適任と認めた人物が、不在者財産管理人に選任されます。

③選任後の手続き

民法第28条によれば、不在者財産管理人が通常の管理を超える行為(遺産分割協議に参加する、財産を売却する)を行うには、家庭裁判所の許可が必要です。
不在者財産管理人本人が、不在者財産管理人を選任した家庭裁判所に対して申立てをします。

まとめ

今回は、相続人が行方不明である場合の対応方法について解説しました。
相続手続きでは相続人全員の関与が求められるため、行方不明者がいると対応が難しくなります。
その際は、不在者財産管理人の選任や失踪宣告といった制度の活用を検討してください。
状況に応じた適切な手続きに進むためにも、必要に応じて弁護士など専門家のサポートを受けるのも重要です。

無効にならない自筆証書遺言の書き方

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相続の際に故人の意思を反映させるには、遺言書の作成が有効です。
遺言書には自筆証書遺言や公正証書遺言などがあり、手軽に作成できるものは自筆証書遺言です。
この記事では、自筆証書遺言の正しい書き方を解説します。

自筆証書遺言

遺言をのこす方が自ら記述したものが自筆証書遺言です。
自宅でお金をかけず手軽に作成できるため、多くの方が利用しています。
しかし形式に厳格な決まりがあり、守られていない場合には無効となるリスクもあります。

相続が発生した際に効力を発動させるには、家庭裁判所による検認手続きが必要です。
検認手続きを受けずに開封してしまうと、5万円以下の過料を科せられる可能性もあるため注意してください。

自筆証書遺言書保管制度

遺言書は自宅で管理する以外に、法務局にて保管することも可能です。
数千円の費用がかかりますが、制度に申し込むことで、紛失や改ざんなどのリスクを減らせます。

さらに申し込み時に対象者を指定しておくと、遺言者が亡くなった際に保管の旨を対象者へ通知できます。
これにより自身の死後、遺言書が発見されないリスクを減らせます。
またこの制度を利用すると、検認手続きを受けずに相続の手続きを進められるメリットもあります。
ただし、申し込み時に遺言書の内容が有効かどうかは確認してもらえません。
自ら責任をもって有効な遺言書を作成してください。

自筆証書遺言の書き方

書き方には決まりがあり、守らなければ場合は無効になります。
有効となる要件は次の通りです。

  • 内容全文、日付、氏名を自筆する
  • 押印する
  • 訂正時は二重線を引いて訂正印を押し、余白に変更した旨と署名を記す

また、法務局にて保管してもらうには、以下の決まりを守らなければいけません。

  • A4サイズの読みやすい色の用紙で作成(罫線入りでも可)
  • 片面のみに記述
  • 上5mm、下10mm、左20mm、右5mmの余白を確保
  • ページ番号を付ける
  • ページをとじ合わせない

遺言者が自筆で作成しなければいけない

自筆証書遺言は、遺言者本人がすべてを自筆で記述しなければならず、パソコンによる記述は認められません。
鉛筆書きでも法的には問題ありませんが、消えてしまうリスクや改ざんされてしまうリスクもあるため、ボールペンなどを使用すると安心です。

日付は、年月日を具体的に記述します。
たとえば「令和〇年〇月吉日」といった記載は具体的な日付がわからないため無効です。
文字や内容を書き間違えてしまった場合は、二重線で訂正し、訂正印を押します。
正しい言葉を記述したあと、余白などに「(項目番号)中、〇字削除、〇字追加」と記述し、署名してください。

ただし、財産目録はパソコンでの作成が認められています。
そのほか、不動産の登記簿謄本や通帳のコピーなどを添付することも可能です。
コピーを添付する際は、内容がはっきりと読み取れるよう、鮮明な画像でなければいけません。
自筆していないページには、全ページに署名と押印が必要です。

表現に注意する

記述する際には、表現に注意が必要です。
誰にどの財産を相続させるのか、人物と財産を特定してわかりやすく記載しなければいけません。
あいまいな表現をしてしまうと特定できなかったり、読んだ人によって解釈が異なったりするリスクがあります。

たとえば不動産は、登記簿謄本通りに記述します。
同一住所に複数の家屋が建っていることもあり、住所だけでは具体的に特定できない可能性があるためです。
また、相続させる意味合いで「家を任せる」などと記述しても、遺言者の意図通りに解釈されない可能性があります。
とくに内容に不満のある相続人がいる場合、そのような文言から「内容が正確に理解できないから無効だ」と主張されることもあります。
明確に記述してください。

保管制度を利用するときの注意点

保管制度にはルールがあり、たとえ遺言書の決まりを守っていても制度のルールを守れていない場合には保管してもらえません。
用紙には上下左右に余白を作らなければいけませんが、その余白に1文字でもはみ出して記載してしまった場合、書き直しが必要になります。
各ページにページ番号を記載する際には、総ページ数もわかるように記載します。
保管している間に文字が消えてしまわないよう、消えるボールペンは使用しないよう注意してください。

また、署名は戸籍通りの文字を用いなければいけません。
申し込み時に本人確認をする都合上、公的資料と署名が一致している必要があるためです。

まとめ

この記事では自筆証書遺言の正しい書き方について解説しました。
有効となるには要件があり、日付を含め全文を自筆で記載し、署名・押印しなければいけません。
財産目録はパソコンでも作成できますが、全ページに署名と押印が必要です。
また保管制度を利用するためには、それに応じた決まりを守る必要があります。
無効にならないよう、作成時には弁護士へご相談ください。

期限のある相続手続きと期限を過ぎてしまった場合のリスク

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身近な方が亡くなると、同時にさまざまな手続きが必要になります。
なかには期限が決められている手続きもあり、期限を過ぎてしまうと不利益を被る可能性もあります。
この記事では、相続の手続きを期限内に行えなかったときのリスクについて解説します。

相続の手続き

身近な方が亡くなると、葬儀や供養と並行して、さまざまな手続きを行わなければいけません。
故人の財産を受け継いだり、解約や需給停止手続きを行ったりと、やるべきことは多岐にわたります。
忙しさのあまり後回しにしていると、そのまま手続きし忘れたり、期限に間に合わなくなったりすることもあるため、注意が必要です。

たとえば遺産の分け方を決める協議や、相続人に該当する人の調査には、期限がありません。
しかしこれらの手続きが終わっていないと、その他の期限付きの手続きを進められません。
相続の手続きは計画的に進めていく必要があります。

期限のある手続き

次の手続きには期限が定められています。

  • 相続放棄の判断
  • 相続税の申告と納税
  • 遺留分侵害額請求
  • 相続登記

相続放棄の判断

遺産は相続しないことも可能です。
その判断は相続開始を知ったとき(通常は故人が亡くなった日)から3か月以内に行わなければいけません。
たとえば故人に多くの借金があった場合、相続放棄や限定承認を選択することで、相続人は借金を背負わずに済みます。

相続放棄は、故人の財産をすべて相続しないという選択です。
限定承認は故人に借金などマイナスの財産がある場合、プラスの財産額を上限としてマイナスの財産も相続するものです。
プラスの財産額を超えた分の借金は相続する必要がなく、大きな負債を抱えずに済みます。
相続放棄や限定承認の申し立てを行わずに3か月が経過すると、自動的にすべての財産を相続することになります。

原則として、あとから相続放棄や限定承認を選択することはできません。
ただし、財産の調査に時間がかかるなど期限内に選択できない場合には、家庭裁判所へ熟慮期間延長の申し立てを行うことも可能です。
また、故人が亡くなったことを知らなかったなど正当な理由がある場合は、故人が亡くなってから3か月以上経過していても、相続放棄などを選択できます。

相続税の申告、納税

相続税の申告と納税は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内に行わなければいけません。
期限内に申告しなかった場合、無申告加算税が課せられます。
期限内に納税できなかった場合には延滞税が課せられ、納める税金の総額が多くなります。
納期限の翌日から2か月が経過すると延滞税率はさらに高くなり、負担が重くなるため早めの対応が必要です。

未納のまま長期間経過すると、税務署から滞納処分を受けることがあります。
滞納処分では財産を差し押さえられ、現金に換えられたのち、納税にあてられます。
どうしても納税が難しいときには税務署へ相談し、延納や物納といった方法を検討してください。

遺留分侵害額請求

相続人には相続できる財産の最低限の割合が決まっており、これを遺留分と言います。
遺言書によって特定の相続人に相続が集中している場合など、遺留分を侵害されたときには、その相続人に対して遺留分侵害額請求を行うことが可能です。
これにより、最低限の財産を相続できます。

ただし遺留分侵害額請求を行えるのは、相続の開始と遺留分が侵害されている事実の両方を知ってから1年以内です。
故人が亡くなってから10年が経過した場合にも、この権利は行使できなくなります。

相続登記

相続した不動産は、故人の名義から相続人の名義に変更しなければいけません。
相続によって不動産を取得した日から3年以内に登記を行うことが義務付けられています。
正当な理由がなく登記を行わなかった場合、10万円以下の過料が科せられることもあるため、忘れずに行ってください。

遺産の分割方法でもめているなど、期限内に相続登記を行うことが難しい場合には、相続人申告登記を行うことで相続登記の申請義務を果たすことも可能です。
相続人申告登記を行うと、自分が相続人であることを示すことができ、相続登記に関する過料を科せられる心配がなくなります。
ただし相続人申告登記を行うことで相続登記が完了するわけではありません。
遺産分割協議が終了した際には、あらためて相続登記を行う必要があります。

まとめ

この記事では、相続の手続きを期限内に行わなかった場合のリスクについて解説しました。
相続放棄の判断や遺留分の請求は期限を過ぎると認められなくなり、不利益を被る可能性があります。
また相続税の申告や相続登記などを期限内に行わないと、ペナルティを受けることもあります。
相続の際には複数の手続きが同時に発生しますが、忘れずにすべての手続きを行わなければいけません。
相続の手続きに関するトラブルは、弁護士までご相談ください。

弁護士に相続人の調査を依頼するメリット

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相続が発生したとき、すべての相続人を把握しなければ手続きを進められません。
相続人の調査は自ら行うこともできますが、専門家へ依頼することも可能です。
この記事では、相続人の調査を弁護士へ依頼するメリットについて解説します。

相続人の調査とは

相続税の計算や、相続した不動産の名義変更をする際には、相続人を把握しておく必要があります。
相続人の人数によって相続税の基礎控除額が変わったり、相続登記の際に相続人全員の書類が必要になったりするためです。

相続人に該当する人

故人の財産を相続できる人は法律によって決められています。
遺言書がない限り、故人の配偶者と子どもが法定相続人です。
故人に子どもがいない場合は、故人の両親や祖父母が故人の配偶者とともに相続人になります。
両親などもいない場合には、故人の兄弟姉妹が相続人になります。

相続人の調査方法

相続人の調査は、故人の出生時から亡くなったときまでの戸籍謄本を途切れることなく調べる方法で行います。
これにより、故人に生き別れた子どもや認知した子ども、養子などがいないか確認できます。
戸籍は引っ越しや結婚などによって新しく作られることがあるため、故人の生活スタイルによっては調べる戸籍謄本の数が非常に多くなります。

相続人調査を弁護士に依頼するメリット

相続人の調査を弁護士へ依頼することで、手間をかけず、正確に調査できます。
手続きが進んだあとに新たな相続人が現れると、手続きを最初からやり直さなければいけなくなります。
見落としがないよう、調査は慎重に行わなければいけません。

もれなく正確に調査できる

弁護士に依頼することで、相続人の見落としを防げます。
調査に慣れていないと、戸籍に記載された養子縁組や認知の表記を見落としてしまうことがあります。
戸籍に記載される内容の一部は、戸籍を新しくした際に記載されなくなります。
一度見落としてしまうとその後も見落としたままになってしまうため、専門家へ依頼すると安心です。

とくにデジタル化される前の戸籍は、現在の戸籍と形式が違ったり、手書きで作成されたりと、読み解くことが簡単ではありません。
さらに市町村合併により、古い戸籍の所在地がなくなっている可能性もあります。
弁護士であればそのような戸籍も探し出し、正しく読み解くことが可能です。

手間のかかる手続きを代行してもらえる

弁護士が手続きを代行することで、相続人の方々は時間を有効活用できます。
身近な方が亡くなると、相続だけでなくさまざまな対応が必要になります。
第三者に任せられる手続きを第三者へ任せることで、相続人の負担を軽減できます。
故人や相続人の戸籍謄本は誰でも取得できるわけではありませんが、弁護士であれば職務に必要な範囲内で取得できます。

相続人をすべて調査したあとは、法定相続情報一覧図を作成しておくと、相続に関するさまざまな手続きに役立ちます。
法定相続情報一覧図の作成も弁護士へ依頼することが可能です。
相続人自ら作成することも可能ですが、相続人の数が多いと手間がかかります。
記載内容に不足があると相続の手続きに利用できないこともあるため、弁護士に依頼すると安心です。

トラブルに発展したとき、スムーズに対応を依頼できる

財産が多い場合や、不動産など分けることが難しい財産がある場合、相続の手続きを進める過程でトラブルが発生することもあります。
トラブルを個人間で解決することは難しく、弁護士に解決を依頼した方が良いケースも少なくありません。
相続手続きの初期段階から弁護士に依頼しておくことで、トラブルが発生した際にすぐに対応できます。

たとえば遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産の分け方を決定します。
このとき不動産のような分割しにくい財産があると、協議が難航することもあります。
遺産の適正な分け方を判断することは難しく、分け方に納得できない相続人が現れると、協議はまとまりません。
協議をまとめるためには交渉が必要ですが、直接交渉すると、その後の親族関係に影響を与えてしまうこともあります。
このようなときに弁護士に対応を依頼することで、弁護士を代理人として法的な根拠をもとに交渉可能です。
トラブルが深刻化してからではなく、早めに依頼すると、こじれる前に対応できます。

まとめ

この記事では、相続人の調査を弁護士に依頼するメリットについて解説しました。
相続人の調査は自分で行うことも可能ですが、手間がかかったり、見落としが発生したりすることもあります。
しかし弁護士に依頼することで、限られた時間の中で正確に調査することが可能です。
とくに故人に離婚歴があったり、引っ越しが多かったりする場合には、弁護士に依頼すると安心です。
弁護士には相続人の調査だけでなく、相続にまつわるさまざまなトラブルの相談も可能です。
相続の問題は弁護士までご相談ください。

相続人調査は自分でできるの?手順と注意点

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相続が発生したときには、相続人の調査が必要です。
たとえ相続人をすべて把握しているつもりでいても、被相続人に生き別れた子どもや養子がいることもあります。
この記事では、相続人の調査を自分で行うときの手順と注意点を解説します。

相続人調査

相続が発生した際には、相続人に該当する人をすべて把握するため、調査を行わなければいけません。
相続税額の計算や、相続財産の分割について協議する際に、すべての法定相続人を把握しておく必要があるためです。

相続人を把握する必要性

相続税には基礎控除があり、その額は法定相続人の数によって変わります。
法定相続人が多いほど控除額は大きくなり、納めるべき相続税額が低くなります。
遺産の分割について相続人同士で協議する際には、法定相続人全員が協議に参加する必要があります。
全員が参加していない協議は無効となり、再度全員で協議を行わなければいけません。
さらに被相続人の所有していた不動産の名義変更を行うときや、預金の払い戻しを受ける際にも、相続人全員の同意を得る必要があります。

存在を知らなかった相続人が発覚することもある

すべての相続人を把握しているつもりでいても、実際に調査を行うと、認識していなかった相続人に気付くことがあります。
たとえば被相続人に離婚歴があり、元配偶者との間に子どもがいた場合、たとえその子どもと連絡を取っていなかったとしても、その子どもは法定相続人になります。
そのほか、認知した子や、養子縁組した子どもも法定相続人です。
相続調査では、こうした相続人を漏れなく把握しなければいけません。

相続人の調査と注意点

相続人の調査は、被相続人が生まれてから亡くなるまでの、戸籍をすべて調べる方法で行います。
戸籍は結婚や離婚、引っ越しの際に新しく作成されることがあります。
新しい戸籍が作成されたとき、前の戸籍に記載されていた内容の一部が記載されなくなることもあるため、調査の際には全戸籍を途切れることなく確認しなければいけません。
調査は弁護士などへ依頼することも可能ですが、相続人ご自身で行うことも可能です。

調査方法

優先的に法定相続人となるのは、配偶者と被相続人の子どもです。
そのため、まずは被相続人に子どもがいないか確認しなければいけません。
子どもがいない場合には被相続人の親や祖父母が、親・祖父母がいない場合は兄弟姉妹が、被相続人の配偶者と共に相続人になります。

調査は、被相続人の最後の戸籍から出生時の戸籍までを、途切れることなくさかのぼる方法で行います。
まず、被相続人の最後の本籍地にある役場で戸籍を取得します。
取得した戸籍には、そのひとつ前の戸籍の情報が記載されています。
その情報をもとに、ひとつ前の戸籍を取り寄せることが可能です。
これを繰り返し、故人の出生時の戸籍までさかのぼります。
すべての戸籍を取り寄せ、子どもや養子がいないか確認することで、相続人を特定できます。

調査の際には相続人を見落とさないよう注意する

調査において大切なことは、相続人を見落とさないことです。
そのためには、戸籍を正しく読み解く必要があります。

現在の戸籍は電子的に作成されていますが、古い戸籍(原戸籍)は手書きで作成されているものもあります。
記載内容や形式も現在の戸籍と異なっている部分があるため、丁寧に読み解かなければいけません。
市町村合併などにより、戸籍に記載されている「ひとつ前の本籍地」の市町村が消滅していることもあります。
戸籍を取り寄せる際は、合併後の市町村を探し出し、対応してください。

また、戸籍に記載されている情報を見落とさないことも重要です。
たとえば子どもを認知したとき、戸籍の身分事項欄には認知した事実が記載されます。
その後、本籍地を移すなど新しい戸籍を作成した際には、認知の情報が記載されなくなります。
しかし記載がなくなっても、認知した子どもがいる事実は変わりません。
忘れずに相続人に含める必要があります。

代襲相続に注意する

被相続人に子どもがおり、その子どもが先に亡くなっている場合は、子どもの子ども(被相続人の孫)が親の代わりに相続人になります。
これを代襲相続といいます。

代襲相続が発生している場合、相続の手続きを行ううえで、亡くなった子どもの出生時から亡くなるまでの戸籍も必要です。
亡くなった子どもの子ども全員が代襲相続人となるため、被相続人の相続人調査と同じように、戸籍から相続人に間違いがないことを示さなければいけません。

まとめ

この記事では、相続人調査を行うときの方法と注意点について解説しました。
相続人調査は、被相続人の出生時から亡くなるまでの戸籍をすべて調べる方法で行います。
また、相続人ご自身での調査も可能です。
しかし故人が結婚や離婚、引っ越しなどを繰り返していた場合、調査する戸籍も多くなり、手間や時間がかかります。
迅速かつ正確に相続人調査を行うには、弁護士などの専門家までご相談ください。

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