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コラムカテゴリー: 債務整理

自己破産しても奨学金の返済義務は残る?

自己破産しても奨学金の返済義務は残る?

多額の借金に苦しみ、最終手段として自己破産を検討する際、奨学金の返済義務がどうなるのかは大きな懸念材料です。
奨学金には保証人がいることが一般的であるため、保証人などへの影響も懸念になります。
この記事では、自己破産が奨学金の返済義務や保証人に及ぼす影響について解説いたします。

自己破産とは?

自己破産とは、借金の支払い義務を免除してもらうための法的な手続きです。
多額の借金を抱え、自身の財産や収入をもってしてもすべてを返済することが不可能になった場合に、裁判所に申し立てを行い、認められれば債務が免除されます。
この手続きは、債務者の経済的な更生、すなわち生活の再建を図ることを目的としています。
自己破産が認められるためには、支払不能の状態であることなど、いくつかの要件を満たす必要があります。
裁判所に申し立てを行い、免責決定が下されることで、原則としてすべての借金の支払い義務がなくなります。

自己破産した場合奨学金の返済義務はどうなる?

自己破産の手続きを行い、裁判所から免責が決定された場合、奨学金の返済義務も原則としてなくなります。
奨学金は、法的には一般的な借金として扱われるため、自己破産による免責の対象となります。
ただし、奨学金には通常、連帯保証人または保証人が設定されています。
自己破産によって債務者本人の返済義務が免除されたとしても、その奨学金の残額は、連帯保証人や保証人が代わりに全額を返済する義務を負うことになります。
また、保証人は、債務者に代わって支払った返済分を本人に請求する権利(求償権)を持っているため、自己破産手続きにおいて債権者として扱われ、債務者の財産の分配を受けることができます。

自己破産した場合の影響

自己破産手続きを行うと、借金の支払い義務が免除されるという大きなメリットがある一方で、様々な制約や影響を受けます。

連帯保証人や保証人が返還請求を受ける

自己破産によって債務者本人の奨学金の返済義務が免除されても、その債務は連帯保証人や保証人に引き継がれます。
奨学金の貸与元である日本学生支援機構(JASSO)などは、債務者本人から返済を受けられなくなると、連帯保証人や保証人に対して、奨学金の残額の全額を一括で返済するよう請求します。
このため、奨学金の自己破産は、保証人に多大な経済的負担をかけることになります。

クレジットカードの契約ができなくなる

自己破産の手続きが完了すると、信用情報機関に事故情報が登録されます。 この情報は約5年から10年間登録されたままとなります。
その結果、新たなクレジットカードの新規契約や、現在利用しているクレジットカードの更新ができなくなります。
クレジットカード会社は審査の際に信用情報を参照するため、事故情報が確認されると、審査に通ることは困難になります。

新たな借入れができなくなる

信用情報機関に事故情報が登録されている間は、銀行や消費者金融からの新たな借入れや、住宅ローン、自動車ローンなどの契約が一定期間できなくなります。
金融機関は、債務者の返済能力に対する信用が低くなるため、融資を拒否します。
この制約は、信用情報機関から事故情報が削除されるまで続きます。

一定の職業に就労できなくなる

自己破産手続き中は、法律によって一定の職業や資格が必要な業務に就くことが制限されます。
これを資格制限と呼びます。
具体的には、弁護士、税理士、司法書士といった士業や、生命保険の外交員などが該当します。
これらの職業は、他人の財産や信用を扱うため、破産手続き中の人はその資格や業務が一時的に停止されます。

奨学金の返済が難しい場合の対応

自己破産という最終手段を選ぶ前に、奨学金の返済が困難になった場合には、日本学生支援機構が提供する制度を利用すべきです。

返還期限猶予制度

返還期限猶予制度とは、災害、傷病、経済困難、失業などの事情により、奨学金を期限までに返還することが難しくなった場合に、返還期限を猶予してもらう制度です。
この制度を利用すれば、最長10年間まで返還を待ってもらうことができます。
猶予期間中は、利息の支払いは発生しません。
猶予が認められるには、以下の要件のいずれかを満たしている必要があります。

  • 給与所得者の場合年収が300万円以下である
  • 給与所得者以外の場合年収が200万円以下である
  • 前年度よりも収入が減ったことにより上記の基準に該当している

減額返還制度

減額返還制度とは、奨学金の返還を継続しているものの、経済的な理由で月々の返還額を減らしたい場合に、返還額を一定期間減額してもらう制度です。
月々の返還額を2分の1または3分の1に減額することができます。 減額された期間に応じて、全体の返還期間は延長されます。
この制度は、一時的に収入が減少したり、予期せぬ出費があったりした場合に、返済の負担を軽減するために有効な制度です。
制度を利用するための要件は以下の通りです。

  • 給与所得者の場合年収325万円以下
  • 給与所得者以外の場合年収225万円以下
  • 申請と審査の時点で返済を延滞していない
  • 口座振替加入者である

まとめ

自己破産によって奨学金の返済義務はなくなりますが、連帯保証人や保証人に全額の返済義務が移ります。
自己破産は、信用情報への影響や職業の制限といったデメリットを伴います。
奨学金の返済が難しい場合は、自己破産よりも先に、返還期限猶予制度や減額返還制度といった公的制度の利用を検討しましょう。
自己破産を検討される際は、ぜひ弁護士にご相談ください。

任意整理をすると保証人に影響はある?

任意整理をすると保証人に影響はある?

任意整理は、借金を減額してもらう方法として知られています。
裁判をせずに債権者と交渉して返済条件を変更するため、多くの方が利用を検討します。
しかし自分以外に保証人がいる場合、「任意整理をすると迷惑がかかるのではないか」と心配になることもあるかもしれません。
今回は、任意整理をした場合に保証人へどのような影響があるのかを解説します。

任意整理とはどのような手続きか

任意整理とは、弁護士や司法書士が債権者と直接交渉し、将来の利息カットや返済回数の見直しをしてもらう手続きです。
裁判所を通さないため、比較的早く手続きが終わるとされています。
あくまで本人と債権者との間で交渉するため、保証人がいる場合でも、保証人が関与しないまま話が進むケースもあります。
しかし保証人は、法的に強く関係してくる立場です。
「任意整理では保証人に影響が出ない」と安易に考えてはなりません。

保証人とは

保証人とは、借りたひとが返済できなくなったときに、代わりに返済義務を負うひとです。
「連帯保証人」の場合は、借主と同じように支払い義務を負います。
債権者の視点で考えればわかりやすいですが、借主が任意整理をした場合、「どうにかして保証人から回収できないか」と考えるのが自然です。
つまり保証人は、債権者から「借主が任意整理をしたから、あなたが代わりに返してほしい」と請求される可能性があります。
任意整理を検討する際は、保証人の存在を考慮する必要があります。

任意整理をすると保証人にどんな影響があるのか

任意整理は、基本的に本人と債権者のあいだで話を進める手続きです。
しかし保証人がいる場合は、いくつかの影響があります。

  • 保証人へ一括請求が行く可能性がある
  • 信用情報に傷がつくわけではない
  • 家族や知人との関係が悪化することも

それぞれ確認していきましょう。

保証人へ一括請求が行く可能性

任意整理では、借金の返済額や返済期間について交渉をします。
しかし債権者からすれば、その条件を飲むかどうかは自由です。
債権者が「借主にはもう返済させない」と判断した場合、保証人に対して一括で残金の支払いを請求する場合があります。
特に連帯保証人であれば、本人と同じ義務があるため、即座に全額の請求をされることもあります。

信用情報に傷がつくわけではない

任意整理をしたひとは、信用情報に事故情報が登録されます。
保証人が影響を受けるのはあくまで「返済義務」の面であり、信用情報そのものに傷がつくわけではありません。
ただし保証人自身が代わりに返済した場合、その情報が信用情報に登録されるケースがあります。

家族や知人との関係が悪化することも

保証人になっているのが家族や親しい知人である場合、任意整理によって急に一括請求が届き、関係性にヒビが入ることもあります。
「勝手に手続きを進めた」「相談もなく迷惑をかけた」といった不満を抱かせてしまう可能性もあるため、慎重な対応が求められます。

任意整理をする前に知っておくべきこと

任意整理を進める前に、以下のようなポイントを確認するとトラブルを避けやすくなります。

  • 保証人がついている借金かどうかを確認する
  • 保証人に事前に説明をして理解を得る
  • 場合によっては、保証人の変更や免除の相談をする

保証人がついている借金については、債権者との交渉によって保証人に請求が行かないようにできる可能性もゼロではありません。
しかしそのためには、弁護士などの専門家を通じて、丁寧な交渉を進める必要があります。

保証人付きの借金は任意整理に含めないという選択肢も

任意整理の大きな特徴は、自分が選んだ債権者に対してだけ手続きをするという点です。
そのため保証人付きの借金は除外し、保証人が関係ない借金だけを任意整理の対象にすれば、影響を最小限に抑えられます。

【具体例】
保証人がついていないカードローンや、キャッシングの借金を任意整理の対象とする。
保証人が関係する住宅ローンや自動車ローンは通常どおり返済する。
上記のようにすれば、保証人に迷惑をかけず、自分の債務負担を一部だけ軽減できます。
ただし一部の借金だけを任意整理する場合でも、債務全体のバランスを見て判断しなければなりません。
特定の借金だけ減らしても、残った借金が返済困難なままであれば、根本的な解決にはならないからです。
任意整理を検討する際は、専門家とともに家計の見直しを行い、今後の返済計画を立てるのが重要です。

任意整理を保証人に相談するタイミング

任意整理をすると決めたら、なるべく早い段階で保証人に説明してください。
保証人がその事実を知らされていない状態だと、「なぜ自分に請求がきたのか」「今すぐ払わないといけないのか」と混乱する原因になります。
任意整理の意思や予定を話せば、保証人も急な請求に備えられます。
また、保証人が家族や親しい知人である場合、任意整理を無断で進めると「勝手に自分を巻き込んだ」と不信感を抱かれるかもしれません。
事前に相談すれば、保証人との関係性を良好に保ちながら手続きを進められます。

まとめ

今回は、任意整理をすると保証人に影響があるのかどうかを解説しました。
保証人がついている借金を対象に任意整理をすると、保証人に対して一括請求が発生するリスクがあります。
保証人の有無を確認し、必要なら対象から外す判断も重要です。
必要に応じて弁護士などの専門家に相談し、慎重に手続きを進めてください。

自己破産における破産管財人とは?役割を紹介

破産管財人とは?役割を紹介

自己破産を行う場合、破産管財人という役割の者が選任されることがあります。
今回は、破産管財人が選任されるケースや役割などについて解説します。

自己破産とは

自己破産とは、借金などの債務が自身の支払い能力を超えているときに、裁判所に支払い義務を免除してもらう手続きのことをいいます。
債務者が支払不能の状態にある場合に、その生活を再建させることが自己破産の目的とされています。

自己破産で破産管財人が選任されるケース

自己破産の手続きには、破産管財人が選任される管財事件と、破産管財人が選任されない同時廃止という2つの種類があります。
破産管財人が選任される管財事件となるのは、主に債務者が一定以上の財産を所有している場合です。
破産法上の基準を超える財産、たとえば、一定額以上の現金、預貯金、不動産、生命保険の解約返戻金、自動車などを債務者が所有している場合、その財産を換価し、債権者に配当する必要が生じます。
この換価や配当の手続きを行うために、破産管財人が選任されます。

破産管財人のおもな役割

破産管財人が果たすべき役割は多岐にわたり、破産手続の公平性と適正性を保つために極めて重要です。
主に次のような役割があります。

  • 破産財団の管理・処分権を行使する
  • 破産財団に属する財産の調査を行い確定させる
  • 債権者へ公平な配当を行う
  • 免責に関する調査や意見陳述

それぞれ確認していきましょう。

破産財団の管理・処分権を行使する

破産管財人の主要な役割は、破産財団の管理と処分権を専属的に行使することです。
破産財団とは、破産者の財産で、破産手続の対象となるものを指します。
破産管財人は、破産財団に属する財産の占有、管理、維持を行い、その価値を減らさないように努めます。
さらに、最終的に財産を現金化する換価手続きに向けて、財産の売却や回収など、処分権を行使します。
この職務を通じて、破産管財人は債権者への配当原資を確保します。

破産財団に属する財産の調査を行い確定させる

破産管財人は、破産財団に属する財産を調査し、その範囲と価値を確定させる責任を負います。
この調査には、破産者から提出された財産目録の確認だけでなく、過去の財産隠しや不当な財産処分がなかったかについても詳しく調べることも含まれます。
必要に応じて、過去に行われた財産処分を取り消す否認権を行使したり、未完了の契約関係の整理を進めたり、役員責任の追及などを行ったりして、破産財団の増殖を目指します。

債権者へ公平な配当を行う

破産管財人は、財団の換価、つまり財産の現金化が完了した後、その現金を用いて債権者への公平な配当を実現する役割を持ちます。
具体的には、債権者から提出された届出に基づき、破産債権者の範囲や債権額を調査し、これを確定させます。
そして、法律の定める優先順位に従って、配当に関する職務を遂行します。
この配当手続きを通じて、すべての債権者が法的に平等に取り扱われることを保証します。

免責に関する調査や意見陳述

破産管財人の職務には、債務者の免責に関する調査も含まれます。
免責とは、残った借金の支払い義務を免除する手続きであり、自己破産の最終目的です。
破産管財人は、破産手続開始に至った経緯について債務者に聞き取りを行い、免責不許可事由がないかを調査します。
調査結果に基づき、免責を許可すべきかどうかについて、裁判所に対して意見を陳述します。
免責不許可事由がある場合でも、裁判所が債務者の生活再建の意欲などを考慮して免責を認める裁量免責という制度があり、破産管財人の意見はこの判断に大きな影響を与えます。

破産管財人の選任方法は?

破産管財人は、破産手続の開始決定と同時に、裁判所が選任します。
申立人が特定の人物を指名することはできません。
裁判所は、破産事件の規模や複雑性、または破産管財人の専門性を考慮して、適切な弁護士を名簿の中から選任します。
破産管財人が選任された後は、裁判所が破産管財人の職務遂行を監督し、職務の遂行が不適切であると判断された場合には、裁判所が必要に応じて解任することができます。
また、大規模な法人の破産手続など、案件が複雑な場合には、破産管財人が複数選任されることもあります。
破産管財人が複数選任される場合は、共同して職務を行うことが原則とされていますが、裁判所の許可があれば、職務分掌を定めて個別の職務を担当したり、単独で業務を執行したりすることも可能です。
このように、破産管財人の選任は裁判所の専属的な権限であり、中立性と公平性が保たれる仕組みとなっています。

まとめ

今回は自己破産における破産管財人とは何か、また役割について考えていきました。
自己破産の管財事件は、同時廃止事件に比べ、複雑な手続きや破産管財人とのやりとりが発生します。
そのため、自己破産を考えている場合には弁護士に相談することを検討してください。

個人再生をしても住宅ローンが残っている家を残せるか

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借金の返済が困難になった場合でも、すべての財産を失わずに生活の再建を図る方法が「個人再生」です。
個人再生であれば、住宅ローンが残っている家を残せる可能性があります。
今回は、住宅ローンが残っている場合でも、個人再生で自宅を残せるかどうかを解説します。

個人再生とは

個人再生とは、裁判所を通じて借金の元本を大幅に減額し、原則3年(最長5年)の分割で返済していく手続きです。
自己破産のように財産をすべて処分する必要がないため、一定の条件を満たせば、住宅などの資産を維持したまま借金の整理ができます。
同制度には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2つがあります。
ただし基本的には前者が選択される場合がほとんどです。
なぜなら多くの場合、小規模個人再生のほうが、給与所得者等再生よりも返済額が少なくなるからです。

個人再生(小規模個人再生)を利用するための主な条件

制度を利用するには、以下のような条件を満たしている必要があります。

①将来にわたって安定した収入があること
②借金の総額が一定以下であること
③債権者の同意があること

①と②は開始要件であり、そもそもこれを満たしていなければ申請ができません。
それぞれ確認していきましょう。

①将来にわたって安定した収入があること

再生計画に従って、継続的に返済を行うのが前提となるため、継続的または反復した収入が必要です。
たとえば、会社員・公務員・個人事業主・年金受給者などが該当します。

②借金の総額が一定以下であること

小規模個人再生の場合、「住宅ローンを除いた無担保債務が5,000万円以下」が条件です。
5,000万円を超え、減額できない場合は、自己破産を検討します。

③債権者の同意があること

厳密には、申し立てるための条件ではなく、「認可要件」です。
小規模個人再生では、提出した再生計画案に対して、債権者からの「賛成」または「反対」の意見が重要です。
反対が多いと、その計画が認められない場合があります。
ただし反対が少数であれば、「みなし同意」として、裁判所が計画を認めます。
具体的なポイントは、以下の2つです(両方満たす必要があります)。

  • 反対を出した債権者の人数が、全体の半数未満
  • 反対を出した債権者が持つ借金の金額合計が、全体の半分未満

たとえば債権者が10人いて、そのうち3人だけが反対であり、しかもその3人が持つ借金の総額が全体の半分より少なければ「債権者の同意があった」と扱われます。

住宅ローン特則とは?家を守るための特別な制度

住宅を手放さずに個人再生を進めるには、「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」と呼ばれる制度を利用します。
住宅ローン特則とは、住宅ローンの返済を続けることを条件に、自宅の処分を回避できる制度です。
ただし利用には条件があるため、早めに弁護士などの専門家へ相談し、適用可能かを確認するのが重要です。

住宅ローン特則を利用するための条件

住宅ローン特則を利用するための条件は、以下の通りです。

  • 借金が住宅取得のためのローンである
  • 住むための家である
  • 本人が持っている家である
  • 住宅に抵当権が設定されている
  • 他の抵当権が設定されていない
  • 税金の滞納による差し押さえがない
  • 代位弁済から6か月以上経っていない

それぞれ確認していきましょう。

借金が住宅取得のためのローンである

対象の借入れが、住宅購入を目的としたローンである必要があります。
リフォームローンなどでも、住宅に関係する借入れであれば、対象になる可能性があります。
判断に迷う場合は、弁護士などの専門家に相談してください。

住むための家である

自宅が「居住用」であるのが前提です。
つまり、実際に住んでいるか、住む予定の住宅に限られます。
事務所や投資用物件は対象外となりますが、店舗付き住宅であっても、住居部分が半分以上あれば認められる可能性があります。

本人が持っている家である

住宅ローン特則が使えるのは、住宅ローンを支払っている本人が、家の所有者である場合です。
共有名義の場合でも、本人が持っている持分にローンの担保が設定されていれば、利用できる可能性があります。

住宅に抵当権が設定されている

住宅ローンには、通常、抵当権が設定されています。
根抵当権でも、住宅ローンだけの担保であれば問題ありません。

他の抵当権が設定されていない

住宅ローン以外の借入れに対しても抵当権が設定されている場合、制度の利用は難しくなります。
なぜなら、他の債権者がその抵当権を使って家を差し押さえる可能性があるからです。

税金の滞納による差し押さえがない

固定資産税などの滞納で、すでに家に差押登記がされている場合、原則として制度の対象になりません。
ただし納税について分割払いの合意が取れており、支払える見込みがあれば、例外的に認められる場合もあります。

代位弁済から6か月以上経っていない

ローンを滞納すると、保証会社が代わりに支払う「代位弁済」が行われます。
その後、6か月以上経過すると住宅ローン特則は使えません。
代位弁済から6か月以内なら、「巻戻し」という対応で再生の対象にできます。

住宅ローンが残っている家を残すためのポイント

個人再生によって住宅を守るには、以下のポイントに注意してください。

  • 安定した収入があるかを確認する
  • 家計管理と支出の見直しを行う
  • ローンの内容や担保の有無を整理する
  • 弁護士への相談を検討する

特に住宅ローン特則を使う場合は、制度の細かい要件を確認しつつ、実務的な判断をする必要があります。
わからない部分があれば、弁護士などの専門家に相談してください。

まとめ

住宅ローン特則を利用すれば、自宅を残しつつ他の借金を整理できる可能性があります。
ただし、一定の条件を満たす必要があります。
無理のない返済計画を立てるためにも、専門家の力を借りて慎重に進めてください。

個人再生のメリットとは

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返さなければいけない借金の額が増えていくと、生活を維持することが難しくなります。
生活を立て直すには、一度借金を整理する必要があるかもしれません。
この記事では、個人再生のメリットについて解説します。

債務整理の種類

現在抱えている借金の返済負担を軽くする仕組みが債務整理です。
債務整理には次の3つの種類があります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

任意整理は整理したい借金を選んで手続きできる方法です。
お金を貸してくれた人(債権者)と直接交渉し、将来的に発生する利息を免除してもらえるようお願いします。
交渉に応じてもらえない場合には利用できません。
個人再生と自己破産はともに裁判所の許可のもと、返済すべき借金そのものを減らす手続きです。
個人再生は安定した収入がある場合に利用でき、借金を大幅に減額してもらい、3~5年かけて返済していきます。
自己破産は必要最低限以外の財産を手放し、ほとんどの借金の返済を免除してもらう手続きです。

個人再生の特徴とメリット

個人再生は住宅ローンを除いた借金の総額が5,000万円以下であり、現状では全額返済することが困難な場合に利用できます。
安定した収入があり、減額後に残った借金を返済していけることが条件です。
借金が高額すぎる場合や、減額しても返済しきれない場合は利用できません。
個人再生には次のようなメリットがあります。

  • 借金を大幅に減額できる
  • 自宅などの財産を手放さずに済む
  • 職業の制限がない
  • 浪費やギャンブルによる借金でも利用できる

借金を大幅に減額できる

裁判所へ返済計画案を提出し、それを認めてもらうことで、返済するべき借金の額を減額できます。
返済計画案は収入や所有している財産、負債額などから決定します。
個人再生には最低限返済しなければいけない金額が決まっており、負債額が100万円未満の場合は全額返済しなければいけません。
負債額が500万円を超え1,500万円以下の場合には、負債額の5分の1が返済額です。
1,500万円を超え3,000万円以下の場合は、300万円を返済していきます。

高額な財産を所有している場合には、所有財産を売却した場合に得られる金額に応じて、返済すべき額が決まります。
所有財産には預貯金だけでなく、不動産や家財道具、保険の解約返戻金なども含まれます。
高額な財産を所有している場合や収入が多い場合には、返済すべき額も高額になりますが、それでも返済負担は大きく軽減されることが一般的です。

財産を手放さずに済む

借金そのものを減らす仕組みとして、個人再生のほかに自己破産もあります。
ただし自己破産を行うと、生活に必要な最低限の財産以外はすべて差し押さえられてしまい、手元に残せません。
しかし個人再生は財産を差し押さえられず、手元に残すことが可能です。

とくに自動車やパソコンなどは差し押さえられると生活が不便になり、手続き後の生活に悪影響を与えます。
また20万円以上の払戻金がある保険は財産とみなされ、自己破産時には解約させられる可能性があります。
一方、個人再生は生活を守りながら借金を減らせるため、その後も生活しやすくなることがメリットです。

自宅を残すことも可能

個人再生を利用すると、ローン完済後の自宅だけでなく、ローン返済中の自宅も手元に残せます。
通常、購入した住宅は住宅ローンの担保になっていることが一般的です。
債務整理を行うと、本来であれば住宅ローンの債権者に対しても借金減額の手続きを取ることになり、債権者によって担保となっている住宅を差し押さえられるはずです。
しかし個人再生には住宅ローン特則があり、住宅ローンの返済をこれまで通り続けることでその住宅に住み続けられます。
ただし住宅ローン特則にはさまざまな要件があるため、利用時には確認が必要です。

職業の制限がない

自己破産には手続き中に就けない職業がありますが、個人再生には職業や資格の制限はありません。
自己破産手続き中は弁護士や税理士などの士業のほか、生命保険の募集や警備員などの仕事ができません。
このような方々が債務整理によって大幅に借金を減額したい場合、個人再生を選択する必要があります。

浪費やギャンブルによる借金でも利用できる

自己破産する場合、借金を作ってしまった理由がギャンブルや浪費の場合には、借金返済の免除が認められません。
しかし個人再生を行う場合、借金の理由は問われず、ギャンブルや浪費による借金であっても手続き可能です。
自己破産が認められない状況の方は、個人再生を検討してください。

まとめ

この記事では個人再生を利用するメリットについて解説しました。
債務整理の一種である個人再生は、任意整理よりも大幅に返済を楽にでき、自己破産のように財産を差し押さえられる心配もありません。
とくに住宅を手元に残せるため、これまでの生活を維持しながら借金を減らすことが可能です。
ただし個人再生を利用するには、裁判所に返済計画を認めてもらわなければいけません。
個人再生をお考えの方は、弁護士までご相談ください。

債務整理をしても携帯電話は使用できるのか

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債務整理を行ったとき、携帯電話の利用は続けられるのでしょうか。
それは、どのような債務整理を行うか、利用料金などの未納があるかによって変わります。
この記事では、債務整理を行った際の携帯電話の利用について解説します。

債務整理とは

債務整理とは、支払利息を免除してもらったり、借金自体を減らしてもらったりして、毎月の返済にゆとりを持たせる手続きです。
債務整理には次の3種類があります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

任意整理はお金を貸してくれた方と直接交渉する方法です。
返済を軽くしたい借金を選んで個別に交渉できますが、大幅な減額は見込めません。
個人再生と自己破産は、裁判所に認めてもらうことで借金の額を大幅に減額したり、返済を免除してもらったりする方法です。
すべての借金に対して一律で手続きするため、特定の借金を選んで除外することはできません。

債務整理を行うと信用情報機関に登録される

債務整理を行うと、その情報は信用情報機関に登録されます。
信用情報機関に登録された情報は、新たな借り入れをする際などに、金融機関によって確認されます。
債務整理の情報が登録されていると、基本的に、新たな借り入れはできません。
借り入れだけでなく、クレジットカードの利用やローン契約も不可能です。
そのため、商品を分割払いで購入することが難しくなります。
なお、債務整理の情報が登録されている期間は5年から10年ほどです。

債務整理を行っても携帯電話は利用できるのか

携帯電話使用料の未納や分割払いの残りがない場合、債務整理を行ったあとも継続して携帯電話を利用できます。
しかし未納や分割払いの残りがある状態で債務整理を行うと、携帯電話会社との契約が強制解約となり、利用を継続できません。

未納や分割払いの残りがある場合

利用料金の未納や、分割払いの残りの支払いは、個人再生や自己破産手続きの対象となります。
個人再生や自己破産を行うと、未納分の料金などの支払いが大幅に免除されることになり、携帯電話会社は損をします。
そのため、ほとんどの携帯電話会社は、破産手続き開始の通知が届いた時点で利用停止の措置を取ることが一般的です。
債務整理によって返済の負担は減りますが、その後、携帯電話の継続利用はできません。

一方、任意整理は、債務整理する対象を自ら選べます。
債務整理の対象から携帯電話会社を除外することで、未納分や分割払いの残りの支払いを今後も続けられるため、その後も継続利用が可能です。
ただし任意整理では借金を大きく減らせません。
未納が続くようであれば、結局は強制的に解約されてしまう恐れがあるため、弁護士に相談のうえ、状況にあった債務整理を行ってください。

新規契約や機種変更

債務整理を行っても、原則として新規契約や機種変更は可能です。
ただし自己破産などによって強制解約となった場合、一時的に新規契約が難しくなることもあります。
自己破産手続き中は、債務整理手続きの対象となっている携帯電話会社と新たに契約を結べません。
さらに、料金の不払い情報はほかの携帯電話会社にも共有されるため、ほかの会社で新規契約することも難しくなります。
不払い情報の共有は、自己破産によって支払いの免除が確定するまで続きます。

また債務整理を行うと、新規契約時に預託金の支払いを求められることがあります。
預託金とは保証のために支払う金銭であり、万が一利用料金の支払いが滞った場合には、預託金から滞納分の料金が支払われます。
預託金の額は1回線あたり数万円~10万円程度が一般的です。

分割払いは難しくなる

債務整理を行うと、信用情報機関に債務整理の情報が登録され、分割での支払いが難しくなります。
通常、スマートフォンなどの端末代金は毎月分割して支払います。
しかし債務整理後、信用情報が回復するまでは、端末代金を一括で支払わなければいけません。
近年は高額な機種も多いため、購入できる機種が制限される恐れがあります。

携帯電話は自己破産時の差し押さえの対象になるのか

自己破産すると、必要最低限以外の財産は差し押さえられ、現金に換えられて借金の返済に充てられます。
しかし携帯電話やスマートフォンは生活必需品と認められ、差し押さえの対象にはなりません。
ただし一人で複数台所有している場合や、端末代金が20万円以上の場合には、差し押さえの対象になることもあります。

まとめ

この記事では、債務整理をしたときの携帯電話の利用について解説しました。
利用料金の未納や、分割払いの残りがなければ、債務整理を行っても継続して利用できます。
しかし未払いの代金がある場合、債務整理してしまうと、強制的に解約される恐れがあります。
債務整理後も新規契約や機種変更は可能ですが、場合によっては審査に通らないこともあります。
影響を最小限に抑えるためにも、債務整理を行う際には弁護士までご相談ください。

官報に載るとどうなる?掲載内容とその影響

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個人再生や自己破産を行うと、その情報が官報に掲載されます。
官報は誰でも見ることができ、破産に関する情報は掲載拒否もできません。
この記事では、官報に掲載される内容や、その影響について解説します。

官報とは

官報とは、国の法令や公示事項を掲載し、周知するための国の広報誌です。
行政機関の休日を除いた毎日午前8時30分に、官報発行サイトへ掲載されることによって発行されます。
書面での交付を希望する場合には、各都道府県の官報サービスセンターなどへ申し込むことも可能です。
通常発行される本紙のほか、国会会議録や政府調達公告が掲載された号外が発行されることもあります。
発行から90日間は全体を無料で閲覧・ダウンロードできますが、それ以降は一部の記事が公開終了となります。

官報への掲載

官報には政府や各府省庁などが公布する文書や、国などからの告知が掲載されます。
そのほか、会社や裁判所などが重要事項を広く通知する際にも利用されます。
たとえば自己破産や個人再生を行った際には、破産手続きが開始されることを官報によって広く告知します。
これは個人が破産した事実を見せしめのように示すためではなく、その人へお金を貸した債権者がもれなく手続きに参加できるようにするためです。
このように、個人を特定できる内容が掲載されることもあります。

官報に掲載される個人情報とその影響

たとえば人事異動や褒章授与などに際して、名前が掲載されることがあります。
そのほか、破産手続きや処分などネガティブな内容に関しても、個人情報を掲載されることがあります。

破産手続きにより掲載される内容

たとえば自己破産の手続き開始によって官報に掲載される内容は次の通りです。

  • 事件番号
  • 住所
  • 氏名
  • 手続き開始が決まった日時
  • 手続き開始の理由
  • 免責意見申述期間
  • 手続きを行う裁判所の名前

破産を知られたくないからといって掲載を拒否することはできません。
ただし掲載内容に誤りがある場合には訂正可能です。
破産手続きを行うと、破産手続き開始時や破産が認められたときなど、個人情報が複数回掲載されます。

官報に掲載される影響

官報は発行後90日間であれば誰でも無料で閲覧可能です。
しかし官報に個人情報が掲載されたからといって、大きな影響はないと考えられます。

まず、知人や会社に対する影響についてです。
一部の職業の方以外、官報を毎日くまなく確認することは、ほぼありません。
自分の知り合いや家族が官報を毎日閲覧している可能性は低く、掲載されたことにも気付かれないことがほとんどです。
金融機関や信用情報機関などの職員は、官報を確認することもあります。
しかし毎日多くの情報が掲載されている官報から、偶然知り合いの情報を見つける可能性は低いと言えます。
このように、官報に個人情報が掲載されたとしても、知人や会社に対する影響は少ないと考えられます。

しかし破産の事実が公になることで、悪質な業者に目をつけられてしまうリスクがあります。
たとえば自己破産すると、クレジットカードが利用できなくなったり、新たな借り入れが難しくなったりします。
破産手続きが開始されたばかりの方は金銭的に困っていても、どうにかすることが簡単ではありません。
そのような方々を狙い、法外な利息で現金を貸し付ける悪質な業者も存在します。
官報に掲載された情報がデータベース化され、それをもとに悪質な勧誘を受けることがあるため、注意が必要です。

個人情報の保護が強化された影響

官報は2025年4月より電子化され、同時に個人情報の保護も強化されました。
掲載される情報のうち、裁判所公告などプライバシーに配慮が必要な情報は、記事を画像化することで、テキスト抽出やテキスト検索が困難になっています。
公開期間も90日に限定され、それ以降は当該記事の閲覧やダウンロードもできません。

プライバシーへの配慮が必要な記事は、官報情報検索サービスによって記事検索することもできなくなりました。
そのため破産情報などを探す際には、ひと記事ずつ目視で調べることになります。
これにより、今まで以上に破産などの情報を他人に知られる可能性が低くなりました。
破産などの情報が悪質な業者に利用される可能性が少なくなる半面、金融機関などの与信調査に影響を与える可能性もあります。

まとめ

この記事では、官報に掲載される内容とその影響について解説しました。
官報には法律や政令など国や各省庁が広く国民に伝えたい内容や、企業や裁判所などが知らせたい内容が掲載されます。
個人の破産に関しては、氏名や住所といった個人情報も掲載されます。
無料で誰でも閲覧できるため、破産の情報が他人に知られてしまうリスクがあります。
しかし官報を日頃から確認している人は多くなく、その影響は限定的です。
債務整理などによって掲載されることに不安がある方は、弁護士までご相談ください。

自己破産できない場合もある?できない条件をわかりやすく解説

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借金がふくらんで返済が難しくなったとき、自己破産を行うと、返済を免除してもらえる可能性があります。
しかしお金を貸した側が損をするため、無条件に認めてもらえるわけではありません。
この記事では、自己破産ができない条件を解説します。

自己破産とは

自己破産とは債務整理の一種です。
裁判所に破産手続きの申し立てを行い、借金の返済を免除してもらいます。
生活に必要な最低限の財産以外はすべて差し押さえられ、現金に換えられて、お金を貸した人(債権者)へ平等に分配されます。
その後、返済しきれなかった借金について返済の免除が認められると、残った借金を返済する必要がなくなります。

自己破産するには、裁判所に破産や返済の免除を認めてもらわなければいけません。
場合によっては申し立てが却下されたり、返済の免除が認められない場合もあります。

自己破産できない条件

自己破産できない条件は以下の通りです。

  • 借金の返済が不可能とはいえない
  • 借金を作った理由が免責不許可事由に該当する
  • 予納金が支払えない

そのほか、自己破産により業務が行えなくなる職種や、自己破産しても支払いが免除されない債務もあります。

借金の返済が不可能とは言えない

借金の返済が不可能とは言えない場合、自己破産は認められません。
「一時的に失業していて返済が苦しい」といった理由だけでは、認められない可能性があります。
収入だけでなく、預貯金や所有している財産すべてを考慮しても、どうしても完済できる見通しが立たない状況でなければいけません。

そのため借金総額が少額の場合には、返済が困難であると認められないこともあります。
ただし、働くことが困難であり収入の目途が立たないなど、本人にとって返済が難しい金額であると証明できるのであれば、少額でも自己破産は可能です。
一般的には、借金の総額が年収の3分の1を超過していると認められやすくなります。

免責不許可事由に該当している

借金を負った理由に問題がある場合や、手続きに際して問題行動をとった場合には、返済の免除(免責)を認めてもらえない可能性があります。

たとえば、自分の収入を超える金額をギャンブルや趣味などに使用し、結果として借金を増やした場合には、免責が認められません。
そのほか、借金の返済が困難であるとわかっていながら借金を繰り返すなど、自分の利益のために債権者へ損害を与える行為を行っていた場合には、免責を認めてもらえない可能性が高くなります。
また、破産手続きを行うにあたり、自分の所有する財産を少なく申告するなど虚偽の情報を提出した場合にも、免責は認められません。

ただし免責不許可事由に該当していても、深く反省し、生活を立て直したいという姿勢が見える場合には、裁判所の判断により免責が認められることもあります。
自己破産を認めてもらうには、裁判所の調査を妨害したり指示に従わなかったりせず、手続きに協力的な姿勢をみせることが大切です。

ただし、これまでに自己破産や個人再生の経験がある場合、前回の免責から7年を超えていない場合には免責が認められません。
たとえ7年経過していたとしても、2回目以降は1回目よりも厳しく審理されます。
そのため、2回目以降の免責は認められづらくなります。

予納金が支払えない

予納金を支払えない場合には、破産手続きの申請ができません。
自己破産の手続きには費用がかかり、申し立ての際に裁判所へ前払いする必要があります。
所有する財産を現金に換えて、債権者へ分配する手続きをとる場合には、20万円以上の予納金が必要です。
所有する財産がほとんどなく、現金に換えて分配する手続きを行わない場合には、数万円の予納金を支払います。

そのほか自己破産ができない条件

特定の職業では、自己破産手続き中はその資格を行使できなくなります。
次のような職業が該当します。

  • 警備員
  • 宅建士
  • 公証人
  • 税理士

これらの職業は破産手続きが開始された際に届け出を行う必要があり、それによって資格の登録が取り消されます。
その後、免責が認められると、再びその資格の登録が可能になり、業務を再開できるようになります。
また、債務のなかには、支払いが免除されない債務もあります。

  • 税金
  • 健康保険料
  • 損害賠償
  • 雇用していた従業員の給料
  • 養育費

これらは免責の対象にならないため、破産後も支払い続けなければいけません。
この条件を総合的に考え、自己破産が適切かどうか判断する必要があります。

まとめ

この記事では、自己破産できない条件について解説しました。
自己破産は返済の目途がたたない状況でなければできません。
また、手続きに非協力的な場合は、返済の免除が認められない可能性もあります。
そのほか、破産の手続き中に資格を失う職業や、支払いが免除されない債務も存在します。
自己破産が適切かどうかの判断は、専門家である弁護士までご相談ください。

個人再生の手続きと流れを詳しく解説

債務整理

個人再生は債務整理の一種であり、借金返済の負担を大幅に軽減できる手続きです。
また、家を守りながら借金整理を進めたい人にとっては有効な選択肢となります。
本記事では、個人再生の手続きと流れについて詳しく解説します。

個人再生とは

個人再生とは、裁判手続きを利用した債務整理の一種で、借金の返済が困難になった場合に、全ての債権者に対する借金総額を減額し、その減額後の金額を原則として3年間で分割返済する計画を立てる手続きです。
この計画は、債権者の意見を考慮したうえで裁判所が認めた場合に実行され、計画通りに返済を進めることで、養育費や税金など一部を除く残りの債務が大幅に免除されるというメリットがあります。
また、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用することで、住宅ローンを継続して返済し、住宅を処分されないようにすることができます。
ただし、任意整理と異なり、すべての債務が手続きの対象となるため、車やバイクのローンが残っている場合は手放さなければならない可能性があります。
また、信用情報に個人再生の手続きを行ったことが登録されてしまうため、約5~10年間はクレジットカードの新規作成や新たな借り入れができなくなるというデメリットもあります。

個人再生の種類と利用条件

個人再生の手続きには、次の2種類があります。

A.小規模個人再生
B.給与所得者等再生

「小規模個人再生」は主に個人商店や個人事業主を対象とした手続きで、利用条件として負債総額(住宅ローンを除く)が5000万円以下であること、将来的に安定した収入の見込みがあることとなっています。
また、「給与所得者等再生」は一般的に会社員などのサラリーマンを対象としており、Aの条件に加えて収入が給料などで、その金額が安定していることなどがあります。
この2つの違いは、返済していく金額を決める基準と、債権者の同意の有無です。

個人再生手続きの流れ

それでは、個人再生の具体的な手続きと流れについて解説します。
手続きは裁判所を通じて行われますが、裁判所が定めた期間内に行う必要があり、積極的に財産状況を公開しなければならないなど手続きを主体的に進める必要があるため、多くは弁護士に依頼します。

1.受任

受任通知(債務整理について弁護士が介入したことを知らせるもの)をそれぞれの債権者へ発送し、以後の取り立てや返済を停止します。
また、受任通知と同時に取引履歴の開示請求を行い、債権の金額や内容を確認します。

2.債務状況の調査

債務や資産の状況を調査し、取引履歴をもとに借金の額を確定します。
このとき、過払い金が発生している場合は過払い金の返還請求を行います。

3.必要書類の準備と裁判所への申し立て

必要な書類は資産状況などによって異なりますが、おおむね次の通りです。

・申立書
・陳述書
・債権者の一覧表
・添付書類(給与明細、源泉徴収票、財産目録、戸籍謄本、住民票など)

申立書については、収集した書類をもとに弁護士が作成します。
申立書を居住している地域を管轄する裁判所へ提出し、同時に住宅ローン特則の利用希望があれば、その旨も申請します。

4.個人再生委員の選任と再生手続き開始決定

申し立て後、個人再生委員が選任されます。
個人再生委員が選任されるかどうかは裁判所によって異なりますが、手続きに精通した弁護士が選ばれ、債務者の収入や財産を調査したり、再生計画案の作成について必要なサポートをしたりします。
個人再生委員との面談や、再生計画の通りに返済が可能かどうかのテスト(履行テスト)を行った後、個人再生委員の意見を踏まえた上で裁判所が再生手続きの開始を決定します。

5.再生計画案の作成と提出

債権者や財産の変動などを調査し、債権額を確定した上で弁護士が再生計画案を作成します。
個人再生委員がいる場合はあらかじめ確認してもらい、裁判所に提出します。
再生計画案には提出期限があり、期限内に提出できないと事情に関わらず手続きが廃止となってしまうため注意が必要です。

6.債権者の決議と再生計画案の認可決定

債権者および裁判所が計画案を審査し、問題がなければ再生計画案が認可されます。
小規模個人再生では、裁判所からそれぞれの債権者に対して再生計画案と議決書が郵送され、書面による決議(給与所得者等再生では意見聴取)が行われます。
債権者の半数以上の反対がなく、かつ反対した債権者の債権額が全債権額の2分の1を超えていなければ可決となり、個人再生委員からの意見書などを踏まえ、裁判所が再生計画の認可を決定します。

7.認可決定の確定と返済開始

認可決定の約1ヶ月後に、認可決定が確定して効力を持ちます。
弁護士との契約は終了となり、認可決定が確定した翌月から再生計画に基づいた返済を開始します。
3年間で減額した借金を完済できれば、残りの借金返済の義務が免除されることになります。

まとめ

個人再生の手続きと流れについて詳しく解説しました。
個人再生は借金の大幅な減額が可能な救済制度ですが、債務整理にはさまざまな方法があるため、個人再生が自分にとって適切な選択肢であるかどうかを見極めることが重要です。
手続きも煩雑なため、最適な選択肢を検討するためにも早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

債務整理を弁護士に相談・依頼するメリットとは?安心して借金問題を解決するために

債務整理

借金問題に直面すると、解決方法が分からず不安を抱える方も多いかと思います。
債務整理は借金問題を解決するための有効な手段であり、弁護士に依頼することで安心して進めることができます。
本記事では、債務整理を弁護士に相談・依頼するメリットを詳しく解説します。

債務整理とは

まずは、債務整理とは何かについて説明します。

債務整理の種類

債務整理とは、裁判所に申し立てるなどして借金返済の負担を軽減し、支払計画を見直すための手続き全般を指します。
債務整理には、次の4つの種類があります。

  1. 任意整理
  2. 個人再生
  3. 自己破産
  4. 特定調停

この4つのうち、任意整理は裁判所を通さずに話し合いによって解決するものに対し、個人再生、自己破産、特定調停については、裁判所を通じて手続きすることで借金問題を解決します。
債務整理で対応できる借金の額に制限はなく、収入制限も特にありません。
また、未成年者や高齢者など年齢制限もないため誰でも利用することが可能ですが、状況に応じて4つの中から最適な方法を選択することが重要です。

債務整理の目的

債務整理は、借金返済の負担を軽減することで生活を立て直すことが目的です。
具体的には借金の元本を減らしたり、利息を減額、免除したりすることで毎月の返済が減ったり、なくなったりする可能性があります。
一方、債務整理を行うことで、借金の減額や免除を受けたという事実が信用情報機関に登録されるため、一定期間は住宅ローンを組んだり、クレジットカードを作成したりといったことが難しくなるというデメリットもあります。

弁護士に相談・依頼するメリット

ここからは、債務整理を弁護士に依頼するメリットについて解説します。
弁護士に依頼するメリットとして、次の3つがあります。

  1. 債権者との直接交渉を代行してくれる
  2. 手続きの専門知識を活用できる
  3. 個々の状況に応じた最適な方法を提案

1つずつ見ていきましょう。

1.債権者との直接交渉を代行してくれる

債務整理を弁護士に依頼することで、債権者との直接交渉を代行してもらうことができます。
弁護士に直接交渉を代行してもらうことで、依頼者は債権者からの督促や取り立てから解放され、生活の立て直しに注力することができます。
また、プロの交渉により、より有利な条件で債務整理が可能になる場合もあります。

2.手続きの専門知識を活用できる

債務整理には法的な手続きや書類作成が多いため、専門知識が必要不可欠です。
その点、弁護士は法律のプロであり、債務整理の手続きを弁護士に依頼することで、ミスを防ぎながらスムーズに進めることができます。

3.個々の状況に応じた最適な方法を提案

先述したように、債務整理には複数の選択肢があります。
弁護士に依頼することで、依頼者の状況に応じた適切な方法の提案が期待できます。
また、借金の額や収入状況に応じて、長期的に無理のない返済計画のアドバイスを受けることもできます。

弁護士に依頼する際の費用について

最後に、弁護士に依頼する際の費用についてご紹介します。

1.費用の種類

債務整理を弁護士に相談・依頼する場合の費用として、以下のようなものがあります。

  • 相談料
  • 着手金
  • 成功報酬
  • その他実費

相談料は法律相談にかかる費用で、1時間につき1万円程度が相場ですが、初回相談のみ無料という場合もあります。
また、着手金とは実際に依頼した場合の費用で、結果に関わらず基本的には返金されません。
成功報酬については、案件が解決した際の解決報酬、借金の減額に成功した際の減額報酬、過払い金の回収に成功した際の過払い金報酬などに分かれている場合があります。
その他実費については、必要書類の作成や取得、郵便代や弁護士の交通費などが含まれます。

2.費用が負担に感じる場合の対処法

弁護士費用がすぐに用意できない、支払えないといった場合でも、以下のような方法で対処できる可能性があります。

  • 特定調停を利用する
  • 法テラスの利用

特定調停とは、借金返済が困難な債務者が、簡易裁判所を介して債権者と話し合うことで借金を整理する手続きで、弁護士に依頼せずに申し立てることができます。
また、法テラス(日本司法支援センター)は国によって設立された法的トラブルを解決するための機関で、弁護士との無料相談が利用できるだけでなく、弁護士費用の一部や全額を立て替えてくれる制度があります。

まとめ

今回は、債務整理を弁護士に相談・依頼するメリットについて解説しました。
債務整理を弁護士に依頼することで、適切な手続きと借金問題の解決をはかることができるだけではなく、債権者の督促などから解放されて生活の立て直しに集中することができます。
借金問題を早期に解決し、生活を立て直す第一歩として、弁護士に相談することを検討してみてはいかがでしょうか。

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