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コラムカテゴリー: 交通事故

後遺障害認定に不満をもった場合の対応とは?

後遺障害認定に不満をもった場合の対応とは?

交通事故における後遺障害は、等級によって受けられる補償が大きく異なります。
今回は、後遺障害認定の結果に不満をもった場合の対応について解説します。

交通事故における後遺障害認定とは?

交通事故による怪我の治療を続けたにもかかわらず、これ以上治療しても症状の改善が見込めない状態を症状固定といいます。
この症状固定になった時点で身体に残ってしまった障害を後遺障害と呼びます。
後遺障害認定とは、自動車損害賠償保障法に基づいて、この後遺障害が労働能力の喪失につながるものとして、法律で定められた等級に該当するかどうかを審査し、認定する手続きのことです。
後遺障害の等級は、最も重い第1級から最も軽い第14級まで細かく分かれています。
後遺障害等級が認定されることにより、被害者は加害者側に対して後遺障害慰謝料や逸失利益を請求する権利を得ることができます。
逸失利益とは、後遺障害が残ったことによって、将来にわたって得られるはずだった利益(収入)であり、等級認定が示談交渉や裁判において賠償額を決定する際の重要な根拠となります。
認定の手続きは、加害者側の任意保険会社を通じて行うのが一般的ですが、被害者自身が直接、自賠責保険会社に申請することも可能です。

後遺障害認定が不満なら異議申し立てを行うべき

後遺障害認定を申請したにもかかわらず、非該当と判断されたり、予想よりも低い等級に認定されたりする場合があります。
認定結果に納得ができない場合、その決定に対して異議申し立てを行うことができます。
異議申し立てとは、1度くだされた審査結果について、その判断が間違っていることを主張し、改めて再審査を求める手続きのことです。
最初の審査で提出した資料が不十分であったり、症状の重さを正確に伝えきれていなかったりした場合に、新たな医学的資料や詳細な証拠を提出することで、より適切な等級認定を得られる可能性があります。

後遺障害認定の異議申し立ての流れ

異議申し立ての手続きは、請求者が新たな証拠を準備し、保険会社を通じて書類を提出し、再審査を受けるという段階を経て進められます。

書類を準備

異議申し立てを行うためには、最初の審査結果が不当であることを裏付けるための新たな書類を準備することから始めます。
最初の申請時には提出しなかったり、必要性が認識されていなかったりした資料が中心となります。
具体的には、事故後に受けてきた専門的な検査結果の画像や、新たな医師の意見書などが該当します。
単に同じ書類を提出しても結果は変わらないため、なぜ最初の判断が誤りであったのかを明確に示す資料が必要です。

後遺障害認定の異議申立書の作成

後遺障害認定の異議申立書は、審査結果に対する不服の理由や、提出する新たな証拠の内容、そして希望する等級を具体的に記載する文書です。
この書類では、医学的根拠や法的根拠に基づいて、後遺障害診断書の記載内容がなぜ不十分なのか、症状がなぜその等級に該当するのかを論理的に主張しなければなりません。
曖昧な感情論ではなく、提出する新たな証拠と症状との因果関係を明確にすることが、申立書作成において非常に重要になります。

保険会社に書類を提出

異議申立書と準備した新たな証拠書類一式を、自賠責保険を管理する損害保険料率算出機構に提出します。
通常は、加害者側の任意保険会社を経由して提出を行います。
提出後、申立書と証拠書類は損害保険料率算出機構の専門部署で審査され、再度の医学的な検討が行われます。

再審査

書類が提出されると、損害保険料率算出機構の再審査部門によって、資料の追加・変更点を含めた再検討が実施されます。
この再審査には、新たな資料の精査が必要となるため、最初の審査よりも時間を要する場合があります。
審査の結果、異議申し立てが認められれば、後遺障害の等級が変更・認定されることになります。
変更が認められなかった場合でも、再度、異なる根拠に基づいて異議申し立てを行うことが可能です。

後遺障害の異議申し立てを成功させるには?

異議申し立てを成功させるためには、単に再審査を求めるだけでなく、戦略的な準備を行うことが重要となります。

失敗した理由を分析する

最初の認定で希望する等級が得られなかった理由を、客観的に分析することが大切です。
認定機関が出した文書には、なぜその等級になったのか、または非該当となったのかの理由が記載されています。
たとえば、症状の医学的な裏付けが足りなかったのか、日常生活や労働への影響が具体的に示されていなかったのか、など、認定機関が重視した点を特定します。
この分析結果に基づき、新たな資料作成の方向性を定める必要があります。

再申請で提出する書類収集を行う

後遺障害認定の失敗理由を分析した後、不足していた証拠を補うための書類収集を行います。
画像鑑定書や、主治医以外の専門医によるセカンドオピニオンとしての意見書など、客観性と専門性の高い資料を集めることが、再審査で認められる可能性を高めることにつながります。

医師と打ち合わせる

異議申し立てを行う際には、主治医や診断書を作成する医師と密に連携を取ることが大切です。
弁護士が症状の法的な側面を医師に説明し、認定機関が求める医学的な記述を診断書や意見書に盛り込んでもらうよう、医師紹介を通じて依頼を行うことも有効な手段のひとつです。

まとめ

今回は、交通事故の後遺障害認定に不満をもった場合の対応について解説しました。
後遺障害認定の異議申し立てを認めてもらうには、失敗した理由を分析し、医療機関の協力を得て、さまざまな書類を収集しなければなりません。
自力で行うことは難しいため、弁護士に相談することをおすすめします。

交通事故による休業損害の計算方法と請求方法

交通事故による休業損害の計算方法と請求方法

交通事故で怪我を負った際、治療のために仕事を休んだことによる収入の減少分を補うのが休業損害です。
休業損害の計算には複数の基準があり、どの基準を適用するかによって受け取れる金額が大きく変わってきます。
適切な算定を行わないことで、本来受け取れるはずの休業損害額よりも少なくなってしまうことがあります。
この記事では、休業損害の基本的な計算方法と請求方法について解説いたします。

交通事故の休業損害とは?

交通事故による休業損害とは、交通事故で負った怪我の治療のために仕事を休んだことによって生じた、収入の減少分を補填する賠償金です。
この賠償金は、事故がなければ得られたであろう収入を保障することを目的としています。
休業損害の対象者は、給与所得者だけでなく自営業者や、主婦などの家事従事者も含まれます。
減収の対象期間は、事故日から治療終了日までです。
この休業損害は、加害者側の保険会社に請求することになります。

交通事故による休業損害の計算方法

交通事故による休業損害は、以下の計算式で算出されます。

■1日あたりの基礎収入額 × 休業日数

この計算式が休業損害を算出する上での基本となります。
1日あたりの基礎収入額は、事故前の収入をベースに計算され、休業日数は、怪我の治療のために実際に仕事を休んだ日数を指します。
正確な休業損害額を算出するためには、基礎収入と休業日数を客観的に証明することが不可欠です。

休業日数の算定方法

休業日数の算定は、怪我の治療のために実際に仕事を休んだ日数や、遅刻・早退した時間に基づいて行われます。
休業日として認められるのは、原則として医師の指示や治療のために休業が必要と判断された期間に限られます。
土日祝日などの元々休日の日については、その期間中に労働の意思と能力があったと認められれば、休業日数に含まれることがあります。
特に自営業者や主婦・主夫の場合、実際に仕事を休んだことを客観的に証明することが難しくなるため、詳細な記録が求められます。

基礎収入の算定方法

基礎収入の算定方法は、被害者の職業や収入形態によって異なります。
給与所得者、自営業者、そして主婦・主夫では、それぞれ異なる基準を用いて算出します。

自賠責基準

自賠責基準における基礎収入額は、原則として1日あたり6100円と定められています。
ただし、実際の収入がこの金額を上回ることを客観的に証明できる場合には、1日あたり最大19000円を上限として認められることがあります。
この基準は、自賠責保険が最低限の補償を目的としているため、3つの基準の中で最も低額になっています。
給与所得者、自営業者、主婦・主夫のいずれにも適用される統一的な基準です。

任意保険基準

任意保険基準における基礎収入額は、加害者側の任意保険会社が独自に定めている基準です。
この基準は、自賠責基準よりも高い金額が設定されていることが多いですが、具体的な計算基準は公開されていません。
被害者が保険会社と直接示談交渉を行う際に提示される金額は、通常この基準に基づいています。
多くの場合、実際の収入を基に算出されますが、その金額は後述する弁護士基準よりも低く抑えられる傾向があります。

弁護士基準

弁護士基準における基礎収入額は、過去の裁判例に基づいて算定される、最も適正な金額です。
裁判基準とも呼ばれ、被害者の事故前3ヶ月間の平均収入をベースに、より実態に即した金額が算出されます。
たとえば、給与所得者の場合は、事故前3ヶ月の平均給与額を1日あたりに換算した金額が基礎収入額となります。
この基準は、3つの基準の中で最も高額な金額となる傾向があり、弁護士に依頼することで適用が期待できます。

休業損害の請求方法

休業損害の請求は、まず加害者側の保険会社に連絡し、休業損害を請求する意思を伝えることから始まります。
給与所得者の場合は、勤務先に休業損害証明書を作成してもらい、保険会社に提出します。
自営業者の場合は、事故前の確定申告書の控えなどを提出します。
保険会社は、提出された書類を基に休業損害額を算定し、示談交渉を通じて支払います。 治療期間中、生活費に困る場合は、保険会社に休業損害の一部を内払いしてもらうことが可能です。

まとめ

交通事故による休業損害は、治療のために仕事を休んだことによる減収分を補填する賠償金です。
休業損害は、基礎収入に休業日数をかけて計算されます。
基礎収入の算定には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の3つの基準があり、弁護士基準が最も高額になる傾向があります。
適切な休業損害を受け取るために、休業損害の請求でお困りの際は、ぜひ弁護士にご相談ください。

交通事故の加害者が無保険だった場合の対処法

交通事故の加害者が無保険だった場合の対処法

交通事故に遭ったとき、加害者が自動車保険に入っていないケースもあります。
本来であれば、加害者の加入する任意保険によって被害者の損害は補償されます。
しかし無保険の加害者に対しては、被害者自身が別の方法で救済を求める必要があります。
今回は、交通事故の加害者が無保険だった場合の対処法を解説します。

そもそも無保険とはどういう状態か

無保険というのは、交通事故の加害者が任意保険に加入していない状態を指します。
日本では自動車を運転する場合、「自賠責保険」への加入が法律で義務付けられています。
つまり、「完全に保険がない」という状態は原則としてありません。
ただし自賠責保険だけではカバーできる範囲が限られており、被害者にとって十分な補償を受けられない可能性があります。

自賠責保険の補償内容

自賠責保険は、被害者の「人身事故」に対する最低限の補償を目的としています。
そのため、物損や車の修理代は補償されません。

  • 死亡による損害:最大3000万円
  • 後遺障害による損害:最大4000万円(等級により異なる)
  • 傷害による損害:最大120万円

重度の後遺障害や大きな治療費がかかる場合は、自賠責保険だけでは補いきれない可能性があります。

加害者が無保険だった場合の主な対処法

加害者が任意保険に入っていないとき、被害者が適切な補償を受けるためには以下のような方法があります。

  • 自分の保険を活用する
  • 自賠責保険に対して請求する
  • 自動車損害賠償保障事業を利用する
  • 加害者に対して損害賠償請求を行う

それぞれ確認していきましょう。

自分の保険を活用する

加害者に支払い能力がない場合や、交渉が難航する場合は、自身の自動車保険に含まれている「無保険車傷害保険」などの補償制度を利用するのがおすすめです。

  • 無保険車傷害保険
  • 人身傷害補償保険
  • 車両保険(対物)

無保険車傷害保険では、加害者が任意保険に未加入であり、なおかつ自賠責でも足りない場合に一定の補償が受けられます。

自賠責保険に対して請求する

加害者が加入している自賠責保険に対して、直接被害者が損害賠償を請求できます。
いわゆる「被害者請求」の制度で、加害者を通さずに保険会社に対して請求ができるのが大きな特徴です。

自動車損害賠償保障事業を利用する

加害者が自賠責保険にも加入していなかった場合、政府が運営している「自動車損害賠償保障事業(政府保障事業)」を利用する方法があります。
自動車損害賠償保障事業は、無保険車やひき逃げによって発生した事故の被害者を救済するための制度です。
補償内容は自賠責と同様で、請求の際に事故証明や治療明細などが必要です。
補償対象は、死亡・傷害による人身損害のみであり、物損は対象外となります。

加害者に対して損害賠償請求を行う

加害者に資産や収入がある場合、民事裁判などを通じて直接損害賠償請求をする方法もあります。
ただし実際に回収できるかどうかは、加害者の経済状況に大きく左右されます。
損害賠償請求をする場合は、弁護士を通じて適切な手続きを取るのが重要です。

弁護士に相談するメリット

交通事故のトラブルは、専門的な知識が必要な場面が多くあります。
加害者が無保険の場合、被害者が不利になりやすいのが現実です。
弁護士に相談するメリットとしては、以下の2つがあります。

  • 法律的なサポートが受けられる
  • 慰謝料請求の可能性を探れる

それぞれ解説します。

法律的なサポートが受けられる

弁護士は、法律のことだけではなく、関連する制度の内容も熟知しています。
弁護士に相談すれば、どの制度を使えばよいか、どこに請求するべきかといったアドバイスを受けられます。
また、加害者との交渉や裁判手続きの代理も可能です。

慰謝料請求の可能性を探れる

無保険の加害者でも、事故の内容や被害の程度によっては、慰謝料の請求が認められる場合があります。
その可否や見込み額に関しても、弁護士の判断を仰げます。

事故後にやるべきことの流れ

加害者が無保険と判明した場合、冷静に行動するのが重要です。
以下のような手順を参考にして対処を進めてください。

①警察への通報と事故証明の取得
②加害者の身元確認と保険状況の把握
③医療機関での受診と診断書の取得
④保険会社や弁護士への相談

それぞれのステップを解説します。

①警察への通報と事故証明の取得

まず、事故の発生直後には必ず警察に連絡し、事故証明を取得します。
証明がないと、自賠責保険や政府保障事業の請求ができません。

②加害者の身元確認と保険状況の把握

加害者の氏名・住所・連絡先の確認に加え、保険加入の有無や契約内容を確認しましょう。
保険証券や加入証明書などがあるとスムーズです。

③医療機関での受診と診断書の取得

事故直後は痛みがなくても、数日後に症状が出るケースがあります。
必ず医療機関を受診し、診断書などを取得しましょう。

④保険会社や弁護士への相談

自身の加入している保険会社に連絡し、補償内容の確認と利用可能な制度を相談します。
加害者との話し合いが難航する場合や、請求内容が複雑な場合は、弁護士の力を借りるのがおすすめです。

まとめ

今回は、交通事故の加害者が無保険だった場合の対処法について解説しました。
加害者が任意保険に加入していないと、被害者が必要な補償を受けにくくなる可能性があります。
対処法としては、自賠責保険の被害者請求や政府保障事業、自身の保険を活用するなど複数の救済手段があります。
法的な手続きが必要な場合は、弁護士などの専門家に相談してください。

過失割合に納得できないときの対処法

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交通事故に遭った際、保険会社から提示される過失割合に納得できない場合があります。
そのまま受け入れると、不利な条件で示談が成立する可能性があるため注意が必要です。
今回は、提示された過失割合に納得できない場合の具体的な対応方法を解説します。

そもそも過失割合とは?

過失割合とは、交通事故における当事者それぞれの過失(注意義務違反)の程度を数値化したものです。
たとえば、過失割合が「7:3」とされた場合、7割の責任がある側がより大きな損害賠償責任を負います。
事故の状況や証拠、過去の判例などをもとに判断されるケースが多く、最終的には当事者の合意によって確定します。

過失割合に納得できない理由とは

保険会社が提示する過失割合がすべて正しいとは限りません。
以下のような理由で、納得できないと感じるケースがあります。

  • 事故状況の理解に相違がある
  • 自分に不利な証拠だけが評価されている
  • 過去の判例との整合性が取れていない
  • 保険会社が交渉を急いでいるため説明が不十分

過失割合に納得できなくても、感情的にならず、冷静に対応してください。

過失割合に納得できないときの対応手順

提示された過失割合に同意できない場合、以下のような手順で対応します。

①事故状況に関する証拠を再確認する
②保険会社に説明を求める
③意見が食い違う場合は交渉を継続する
④弁護士に相談する

それぞれ確認していきましょう。

①事故状況に関する証拠を再確認する

まずは、自分が把握している事故状況を改めて整理し、客観的な証拠を揃えてください。
たとえば、以下のような資料が役立ちます。

  • ドライブレコーダーの映像
  • 現場の写真や見取り図
  • 警察が作成した実況見分調書
  • 目撃者の証言や連絡先

過失割合に納得ができない場合、基本的に相手の保険会社と交渉することになります。
証拠の内容によっては、保険会社の判断を覆す材料となる場合もあるため、徹底的に情報収集を行いましょう。

②保険会社に説明を求める

事故状況に関する証拠を再確認できたら、実際に相手の保険会社との交渉に入ります。
過失割合の根拠があいまいな場合、保険会社に対して「どのような基準で判断されたのか」を説明してもらいます。
参照した判例や過失割合の基準(判例タイムズなど)を尋ねて、合理性を確認してください。

③意見が食い違う場合は交渉を継続する

過失割合は、双方が納得し、合意したうえで成立します。
そのため、納得できないまま合意する必要はありません。
保険会社との話し合いで、自身の主張や証拠を提示し、再評価を促してください。

④弁護士に相談する

「交渉が進展しない」「不利な内容を強く押し付けられている」と感じた場合は、交通事故に詳しい弁護士への相談を検討します。
弁護士は法律的な観点から過失割合を検討し、必要に応じて示談交渉の代理や訴訟対応も行ってくれます。

過失割合の交渉を弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼するメリットは、以下の通りです。

  • 適正な割合を主張できる
  • 保険会社の主張に対抗できる
  • 交渉ストレスを軽減できる
  • 裁判に発展しても対応できる

それぞれ詳しく解説します。

適正な割合を主張できる

過失割合の判断には、判例や事故状況に関する高度な知識が必要です。
弁護士はドライブレコーダーの映像や警察の実況見分調書などを精査して、依頼者にとって不利益にならないよう考えてくれます。
また、過去の事例や「判例タイムズ」などの基準を参考にし、適正な過失割合を主張してくれます。

保険会社の主張に対抗できる

保険会社は営利企業であるため、示談交渉では自社に有利な過失割合を提示する傾向があります。
しかし弁護士が介入すると、その場で不当な割合に対して明確な反論ができ、一方的に不利な内容を押し付けられるリスクが軽減されます。
相手側としても、弁護士が対応しているとなれば、軽視するような対応は取りにくいでしょう。

交渉ストレスを軽減できる

交通事故後は、被害者はもちろんのこと、加害者側も気が動転してさまざまなストレスを抱えます。
そうした状態で保険会社との交渉を続けると、精神的な負担がより大きくなるかもしれません。
弁護士に依頼すれば、交渉に関わる必要がなくなるため、自分の生活に集中できます。

裁判に発展しても対応できる

示談交渉で解決に至らず、最終的に裁判へ進むケースもあるかもしれません。
弁護士に依頼していれば、交渉から訴訟まで一貫してサポートを受けられます。
たとえば証拠の収集・整理、主張書面の作成、法廷での弁論なども安心して任せられます。
交通事故案件に精通した弁護士であれば、裁判例や損害算定の実務にも強いため、裁判を通じてより有利な判決を引き出せる可能性があります。

過失割合の話し合いで注意すべきポイント

今回の内容を総括する形になりますが、過失割合をめぐるやりとりでは、以下の点に注意して対応してください。

  • 感情的にならず、事実と証拠を軸に交渉する
  • 保険会社の提示にすぐに同意せず、納得できるかどうかを確認する
  • 専門家の意見を取り入れることをためらわない

一度合意すると、基本的に過失割合を後から変更するのは困難です。
示談書に署名する前に、専門家の判断も仰ぎつつ、本当に納得できる数字かどうかを判断してください。

まとめ

今回は、提示された過失割合に納得できない場合の対応方法について解説しました。
過失割合は損害賠償額に直結するため、不合理な割合を受け入れてしまうと大きな不利益を被るおそれがあります。
客観的な証拠をもとに保険会社と交渉を重ね、必要に応じて弁護士の力を借りながら、自身にとって適切な条件での解決を目指すことが重要です。

電動キックボードでの事故を未然に防ぐには

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電動キックボードは手軽に利用でき、便利な乗り物です。
しかし公道を走る場合には歩行者や自動車などと事故を起こす可能性もあり、安全には気をつけて乗車しなければいけません。
この記事では、電動キックボード利用時の事故を未然に防ぐために必要なことを解説します。

電動キックボード

道路交通法上、電動キックボードは車両に該当します。
運転する電動キックボードの種類によって原付免許が必要な場合と不要な場合があり、不要な車種は16歳以上であれば誰でも運転可能です。
どちらの場合も、交通ルールを守って運転する必要があります。
原付免許を必要とする車種は車道のみ走行可能ですが、免許不要の車種は自転車道も走行できます。
さらに一定の条件を満たした場合、歩道を走行できる場合もあります。

電動キックボードで起こりやすい事故

電動キックボード利用中は単独事故を起こしたり、歩行者や自動車などと接触事故を起こしたりすることがあります。
電動キックボードはタイヤが小さく、路面の影響を受けやすい構造です。
立ったまま利用するため重心も高くなり、異物や体重移動によって転倒しやすくなります。
歩道走行中にバランスを崩すと、通行人に危害を加えてしまう恐れもあります。
車道走行中には自動車の左折時に巻き込まれたり、ほかの軽車両と接触したりといった事故を起こすこともあります。

電動キックボードでの事故を防ぐために必要なこと

事故を防ぐために一番重要なことは、交通ルールを守ることです。
近年シェアサービスが充実し、免許不要で手軽に利用できるようになった反面、交通ルールを十分に理解しないまま乗車してしまうケースも少なくありません。
まずは交通ルールを正しく把握し、安全に乗車してください。

重要な交通ルール

免許がなくても利用できる電動キックボードですが、交通ルールに違反した場合は罰則を受けます。
たとえば電動キックボードは車両の一種であり、飲酒運転はできません。
お酒を飲んだ時には利用しないでください。
飲酒運転の罰則は厳しく、5年以下の拘禁刑、または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

走行できる場所にも決まりがあります。
電動キックボードは原則として道路の一番左側を走行しなければいけません。
そこがたとえ左折レーンであったとしても、そのレーンの左端を走行し、そのまま直進していきます。
一時停止の標識がある場所では停止線の手前で停止し、左右を確認します。
信号や標識などを見落とさないよう注意してください。

また、右折したい場合は二段階右折という方法で右折します。
車道の右折レーンに入って一度に右折するのではなく、交差点を2回に分けて横断し、右折する方法です。
まずは交差点を直進して1回目の横断をします。
その後進路を右に変え、交差点を直進することで2回目の横断をし、右折完了となります。

歩道や横断歩道でのルール

一部の車両では歩道を走行できますが、どのような歩道でも自由に走行できるわけではありません。
走行できるのは、自転車での通行が認められている歩道のみです。
さらに、最高時速が時速6km以下となる機能を利用し、最高速度表示灯を点滅させながら走行しなければいけません。
走行中、標識に従う際には、自転車や軽車両に対する標識を確認します。
歩道を走行する際には歩行者を優先し、通行を妨害するような走行をしてはいけません。

歩道を走行できない車種で歩道や横断歩道を利用したい場合は、キックボードから降り、手で押して歩いてください。
手で押して歩いている間は歩行者扱いになります。

その他のルールや気を付けるべきこと

上記以外にも沢山の交通ルールが存在します。
たとえば電動キックボードの定員は1人であり、2人乗りはできません。
車両を運転する際には安全に配慮する必要があり、危険な行為は禁止です。
スマホを見ながらの運転や、傘を差しながらの運転はいけません。
もっとも、雨天時の利用は法律違反ではありませんが、路面の影響を受けやすいため、事故を防ぐためにも雨天時は運転しない方が安心です。

走行時にイヤホンなどを利用することも危険です。
イヤホンなどで耳をふさぎ外部の音を遮断していると、背後から接近する車に気づけず事故につながる恐れがあります。
都道府県ごとの条例で禁止されていることもあるため、音楽を聴きながらの運転は避けてください。

まとめ

この記事では電動キックボードでの事故を未然に防ぐために必要なことを解説しました。
事故を防ぐには、交通ルールを守ることが大切です。
電動キックボードは自転車などと同じように扱われ、ルールを守らない場合には罰金などを科される可能性もあります。
ただし、どれだけ正しく利用していても、事故のリスクがゼロになるわけではありません。
電動キックボード利用時に事故を起こしてしまった場合には、弁護士までご相談ください。

電動キックボードで交通事故にあってしまったときの対応

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電動キックボードは近年新しく普及してきた乗り物です。
小型で簡単に乗れるため便利な反面、事故が起こった際の対応が難しい面もあります。
この記事では、電動キックボードで交通事故にあった際の対応について解説します。

電動キックボードとは

電動キックボードはモーターの付いたキックボードです。
道路交通法では自転車やバイク、自動車と同じく、車両に該当します。
電動キックボードはその規格に応じて、次の3つに分けられます。

  • 一般原動機付自転車
  • 特定小型原動機付自転車
  • 特例特定小型原動機付自転車

一般原動機付自転車に該当する電動キックボードを運転する際には、原付免許が必要です。
特定小型・特例特定小型に該当する電動キックボードは、16歳以上であれば免許不要で運転できます。
ただし免許が不要であっても、交通ルールは守らなければいけません。

規格ごとの主な交通ルール

電動キックボードは、自賠責保険の加入やナンバープレートの装着が義務付けられています。
そのほか、一般原動機付自転車に該当する電動キックボードは車道のみ走行可能ですが、特定小型原動機付自転車は自転車道の走行も可能です。
さらに特例特定小型原動機付自転車に該当する場合は、一定の条件を満たした場合、一部の歩道も走行できます。
運転する車両の規格を把握し、規格に応じた交通ルールを守ってください。

電動キックボードによる交通事故

電動キックボードは車両の中でもバランスを崩しやすく、転倒しやすい特徴があります。
自損事故だけでなく、被害者にも加害者にもなる可能性があります。
車道走行時には自動車に接触する可能性もあり、大きな事故を起こしかねません。

電動キックボード使用時に交通事故にあった場合も、その他の交通事故と同様の対応が必要です。
まずは警察へ連絡したり、けが人を搬送したりといった基本的な対応をしてください。
保険に加入している場合には保険会社へ連絡し、その後の対応を相談します。
また電動キックボードのレンタルサービスを利用していた場合には、レンタル事業者への連絡も必要です。

自損事故や被害者になった場合

操作を誤って自損事故を起こすことや、交通事故の被害者になることがあります。
事故を起こした時には、たとえ自覚症状がなかったとしても、病院で診察を受けておくことが大切です。
むち打ち症などの場合、あとから痛みが出てくることもあります。

事故の被害者になると、事故の相手に治療費や慰謝料などを請求できます。
自損事故の場合も、加入している保険によっては、治療費などが支払われる可能性があります。
治療費の請求の際には医師の診断書が必要です。

誰かに怪我をさせた・物を壊してしまった場合

誰かにけがを負わせたり、何かを壊したりしてしまった際には、相手の損害に対して自分の過失に応じた分の賠償金を支払わなければいけません。
電動キックボードを利用する際には自賠責保険の加入が義務付けられていますが、自賠責保険で支払われるのは相手の怪我に対する補償のみです。
壊してしまった物の賠償は補償されません。

自賠責保険でまかないきれない賠償金は、任意保険でまかなえます。
任意保険に加入していない場合には自分で賠償金を支払うことになるため、自動車やバイクと同様、任意保険へ加入しておくと安心です。

過失割合でもめる可能性がある

支払う賠償金の額は、過失割合によっても変動します。
過失割合とは、どちらの行動にどれだけ悪い部分があったのかを示す割合です。
一般的な自動車事故では、事故の状況に応じて基本的な過失割合が決まっています。
過去の似たような事故の裁判例と照らし合わせ、道路交通法違反の有無などを考慮しながら、適切な過失割合を導き出します。

しかし電動キックボードによる事故の場合、過去の電動キックボードによる事故の事例が少なく、判断基準が明確ではありません。
電動キックボードは原動機付自転車に該当しますが、一部の車両は免許不要で運転できたり、走行場所が自転車と同様だったりします。
単純にバイク事故の事例を参考にすれば良いというものではなく、慎重に判断しなければいけません。

基本的な過失割合が明確ではないぶん、事故の相手方は自身が有利になるような主張をする可能性が高くなります。
参考にできる裁判例も少ないことから、交渉が難航する可能性も高くなります。
そのため、弁護士に交渉を依頼することが有益です。

まとめ

この記事では電動キックボード利用中に交通事故を起こした際の対応について解説しました。
電動キックボードは原動機付自転車に該当しますが、一定の条件を満たせば、運転免許がなくても運転できます。
交通事故後の対応は一般的な交通事故と変わりません。
しかし過失割合を決める際には、前例が少ないため、交渉が難航する恐れがあります。
電動キックボード利用時に交通事故を起こしてしまった場合には、弁護士へご相談ください。

交通事故により受け取れるお金の種類

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交通事故の被害にあったとき、加害者側から金銭を受け取ることが可能です。
被害の状況に応じて、治療費や慰謝料など、さまざまなお金を受け取れます。
この記事では、交通事故の被害にあったときに受け取れるお金について解説します。

交通事故によって発生した損害の賠償

交通事故によって受けた損害を補填するため、加害者側から金銭を受け取れます。
たとえば治療のためにかかった費用は、その実費を受け取ることが可能です。
事故にあったことによる精神的苦痛など、金銭的な損害以外に対しても、金銭での補填を受けられます。

受け取れる金額に差が出ることもある

治療費や修理代は実費で支払われますが、精神的苦痛に対する慰謝料は、金額の判断が簡単ではありません。
慰謝料の額は、どの算定基準を用いるかによっても変わります。
たとえば保険会社が独自に設定している算定基準では、弁護士が採用している算定基準よりも低くなることが一般的です。
弁護士へ依頼して相手方と交渉することで、法的に適正な額の慰謝料を受け取れる可能性が高くなります。

受け取れるお金の種類

交通事故によって受け取れる金銭には次のようなものがあります。

  • 物損や人身傷害に対する実費の補填
  • 精神的苦痛に対する慰謝料
  • 後遺障害や逸失利益に対する補填

物損や人身傷害に対する実費の補填

事故によって破損した自動車などの修理費や、怪我をした際の治療費は、かかった費用の実費が補填されます。
ただし、医学的な必要性や合理性のない治療費などは補填されません。
医師の指示がない状態で利用した整体やマッサージの費用は、治療費として認められない可能性があるため注意してください。

治療費そのものだけでなく、治療のために必要となった費用も補填されます。
車いすなどの器具や装具が必要となった場合には、その購入費やレンタル費用が支払われます。
通院にかかる交通費も補填の対象です。
電車やバスの運賃は、常識の範囲内で支払いが認められます。

ただしタクシーを利用した場合は注意が必要です。
タクシーの費用は電車などに比べて高額であり、タクシーを利用しなければいけなかった合理的な理由がない場合には、認められない可能性があります。
自家用車を利用した際には、ガソリン代や駐車料金などが補填の対象となります。

入院が必要となった場合、実際の入院費のほか、入院に必要な日用品などの購入費用も損害として認められる可能性があります。
入院や通院時、怪我の程度や被害者の年齢などによって付き添いや介助が必要となった場合には、付き添い介護費が支払われることもあります。

精神的苦痛に対する慰謝料

交通事故によって負った精神的苦痛に対する慰謝料も受け取れます。
怪我によって通院や入院が必要となった場合、入通院に対する慰謝料を受け取れます。
通院が必要になってから、完治または症状が固定するまでの期間に対して支払われます。
症状の固定とは、治る見込みがない状態のことです。

症状が固定し、後遺障害と認められた場合、後遺障害に対する慰謝料も受け取れます。
後遺障害に対する慰謝料の額は、後遺障害認定の等級によっても変わります。
重い障害が残るほど慰謝料も高額になります。

万が一事故によって被害者が亡くなった場合、亡くなった本人の苦痛に対して死亡慰謝料が支払われます。
死亡慰謝料の受取人は相続人です。
また、被害にあった方の近親者の精神的苦痛に対して、近親者慰謝料が支払われることもあります。

後遺障害や逸失利益に対する補填

逸失利益とは、事故にあわなければ受け取れたであろう将来的な利益のことです。
事故で亡くなったり、後遺障害が残ったりすると、健康なときのように働けなくなります。
その補填として、事故前の収入をベースに、失われた労働能力から逸失利益を計算します。
専業主婦(主夫)や学生など収入がなかった方も、平均賃金をもとに逸失利益が支払われます。

事故によって仕事を休まなければならなくなったときには、休業損害に対する賠償を受け取れます。
専業主婦であっても家事という労働に従事していると考えられるため、休業損害賠償の対象です。

後遺障害が残った場合、将来発生する介護費についても補填されます。
要介護認定を受けた際には原則として将来介護費が認められ、要介護認定を受けなかった場合でも介護の必要性が認められる際には支払われます。
自宅のバリアフリー化や、介護用ベッドや介護用自動車の購入費も補填されます。

まとめ

この記事では、交通事故の被害にあった際に受け取れるお金について解説しました。
怪我の治療にかかる実費のほか、被害にあったことによる精神的苦痛に対する慰謝料も受け取れます。
怪我によって働けなくなった場合には、休業損害や将来的に得られるはずだった利益も補填されます。
ただし、法的に妥当な金額を受け取るには、弁護士による交渉が欠かせません。
交通事故の被害にあわれた場合には、弁護士までご相談ください。

交通事故であとから痛みが出てきたときの対処法

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交通事故によって怪我を負った場合、事故直後は症状を感じなかったとしても、あとから症状を感じることが少なくありません。
事故直後に病院を受診せず、保険会社にも「怪我はない」と伝えていた場合、あとから症状が出てきた際には、どのように対応するべきでしょうか。
この記事では、交通事故であとから痛みが出てきたときの対処法について解説します。

事故から数日後に痛みを感じることもある

交通事故にあったとき、あとから身体の異変を感じることがあります。
たとえば、むちうち症は外部に目立った症状が現れず、一見すると無傷のように見えます。
怪我を負った本人も事故直後は興奮状態にあり、痛みを感じないことが少なくありません。
そのため、その場では「怪我なし」として、対応するケースがあります。
しかし事故から時間が経ち、興奮状態が落ち着いてくると、症状を感じ始めることがあります。

事故と症状の因果関係

事故によって怪我を負ったときには、加害者に治療費や慰謝料などを請求できる可能性があります。
しかし、そのためには症状と交通事故の因果関係が認められなければいけません。
ただし事故から時間が経過すると、症状と事故の因果関係が認められづらくなります。
そのため痛みが出はじめたときには、早めに行動する必要があります。

あとから痛みが出たときにやるべきこと

交通事故後、あとから症状が出始めた場合にやるべきことは以下の通りです。

  • 速やかに病院を受診する
  • 双方の保険会社へ連絡する
  • 物損事故から人身事故へ切り替える
  • 医師の指示に従い通院する

速やかに整形外科を受診する

まずは速やかに医療機関を受診することが大切です。
痛みを放置し、適切な治療を行わないでいると、症状が悪化する恐れがあります。
身体の内部だけに異常がある場合、外から見ただけでは異常に気付けません。
レントゲンなどの検査を受けると、内部の異常を見つけられます。

保険会社や警察に対応を依頼する際には、診断書の提出を求められます。
診断書の作成は医師にしかできないため、受診の際は整骨院ではなく、整形外科など医師が在籍する病院を選んでください。
また、事故から初診までに時間がかかると、怪我が事故によるものか判断できなくなる恐れがあります。
とくに事故発生後2週間以上経過してから初めて受診した場合、その症状が事故を起因としたものと認められなくなる可能性が高くなります。
少しでも違和感を覚えた際には、念のため受診しておくと安心です。

さらに、怪我を負った日から時間が経過するほど、怪我が治り始める可能性が高くなります。
検査の結果、事故当時よりも軽い怪我として診断されることとなり、その分請求できる慰謝料が少なくなります。
早めに受診すれば怪我の程度を正しく診断でき、それに見合った慰謝料の請求が可能です。

保険会社や警察署へ連絡する

自分の加入する保険会社と、相手の加入する保険会社への連絡も必要です。
すでに物損事故としての手続きが始まっている場合、人身事故に切り替えなければ、治療費が支払われないなどのトラブルにつながります。

保険会社に人身事故として対応してもらうには、警察への届け出を物損事故から人身事故に切り替えなければいけません。
事故当時に担当してくれた警察署に切り替えを申請し、必要な手続きを行ってください。
ただし、事故発生から時間が経過するほど切り替えが受理されづらくなります。
警察署により異なりますが、事故発生からおおむね10日以内に申請する必要があるとされます。

人身事故として処理されると、人身事故の記載のある事故証明書を取得できます。
これを保険会社へ提出することで、保険会社に人身事故として対応してもらえます。
もしも警察に切り替えを認めてもらえなかった場合には、保険会社に「人身事故証明書入手不能理由書」を提出することで、人身事故として対応してもらえる可能性もあります。

医師の指示に従って通院する

初診後は、医師の指示に従い適切に通院します。
勝手に通院をやめると、損害賠償請求の際に不利になる場合があります。
万が一症状が固定し、後遺障害が残るような状況になったときには、後遺障害の認定を受けることになります。
後遺障害の等級は医師が作成した診断書の内容によって判断されるため、医師の指示通り通院し、治療や症状の記録を残しておく必要があります。

まとめ

この記事では、交通事故であとから痛みが出てきたときの対処法について解説しました。
痛みや違和感を覚えたときは、すぐに病院を受診することが大切です。
適切な対応を取らずにいると、症状が悪化するだけでなく、本来得られるはずだった損害賠償を請求できなくなる可能性があります。
とくに、事故発生から初診までの期間が長くなるほど、保険会社との交渉も難しくなります。
交通事故後、あとから症状が出てきた場合には、専門家である弁護士までご相談ください。

交通事故における慰謝料の種類とは

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交通事故に遭うことは、被害者にとって身体的な苦痛だけでなく、精神的な負担も大きなものとなります。
この精神的苦痛に対して支払われるのが「慰謝料」ですが、その種類や金額の計算方法にはさまざまな違いがあり、正しい知識を身につけることで、適切な補償を受けられる可能性が高まります。
本記事では、交通事故における慰謝料の種類について具体的に解説します。

交通事故における慰謝料とは

交通事故における慰謝料とは、被害者が事故によって受けた精神的な苦痛を補償するために支払われる金銭(損害賠償金)のことを指します。
交通事故により怪我を負ったり、後遺症が残ったり、最悪の場合は死に至ったりすることで、被害者や遺族は大きな不安や恐怖など、精神的な負担を抱えることになります。
民法第709条において、「故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害した者は、その結果生じた損害を賠償する責任を負う」と定められており、この規定に基づいて被害者の精神的苦痛を金銭的に補填する仕組みが慰謝料なのです。
また、慰謝料は精神的な苦痛に対する補償であるため、治療費や物的損害の補償とは別に請求することが可能です。

交通事故における慰謝料の種類

それでは、具体的に交通事故における慰謝料の種類をご紹介します。
事故に遭った場合に請求できる慰謝料は、次の3種類に分けることができます。

  1. 入通院慰謝料
  2. 後遺障害慰謝料
  3. 死亡慰謝料

1つずつ詳しく見ていきましょう。

1.入通院慰謝料

入通院慰謝料は、入院や通院による精神的苦痛に対する補償です。
入院や通院の期間に応じて支払われるのでこのように呼ばれますが、被害者が怪我を負うと発生するものなので、治療を行えば請求することができます。
ただし、入院や通院により治療を受けた場合に限って認められるものなので、怪我をしても病院に行かなければ支払いは受けられません。
入通院慰謝料の金額は、通院頻度や治療期間、症状固定(治療を継続しても症状の改善が見込めない状態)までの状況などが考慮されます。

2.後遺障害慰謝料

次に、後遺障害慰謝料とは交通事故により後遺障害が残った場合の補償です。
「後遺障害」とは、後遺症の中でも交通事故が原因と証明され、労働能力が低下(喪失)した状態を指し、部位や程度によって等級に分類されています。
後遺障害が残ると、被害者はその障害を抱えて生きていかなければならないため、入通院慰謝料とは別に請求することができます。
後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害の等級を基準として算定されます。

3.死亡慰謝料

死亡慰謝料は、交通事故により被害者が死亡した場合の慰謝料です。
死亡した本人が受けた精神的苦痛と遺族(配偶者、子ども、親など)が受けた精神的苦痛は別のもと考えられており、それぞれに請求する権利があります。
死亡慰謝料の金額は、被害者の年齢や職業、家族構成、扶養家族の有無などが考慮されます。

慰謝料の算定基準と金額の違い

慰謝料の算定には、以下の3つの基準があります。
どの基準を採用するかによって金額が大きく変わるため、注意が必要です。

・自賠責基準…国が定める基準
・任意保険基準…任意保険会社が交渉に用いる基準
・弁護士基準…弁護士や裁判所などが交渉に用いる基準

任意保険に加入していて保険会社を通じて慰謝料を請求する場合は、自賠責基準や任意保険基準が適用されることが一般的です。
自賠責基準は、国の定める基本的な対人賠償を目的としているため最も支払い額が低く、任意保険基準も保険会社によって差があり、弁護士基準より低い傾向にあります。
一方、弁護士基準は過去の判例に基づいて算定されるため、実際の被害に見合った慰謝料が支払われる可能性が高くなります。

慰謝料請求の流れ

慰謝料を請求する場合、基本的には以下のような流れになります。

  1. 入通院による治療と必要な書類の準備(事故証明書、診断書など)
  2. 怪我が完治しない場合は後遺障害の申請
  3. 示談交渉

示談交渉は、基本的に相手方の保険会社と行うことになります。
相手方から損害賠償額(示談金)の提示があり、納得がいかない場合は交渉を重ねるという流れです。

慰謝料請求には時効がある

最後に、慰謝料請求で注意すべきことをご紹介します。
交通事故の慰謝料請求には時効が存在します。
事故の態様によって起算日が異なりますが、人身事故の場合は事故の翌日から、後遺障害がある場合は症状固定から、死亡事故の場合は死亡した翌日から起算して5年間と定められています。
時効が成立すると慰謝料を請求することができなくなるため、示談交渉が長引く可能性がある場合には、時効を中断する手続きをとるなど、対策を講じる必要があります。

まとめ

交通事故における慰謝料の種類について解説しました。
交通事故の慰謝料には3つの種類があり、金額は基準や状況によって大きく変わるため適切な手続きを踏むことが重要です。
請求や交渉は専門家の力を借りることで、有利に進められる場合があるので、早めに弁護士へ相談してみてはいかがでしょうか。

交通事故の加害者がすべき対応とは?法的手続きや被害者対応のポイントを解説

交通事故

交通事故は誰にでも起こり得るトラブルであり、加害者になってしまう可能性があります。
加害者として適切な対応を取ることが、被害者への誠意を示すだけでなく、自身の法的リスクを軽減する重要なポイントになります。
本記事では、交通事故を起こしてしまった際に取るべき行動とその注意点を詳しく解説します。

【初期対応】事故直後にすべきこと

まず、交通事故の直後に加害者がすべき初期対応を説明します。
対応を怠ると、被害者への損害賠償額が大きくなったり刑事罰が重くなったりするため注意が必要です。

1.負傷者の救護と安全確保

交通事故を起こしたら、まずは直ちに運転を停止し、負傷者の有無を確認します。
二次被害を防止するため車を安全な場所に移動し、道路上に停車した場合にはハザードランプや発煙筒、三角表示板などを使用して周囲に注意を促します。
負傷者がいる場合はすぐに救護、救急車を呼び、応急処置を行う場合は被害者の状態を悪化させないよう慎重に対応しましょう。
被害者に目立った外傷が見当たらない場合でも、外からは見えない場所を負傷している恐れがあります。
負傷者の救護は道路交通法で義務づけられており、加害者の判断で救護の必要はないとしてその場を立ち去ると、救護義務違反(ひき逃げ)として刑事罰を受ける可能性があるため、十分な注意が必要です。

2.警察への報告

事故の大小にかかわらず、必ず警察に通報しましょう。
負傷者の救護同様、事故を起こしたら必ず警察へ報告することが義務づけられており、報告しなかった場合は3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性があります。
通報時には、以下の内容を正確に伝えます。

  • 事故が発生した日時と場所
  • 死傷者の数と負傷の程度
  • 損壊した物と損壊の程度
  • 積載物
  • 事故について講じた措置

警察が到着した後は、実況見分や聞き取り捜査に協力します。

3.情報交換と証拠保全

被害者と連絡先の交換をし、保険情報を伝えます。
決してその場で解決しようとせず、冷静にやり取りしましょう。
また、可能であれば事故現場の写真を残しておきます。
たとえば、信号の有無や見通しなどの道路状況、車両や周辺の破損状況などの写真を撮っておくと、証拠として損害賠償の額に影響する可能性があるためです。
また、目撃者がいる場合はその方の住所や氏名、連絡先、目撃内容などをメモしたり、録音したりしておくことも重要です。

4.保険会社への報告

事故の初期対応が終わったら、自身が加入している保険会社に連絡します。
連絡の際には、以下の内容を伝えることでスムーズな対応が可能となります。

・契約者情報と保険証券の番号
・事故日時と詳細
・双方の車両の損傷程度および負傷の程度
・病院名

【被害者対応】誠意を持った対応の重要性

次に、被害者に対して加害者としてすべきことをご紹介します。

1.被害者へのお見舞いと謝罪

被害者が怪我を負った場合は、謝罪の意味を込めてお見舞いに行きます。
謝罪する際は責任を認めすぎない、事実を冷静に伝えるといったことが大切であり、加害者として真摯に謝罪し、被害者の心情に寄り添うことが重要です。
ただし、お見舞いに行く場合は自身の保険会社などを介して事前に確認し、拒否された場合は無理に行くことのないようにしましょう。

2.被害者との適切なコミュニケーション

加害者が被害者に支払う損害賠償金や慰謝料の額は、示談交渉によって決まります。
また、示談交渉については、自身が加入する任意保険の担当者が行ってくれることが基本ですが、必要な情報やサポートを提供するなど、被害者との適切なやり取りを心がけることが重要です。
保険会社に任せ切りにするなど、不誠実な対応は示談交渉に影響を与える場合があるため、丁寧な対応を意識しましょう。

交通事故の加害者が直面する責任

最後に、交通事故の加害者が直面する3つの責任について解説します。

1.民事責任

民事責任とは、他人の権利や利益を不法に侵害した者(加害者)が、被害者に対して損害を賠償する法律上の責任です。
具体的には、加害者が被害者の治療費や修理費、慰謝料などの損害を賠償しなくてはなりません。

2.刑事責任

重大な過失がある場合は、刑事責任が問われる可能性があります。
刑事責任とは、犯罪行為に対して刑罰などの制裁を受ける法律上の責任で、民事責任や行政責任と比較して、違法行為に対する法的制裁としては最も強力な制裁とされています。
具体的には、運転ミスなどによる人身事故の場合は「過失運転致死傷罪」、飲酒運転や信号無視など悪質な運転による場合は「危険運転致死傷罪」が問われます。

3.行政責任

行政責任とは、ある行政行為の結果として、人や物、自然などの環境に損害や被害が生じ、それが法的または社会的な基準から許容できないと判断される場合、その行為に対する法律上の責任を指します。
具体的には、事故の種別、責任や負傷の程度に応じて違反点数が加算され、所定の点数に達すると運転免許の停止や取り消しなどを受けます。

まとめ

交通事故は予期せぬ出来事ですが、加害者として適切な対応をとることで、被害者とのトラブルや法的責任を最小限に抑えることができます。
法律の知識を正しく理解し、保険会社や専門家のサポートを活用することが重要と言えます。
加害者として対応に不安がある場合は、早めに弁護士など専門家に相談することが肝要です。

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