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交通事故証明書とは?必要な場面や取得方法について

目次

交通事故で損害を受けた場合に「交通事故証明証」がなければ損害賠償請求できない可能性があります。
この記事では、交通事故証明書とは何か、また必要な場面や取得方法について解説します。

交通事故証明書とは

交通事故証明書とは、交通事故が発生した際に交通事故の内容を記した書面であり、交通事故が起こった事実や状況を証明できます。
交通事故証明書は、警察の事故調査資料や自動車安全運転センター法に従い、交通事故の発生日時、場所、内閣府令で定める事項を記載した書面で作成されます。
また、交通事故の加害者および被害者、その他に交通事故証明書を受け取ることが正当な利益を有すると認められる者の求めに応じて交付されます。

交通事故証明書が必要な場面とは

交通事故証明書が必要な場面とは、どのような状況なのかみていきましょう。

自賠責保険を利用するとき

自動車賠償責任保険(通称:自賠責保険)は、車両を購入した際に法律で加入することが義務付けられている保険です。
補償内容は、交通事故による人身事故に限定されており、相手を死亡させたり、ケガを負わせてしまったりした場合に補償されます。
被害者のケガや死亡に対して補償する際の事故証明として、交通事故証明書を必要とします。

任意保険を利用するとき

自賠責保険で補償できないときには、任意保険を利用します。
具体的には、事故によって破損した車両の修理費、自らが加害者になった場合のケガや手術等に関する治療費および入院費などを任意保険で補います。
交通事故により、加入している任意保険会社の保険を適用して自賠責保険で補償できないものを補償してもらう際に交通事故証明書が必要です。

労災保険を利用するとき

労働者災害補償保険(通称:労災保険)は、勤務中に起こった事故などの災害に対して補償される保険です。
労災保険は業務中だけでなく通勤も含まれているため、通勤途中に起こった交通事故も労災保険の適用範囲です。
労災保険の適用を受ける際にも交通事故証明書が必要です。
ただし、会社に提出した通勤経路を逸脱した場所で発生した交通事故の場合は、たとえ通勤途中であっても交通事故証明書を提出しても労災として認められないケースがあるので注意してください。

加害者に慰謝料を請求するとき

交通事故によって損害を被った場合は、加害者に対して慰謝料を請求する際に交通事故証明書を必要とします。
加害者側の保険会社は、被害者に支払う慰謝料について交通事故証明書も参考にして支払額を算定します。

後遺障害認定を申請するとき

交通事故で負ったケガに障害が残ると後遺障害に認定されることがあり、申請手続きに交通事故証明書が必要です。
後遺障害とは、交通事故を原因としたケガの治療が終了しても障害が残り、労務に支障をきたす場合のことです。
後遺障害に認定されれば、一般的な人身事故の賠償額より割り増しで補償されます。
また、後遺障害には認定等級が1~14等級まであり、等級によって補償額が異なります。

ケガの治療による休業申請を会社に提出するとき

私用によって会社を休むときには休業申請をしますが、交通事故によるケガの治療で休業申請する際には、交通事故証明書の提出が必要になるケースがあります。

交通事故証明書の取得方法

交通事故証明書の取得方法についてご紹介します。

申請が行える人

まず、交通事故証明書の申請が行えるのは、以下に該当する人です。

  • 交通事故の加害者
  • 交通事故の被害者
  • 交通事故証明書の交付について正当な利益があると認められる者
  • 上記に該当する代理人


交通事故証明書の交付について正当な利益がある者とは、損害賠償請求権のある親族、保険金の受取人などです。
また、代理人とは、交通事故の損害賠償請求の依頼を受けた弁護士、保険会社の担当者などが該当し、別途で代理人の委任状が必要です。

申請手続

交通事故証明書の申請には、以下の3つの方法があります。

  • 自動車安全運転センターの窓口で申請する
  • ゆうちょ銀行・郵便局で申請する
  • インターネットで申請する


交通事故現場がどこであっても、最寄りの自動車安全運転センターの窓口で申請できます。
管轄内の交通事故であれば原則、即日交付されますが、他県の場合は後日郵送されます。
ゆうちょ銀行・郵便局で申請する場合は、自動車安全運転センターや警察署、交番、駐在所に「交通事故証明書申込用紙」が備え付けてあるので必要事項を記入して申請します。
インターネットの場合は、当事者本人以外の申請はできないので注意してください。
どの方法を選択しても交付手数料として1通につき800円かかります。

まとめ

今回は交通事故証明書とは何か、必要な場面や取得方法について解説しました。
交通事故証明書は、交通事故によって損害を受けた際、加害者に対して損害賠償を請求する目的に使用されることが多いです。
交通事故の被害に遭い、加害者から思うような賠償額を提示されないなどの悩みや不安を抱えている場合は、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。