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交通事故による休業損害の計算方法と請求方法

目次

交通事故で怪我を負った際、治療のために仕事を休んだことによる収入の減少分を補うのが休業損害です。
休業損害の計算には複数の基準があり、どの基準を適用するかによって受け取れる金額が大きく変わってきます。
適切な算定を行わないことで、本来受け取れるはずの休業損害額よりも少なくなってしまうことがあります。
この記事では、休業損害の基本的な計算方法と請求方法について解説いたします。

交通事故の休業損害とは?

交通事故による休業損害とは、交通事故で負った怪我の治療のために仕事を休んだことによって生じた、収入の減少分を補填する賠償金です。
この賠償金は、事故がなければ得られたであろう収入を保障することを目的としています。
休業損害の対象者は、給与所得者だけでなく自営業者や、主婦などの家事従事者も含まれます。
減収の対象期間は、事故日から治療終了日までです。
この休業損害は、加害者側の保険会社に請求することになります。

交通事故による休業損害の計算方法

交通事故による休業損害は、以下の計算式で算出されます。

■1日あたりの基礎収入額 × 休業日数

この計算式が休業損害を算出する上での基本となります。
1日あたりの基礎収入額は、事故前の収入をベースに計算され、休業日数は、怪我の治療のために実際に仕事を休んだ日数を指します。
正確な休業損害額を算出するためには、基礎収入と休業日数を客観的に証明することが不可欠です。

休業日数の算定方法

休業日数の算定は、怪我の治療のために実際に仕事を休んだ日数や、遅刻・早退した時間に基づいて行われます。
休業日として認められるのは、原則として医師の指示や治療のために休業が必要と判断された期間に限られます。
土日祝日などの元々休日の日については、その期間中に労働の意思と能力があったと認められれば、休業日数に含まれることがあります。
特に自営業者や主婦・主夫の場合、実際に仕事を休んだことを客観的に証明することが難しくなるため、詳細な記録が求められます。

基礎収入の算定方法

基礎収入の算定方法は、被害者の職業や収入形態によって異なります。
給与所得者、自営業者、そして主婦・主夫では、それぞれ異なる基準を用いて算出します。

自賠責基準

自賠責基準における基礎収入額は、原則として1日あたり6100円と定められています。
ただし、実際の収入がこの金額を上回ることを客観的に証明できる場合には、1日あたり最大19000円を上限として認められることがあります。
この基準は、自賠責保険が最低限の補償を目的としているため、3つの基準の中で最も低額になっています。
給与所得者、自営業者、主婦・主夫のいずれにも適用される統一的な基準です。

任意保険基準

任意保険基準における基礎収入額は、加害者側の任意保険会社が独自に定めている基準です。
この基準は、自賠責基準よりも高い金額が設定されていることが多いですが、具体的な計算基準は公開されていません。
被害者が保険会社と直接示談交渉を行う際に提示される金額は、通常この基準に基づいています。
多くの場合、実際の収入を基に算出されますが、その金額は後述する弁護士基準よりも低く抑えられる傾向があります。

弁護士基準

弁護士基準における基礎収入額は、過去の裁判例に基づいて算定される、最も適正な金額です。
裁判基準とも呼ばれ、被害者の事故前3ヶ月間の平均収入をベースに、より実態に即した金額が算出されます。
たとえば、給与所得者の場合は、事故前3ヶ月の平均給与額を1日あたりに換算した金額が基礎収入額となります。
この基準は、3つの基準の中で最も高額な金額となる傾向があり、弁護士に依頼することで適用が期待できます。

休業損害の請求方法

休業損害の請求は、まず加害者側の保険会社に連絡し、休業損害を請求する意思を伝えることから始まります。
給与所得者の場合は、勤務先に休業損害証明書を作成してもらい、保険会社に提出します。
自営業者の場合は、事故前の確定申告書の控えなどを提出します。
保険会社は、提出された書類を基に休業損害額を算定し、示談交渉を通じて支払います。 治療期間中、生活費に困る場合は、保険会社に休業損害の一部を内払いしてもらうことが可能です。

まとめ

交通事故による休業損害は、治療のために仕事を休んだことによる減収分を補填する賠償金です。
休業損害は、基礎収入に休業日数をかけて計算されます。
基礎収入の算定には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の3つの基準があり、弁護士基準が最も高額になる傾向があります。
適切な休業損害を受け取るために、休業損害の請求でお困りの際は、ぜひ弁護士にご相談ください。