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相続手続の流れや期限について詳しく解説

目次

相続手続は人生の中で何回も経験するでき事ではありません。
したがって、相続手続が必要になったときに何をすればいいのかわからないという方も多いでしょう。
さらに、相続手続の中に含まれるものの中には、被相続人が死亡してから一定の期間内に手続を完了させなければならないものがあるので注意が必要です。
そこで、この記事では相続手続の流れと期限がある相続手続についてわかりやすく解説します。

【遺言書がある場合】相続手続の流れ

遺産相続手続の流れは以下の通りです。

  • 遺言書の有無の確認
  • 遺言書の検認
  • 遺産分割手続

それぞれの手続について具体的に何をおこなうのかを説明します。

遺言書の有無の確認

相続手続の最初の手順は遺言書の有無の確認です。
遺言書が見つからないということですぐに次の手順に進むと、後で遺言書が見つかったときに手続をやり直すことがあるので、念入りに遺言書の有無は確認してください。
遺言書がある場合、原則として遺言書の内容に沿った分割となります。
遺言書には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類がありますが、自筆証書遺言と秘密証書遺言は亡くなった方の手元に保管されているケースが多いです。
公正証書遺言は、亡くなった方が正本を保管し、公証役場が原本を保管しています。

遺言書の検認

遺言書の保管者もしくは発見した相続人は、遺言者の死亡後に、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出し「検認」を請求しなければなりません。
検認とは、相続人に対し遺言の存在とその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付や署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造や変造を防止するための手続です。
ちなみに、検認は遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。

検認が必要な遺言書の種類は以下の通りです。

  • 法務局で保管されていない自筆証書遺言
  • 秘密証書遺言

さらに、遺言書に封印がある場合、家庭裁判所での開封が必要なので、その前に開封しないようにしてください。
公正証書遺言、法務局で保管されている自筆証書遺言は検認の必要はありません。

遺産分割手続

遺言書で遺言執行者が指定されており、その者が就任を承諾した場合は、遺言執行者が相続登記や預貯金の解約などの相続手続をおこないます。
遺言書に遺言執行者の定めがない場合、相続人、親族、遺言書を作成した弁護士や司法書士などがその任に就くことが可能です。
家庭裁判所へ遺言執行者の専任を申立し、遺言内容の実現を依頼できます。

【遺言書がない場合】相続手続の流れ

遺言書を探してもなかったという場合は、下記の手順で相続手続をします。

  • 法定相続人の確定
  • 相続財産の調査
  • 遺産分割協議
  • 相続財産の名義変更

法定相続人の確定

亡くなった方(被相続者)の財産を受け継ぐ法定相続人は誰かを確定するために、被相続者の出生から死亡までの全戸籍謄本を取得します。
戸籍は結婚や離婚、本籍地の移動などのたびに新しく作成されます。
その際に除籍した子どもの情報を新しい戸籍に引き継ぐことはありません。
したがって、被相続人の戸籍を死亡から出生までさかのぼることで、法定相続人となる可能性がある子どもの有無や人数をきちんと確定できます。

相続財産の調査

亡くなった方の財産がどこに、どれくらいあるのかを確認する手続が必要です。
最初に亡くなった方の通帳を確認してください。
通帳から以下の情報がわかります。

通帳から確認できる財産通帳の記載されている情報
生命保険契約・年金保険契約保険料の引き渡し
有価証券配当金の入金
貸金庫契約使用料の引き落とし
所有不動産固定資産税の引き落とし

被相続人が貸金庫を契約していたなら、貸金庫に金、証書などが保管されている可能性があります。

遺産分割協議

法定相続人が確定され、財産の全容が調査されたなら、次の手続は法定相続人全員による遺産分割協議です。
遺産分割協議での話し合いの結果で同意した内容について遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議で合意に至らなかった場合は、家庭裁判所での調停による分割もしくは審判による分割です。

期限がある相続関連の手続

相続に関連する手続の中には期限が決まっているものがあります。
期限が決まっている手続は以下の通りです。

手続の種類期限
死亡届・火葬・埋葬許可証死亡の事実を知った日から7日以内
世帯主変更届・国民健康保険資格喪失届などの役所への届け出被相続人である世帯主が亡くなった日から14日以内
単純承認・限定承認・相続放棄の選択自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月
所得税の準確定申告相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月月以内
相続税の申告被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10ヶ月以内
相続登記の手続相続人が相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内(令和6年4月1日以降)

まとめ

この記事では遺言書がある場合の相続手続と遺言書がない場合の相続手続についてその流れを解説しました。
相続関連の手続には期限が定められているものがあるので、相続があることを知ったなら早めに手続を開始するのがおすすめです。
相続手続や遺産分割協議などで質問や悩みがあるという場合、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談・依頼すれば相続人や相続財産の調査、相続人との交渉、遺産分割協議書の作成、相続登記の手続など相続にまつわるあらゆる手続においてサポートしてもらうことができるでしょう。