弁護士法人金法律事務所

金法律事務所公式ロゴ

有責配偶者でも離婚が認められるケース

目次

有責配偶者からの離婚請求は、裁判所によって認められにくいとされています。
今回は、有責配偶者の定義や、有責配偶者からの離婚が認められるための要件、および離婚請求を進めるための方法について詳しく解説します。

有責配偶者とは?

有責配偶者とは、自身の不法な行為によって婚姻関係を破綻させた原因を作った側の配偶者のことを指します。
不貞行為やドメスティック・バイオレンスを行った場合、有責配偶者とみなされます。

有責配偶者でも離婚が認められるのか?

有責配偶者からの離婚請求は、特定の厳しい要件をすべて満たした場合に限り認められます。
裁判所が判断の基準とする、有責配偶者からの離婚請求を認める3つの要件は以下の通りです。

相当長期の別居期間があること

有責配偶者からの離婚が認められるための判断材料のひとつは、別居期間の長さです。
必要とされる期間は婚姻期間や夫婦の年齢などによって変動しますが、一般的には8年から10年程度となっています。

未成熟の子が存在しないこと

夫婦の間に、まだ経済的に自立していない未成熟子がいないことが有責配偶者からの離婚請求が認められる条件のひとつです。
未成熟子は、未成年だけではなく大学生のように経済的な援助が必要な状態の子どもも含む場合があります。
離婚によって子どもの養育に支障が出ることを防ぐための配慮です。
ただし、有責配偶者が十分な養育費を支払い続ける体制を整えている場合には、この要件を緩やかに解釈する事例もあります。

離婚によって相手方が過酷な状態に置かれないこと

有責配偶者からの離婚請求が認められる要件として、相手方配偶者が過酷な状態におかれないことがあります。
過酷とは、おもに経済的に困窮しないかどうかが考えられます。
たとえば、長年専業主婦として家庭を支えてきた配偶者が離婚によって生活保護を受けざるを得なくなるような場合は、離婚の請求が認められる可能性は低いといえます。
この要件を満たすためには、有責配偶者の側から財産分与や慰謝料、あるいは離婚後の生活を支えるための金銭的な補償を十分に提示することが求められます。

有責配偶者が離婚請求する方法

有責配偶者から離婚を請求する方法は以下の通りです。

離婚協議

有責配偶者が離婚請求を行う方法として、当事者間の協議が考えられます。
離婚協議は双方の合意によって成立するため、相手方が離婚に納得する条件などを提示すれば有責配偶者であっても請求が通りやすいです。

離婚調停

当事者間の協議で有責配偶者の離婚請求が通らなかった場合は、離婚調停で成立を目指す方法が考えられます。
離婚調停は離婚裁判とは異なり、有責配偶者であるかどうかは関係なく申し立てを行い、成立を目指すことができます。
ただし、あくまで話し合いによる解決を目指す手続きであるため、相手方が離婚条件に同意しない場合や、離婚請求を拒否するときには不調に終わる可能性が高いです。

離婚裁判

調停でも決着がつかない場合、有責配偶者が離婚裁判を起こすことになります。
裁判で先述した3つの要件を満たしていると認められるためには、有責配偶者側が立証しなければなりません。
特に別居期間の正確な記録や、相手の生活を支えるための具体的な経済的提案が重要になります。
要件を満たしていると認められれば、裁判官の判決によって強制的に離婚を成立させることができます。

まとめ

今回は、有責配偶者でも離婚が認められるケースや、離婚請求の方法について解説しました。
日本の法律実務において、有責配偶者からの離婚請求には厳しい制限が課せられています。
有責配偶者からの離婚請求を検討している際には、弁護士に相談し、客観的なアドバイスを受けることが効果的です。